和貴の『 以 和 為 貴 』

論語:為政第二 〔1〕 政を為すに徳を以てす


論語を現代語訳してみました。



為政 第二

《原文》
子曰、爲政以德。譬如北辰居其所而衆星共之。

《翻訳》
子 曰
〔のたま〕わく、政〔まつりごと〕を為すは徳を以〔もっ〕てす。譬〔たと〕うれば北辰〔ほくしん〕の其〔そ〕の所に居〔お〕りて、衆星〔しゅうせい〕 〔これ〕と共〔とも〕にするが如〔ごと〕し。




《 はじめに 》
〔い〕い伝えによると、孔先生のお父さまは、先生が生まれて間もないころにお亡くなりになり、先生はお母さまによって育てられました。

やがて、先生が成年となるころ、それまで育ててくれたお母さままでもがお亡くなりになってしまいます。お母さまは最後のことばとして、先生のお父さまが眠るお墓に、一緒に埋葬〔まいそう〕してほしい、そう、いい遺したそうです。

しかし先生は、お父さまのお墓がどこにあるのかも分からないままに、お母さまの亡き骸〔がら〕が納められた棺〔ひつぎ〕を、いく日もいく日も、引きづりながら歩き、お父さまが眠るお墓を探したそうです。

そして、ようやくお墓をみつけだし、お母さまを、お父さまが眠るお墓に埋葬することが出来たのでした。この話が魯〔ろ〕の国の人々にも伝わり、希代〔きだい〕の孝行息子と称され、やがて、魯国の官爵〔かんしゃく〕を、心ならずでしたが、賜〔たまわる〕ることになったのでした。




為政 第二


《現代語訳》


そんな孔先生が、ご高齢になられ、次のように仰られました。


国の政務にたずさわる人たちは、民・百姓から信頼されなければなりません。また、民・百姓のお手本となるようにも努めなければなりません。

たとえていえば、一天に、光り輝いてる巨星があり、その巨星を心のよりどころとした小さな星たちが、ともに、まわり続けているように、と。











※ 関連ブログ 政を為すに徳を以てす
※ 原文・翻訳の出典は、加地伸行大阪大学名誉教授の『論語 増補版 全訳註』より
※ 現代語訳については、同出典本と伊與田學氏の『論語 一日一言』から参考としている 
※ 孔先生とは、孔子のことで、名は孔丘〔こうきゅう〕といい、子は、先生という意味
※ 画像は、魅力的なフリー画像『Pixabay』さんより


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