其の言うや善し・君子 道に貴ぶ所の者 三
「曾子 言いて曰(のたま)わく、鳥の将に死なんとするとき、其の鳴くや哀し。人の将に死なんとするとき、其の言うや善し。君子 道に貴(たつと)ぶ所の者 三(みつ)。容貌を動かして、斯(ここ)に暴慢に遠ざかり、顔色(がんしょく)を正しくして、斯に信に近づき、辞気(じき)を出(いだ)して斯に鄙倍(ひばい)に遠ざかる。」
■その意味は?
曾子(先生)が言われた。
『鳥が死ぬ前には、哀しげな声で鳴く。人が死ぬ前には、その言葉は善いと申します。〔私の最後の言葉をよくお聞きください〕およそ為政者の在り方に大事なことが三つあります。立居振舞いは荒っぽくなく、また人を見下したりしないように、顔色を正してまことの心を表すように、言葉に気をつけて俗悪にならないようにすることが大切でございます。』
(「論語」一日一言より)
■感想
父母の死に際はもちろん、尊敬してやまない人の死に際の最後の言は、なにがあろうとも聞いておきたいものである。
"親の死に目に会う" 、ということの真意が理解できたように思う句といえよう。