和貴の『 以 和 為 貴 』

論語:108日目 曾子疾あり


曾 子 疾 あ り


「曾子 疾(しつ)あり。門弟子(もんていし)を召して曰(のたま)わく、予(わ)が足を啓(ひら)け、予が手を啓け。詩に云う、戦戦競競(せんせんきょうきょう)として深淵に臨むが如く、薄氷を履むが如しと。而今(いま)より後(のち)、吾 免(まぬが)るるを知るかな、小子(しょうし)。」


■その意味は?

曾先生は病気が重くなって死の近いのを知り、弟子たちを枕元に呼んで言われた。
『私の足や手をだして見なさい。詩経に「恐れおののいて深い淵に臨むように、また薄い氷をふむように」』とあるが、これからはもうそんなに気を遣う必要がなくなるだろう。ありがたいことだ。そうではないかね、みんな。』

(「論語」一日一言より)
 

■感想

この句は、道義・道徳を貫き生きることの過酷さを物語っておられるわけであるが、かつて、日本に渡来してきた西洋人の多くが、我々の祖先の暮らしぶりを見て驚愕したことは、この、 "意識せずとも道義・道徳を実踐されていた" ことなのである。


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