雲の向こうの空

立ち上る雲の向こうの空 いかん
見上げしもののあわれとぞ思ふ

DVDには騙された

2010年05月28日 | コラム


「風の谷のナウシカ」のBlu-rayが7月14日に発売されるわけだが、それに先立って5月27日に鈴木プロデューサーによる完成披露発表会がおこなわれた(AV Watch)。
AV Watchで紹介されている完成披露発表会の様子を読みながら、DVDにはつくづくだまされたとおもった。DVDが発売された当初の小生の映像環境は1980年代のブラウン管テレビだったため、DVDの真の実力を知ることもなく、ビデオより美しくなったその映像に驚愕していた。そのため、DVDで発売されたジブリシリーズを買い揃えてしまったわけだ。ただし宮崎駿監督作品に限る。
当時の小生はDVDさえ購入しておけば、永遠に美しい映像が観れると思っていた。


32Vの液晶テレビを購入してみて、さらに驚愕した。DVDの画像の汚さにだ。遠目になんとなく観る分には申し分ないのだが、まじまじとみるとノイズが気になる。特にセルアニメだとベタのマダラが気になるし、今の地上デジタル放送の方が綺麗に見える。確かにDVDが1990年代前半の技術でつくられているのに対して、Blu-rayは1990年代後半の技術でつくられているのだから、同じ性能な訳がないのだが、当時の小生は情弱でDVDが光学ディスクの最高峰だと思っていた。読み取りの波長を短くすれば、記憶容量が増して映像も美しくなることは知っていたが、DVDの書き込みドライブが普及する前にCD-Rに記録した映画などを見ていたため、目が腐っていたのも勘違いの原因である。ちょうどいろいろなコーディックが出てきた時代である。


さて、そこで問題になるのが、50GBに録画された2時間の映画の容量は十分で、圧縮技術に改良される余地があるのかないのかなのだ。700MBのCD-Rに5分の映像を収めるとしたら、24枚で約16.4GBの容量になる。そう考えると、50GBというのは容量としては十分な気がする。根拠の出所がいい加減だが・・・
DVDの片面2層の容量が8.54GBだから約2倍の容量と考えると、50GBというのは途方もない容量に思える。だが、技術的には記憶容量はまだまだ増やせるようである。圧縮しなければ、2時間で85TBくらいいるのかも・・・。
圧縮技術については、パナソニックハリウッド研究所が開発したMPEG-4 AVC High Profileが性能が良いようだ。パナソニックハリウッド研究所は今回の「風の谷のナウシカ」のエンコードを担当した。AV WatchにパイレッツオブカリビアンをBlu-ray用にエンコードしたときの話があったので読んでみると、圧縮については1シーン毎に量子化マトリクスを調整したり、メディア転送レートの制限に苦労したようだ。ただし、特典などのために、Blu-ray本来の54Mbpsの半分以下の平均20Mbpsというメディア転送レートの制限となってしまった。まだまだ、改善される余地はあるようである。


こんなところを見てみると、Blu-rayもまだまだだと思えるかもしれないが、今は47V程度の液晶テレビで綺麗に見れれば十分な気がする。そもそも32Vの液晶テレビだとDVDでも十分ですし、番組録画の基本はLPです。
最近はハードディスクレコーダに録画するのが一般的です。おまけのように光学ドライブがついてきている状態ですから、Blu-rayドライブもDVDドライブと一緒につけて売られちゃえばビデオと違い、映像が綺麗、汚いに関係なくBlu-rayが普及していくのではないでしょうか。正直、レンタルとかしないから、ハードディスク録画だけでもいい気がしますが・・・。


2月19日に放送された「風の谷のナウシカ」は、ハードディスクレコーダに録画しておいてあります。CMをカットしておけばいつでも観れて、DVDとかなくても特に問題ないのですが、Blu-rayの特典でついてくる「『風の谷のナウシカ』GUIDE BOOK」復刻保存版ミニ本、オーディオコメンタリーと英語の吹き替えが気になっています。DVDは庵野さんと片山さんのお話もおもしろかったですし、idiotな英語字幕も楽しめました。タペストリが印刷されたケースもよかったですし、パッケージのトルメキア戦役なんか映画に出てこないアスベルが巻いた包帯があって


DVDでは「風の谷のナウシカ」がなかなか発売されなかったけど、今回は早々に発売されます。ジブリの意気込みが違うのでしょうか。ただの考えすぎでしょうか。兎にも角にも、Blu-rayになった「風の谷のナウシカ」を買うか買わないか、思案が続きます。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿