【羽生、王者の舞きょうこそ!超高難度フリーで逆転V狙う】
◇フィギュアスケートGPシリーズ第3戦・中国杯第1日(2014年11月7日 中国・上海)
“氷上のプリンス”がまさかの2位発進だ。男子ショートプログラム(SP)でソチ五輪金メダリストの羽生結弦(ゆづる、19=ANA)が82・95点。今季初戦で演技後半に組み込んだ4回転トーループが3回転になり、3—3回転の連続ジャンプでもミスが出た。首位は85・96点のマキシム・コフトゥン(19=ロシア)で、田中刑事(19=倉敷芸術科学大)は56・82点で最下位の11位。女子SPの村上佳菜子(20=中京大)は、60・44点で3位だった。
誰もが予想できない2分50秒だった。演技を終えた羽生の表情がさえない。基礎点が1・1倍になる演技後半に組み込んだ4回転トーループが3回転になると、3回転ルッツ—3回転トーループの連続ジャンプはルッツの単発になった。得点はソチ五輪で出した101・45点の自己ベストに遠く及ばない82・95点で2位。かつてないほど大粒の汗を滴らせ、自嘲気味に笑った。
「もう最悪のひと言。ひどかったです。ちょっとっていうか、かなり悔しい。こんなんでよく2位になったな」
今季SPはショパンの「バラード第1番」。史上初の100点超えをマークするなど、過去2季にわたって使用した「パリの散歩道」のエレキギターのサウンドから、ピアノ曲へ雰囲気は一変した。「ゆったりした曲の中で、どれだけメリハリをつけられるか」。静と動を巧みに使い分けるはずだったが、ジャンプのミスが大きく響き、サルコーとトーループの2種類の4回転を決めたコフトゥンに及ばなかった。
ソチ五輪から約9カ月。06年トリノを制したプルシェンコ、10年バンクーバー王者のライサチェクは五輪の翌シーズンは試合に出ていない。大一番を終えて休養するスケーターも多いが、羽生は違う。今季は最大目標の18年平昌(ピョンチャン)五輪に向けたスタートのシーズン。「五輪王者らしい結果と演技をしっかり印象付けたい」。金メダリストとしての強すぎる責任感が、この日は19歳の体から本来の切れを奪った。
今季初戦に予定していた10月のフィンランディア杯を「筋筋膜性腰痛症」で欠場。腰痛はジュニア時代からの古傷で、ソチ五輪前にも痛めていた。羽生は影響を否定したが、今も患部の状態は決して良くない。関係者は「これまでは多少の痛みでも出場したが、10月のフィンランディア杯は初めての欠場だった」と、急ピッチで今大会にこぎ着けたことを明かした。トレーナーも急きょ日本から上海に呼んでいた。
8日のフリーでは、今季解禁されたボーカル入りの「オペラ座の怪人」を演じる。前半にサルコーとトーループ、後半にトーループと計3度の4回転を跳ぶ超高難度の構成だ。コフトゥンとは3・01点差。「挑戦している限り(王者になっても)モチベーションは下がっていない。コーチ(オーサー氏)の名前を汚す演技をしてしまった。このままじゃ帰れない」。完璧なファントムを演じきっての逆転戴冠が、五輪連覇への号砲になる。
昨日のSPより。
応援する私も緊張しましたが、
結弦君もとても緊張しましたよね。
睫毛が緊張感を表していました。
得点を待つ間も
時折、笑顔もありましたが、
悔しい気持ちは伝わってきました。
得点が出た時にも
悔しかったでしょうね。
演技後のインタビューより。
【シーズン初戦になりましたが、今日の演技、いかがだったでしょうか?】
『いや、もう最悪の一言ですね。
もうひどかったです。 』
【今シーズンから、後半に四回転を入れるという挑戦が一つあったわけですが、
今日、そのあたりはどうだったでしょうか?】
『調子自体は悪くなかったと思いますし、実際こちらに来てからも
後半のトーループ、本当に実際に全部やってるわけではないですけれども、
ショート、フリーと共に、現地に来てから、しっかり飛べていたので、
まあ、ちょっと悔しいですね。
ちょっとというか、かなり悔しいです。』
【オリンピックで勝って、世界選手権で勝って、そして迎えている今シーズンですけれども、今日どんな気持ちでリンクに立ったのでしょう。】
『まあ、割と普通にリンクの上に立っていたと思うんですよ。
ただ、やっぱりこうやってミスをしてしまったというのは、
何かしら原因があると思うので、しっかり今日の自分を思い返しながら、
あまり変な風に考えずに、明日に向けて頑張りたいと思っています。』
【改めて悔しいとおっしゃっていましたが、明日は2位から迎えるフリーですが、
どんな演技を見せたいですか?】
『まあ、とにかくよくこんなんで2位になったなと自分自身、本当に思っているので、
明日はしっかりと自分らしい演技をしていきたいなと思っています。』
【明日も沢山の方が応援していると思います。頑張って下さい。】
『ありがとうございます。』
【どうもお疲れ様でした。】
『ありがとうございます。』
解説者 佐野稔さんのインタビューより。
曲の流れに演技を合わせるのって、大変なんですね。
それから、佐野稔さんが嬉しいお言葉を言って下さいました。
結弦君も嬉しそうでしたね。
今日のフリー、頑張って下さい。
応援しています。
※画像はお借りしました。