わが郷里の栗駒で創作活動を続けている能島和明画伯の作品が、『宮城日展会展』に出品されているとの案内を受け、8月27日(日)に仙台メディアテークに出かけた。
この日の午後3時からは、すぐ近くの宮城県民会館で林隆三さんと仙台フィルハーモニー管弦楽団による『仙台フィルサマーフェスティバル なつかしの映画音楽』があり、2会場をかけた形。
能島先生とは昨年3月にお会いして以来ご無沙汰をしていたので、大変申し訳なく思っていたところであった。そのときは奥様とご一緒に、作品の製作背景などをいろいろ教えていただきもした。その後も「山のアトリエにお越しください。」と幾度かお誘いを受けながら、未だお伺いもしていないのだから、本当に情けないことだと思う。
今回出品の作品は『くれる』(1993年第25回日展)。※昨秋の絵は全国巡回中とのことであった。
私はこの作品が大好きである。もうすぐ暗くなろうとする夕暮れの光の中で、すこし首を横に傾けた優しい面持ちの女性。その人の足元には、オミナエシやフシグロセンノウなど数々の野の花。穏やかでどこか寂しげなこの絵の雰囲気が心に沁みてくる。お二人から制作時のいきさつを教えていただいたからなおさらなのかもしれない。
会場内を3度ほど回り、さらに最後にまたこの絵をじっくりと拝見させていただいた。
午後3時からは県民会館でのコンサートを堪能。これぞ『林隆三の世界』を存分に味あわせていただいた。
演出効果も考えた“いでたち”での『屋根の上のバイオリン弾き』『ラ・マンチャの男』はまさに圧巻。歌の内容を思えば、離れて一人千葉県に住むわが子と一緒に聞くことができたらどんなに良かったことかと思わずにはいられなかった。きっと彼女も元気を得ることができただろうに。
それにしても、林さんのあの人としての幅はどこから来ているのだろうか。宮澤賢治の精神世界に飛翔したかと思えば、映画人としての世界はもちろん、歌ではオーケストラとの競演をもこなす。そして時には、われわれ俗人の懇談にも付き合ってくれるのだから・・・。なんとも不思議でかつ大きな林宇宙ではないか。そんな思いを一層強くした次第である。
この帰りに、林ファンのわが職場の同僚と居酒屋でしばしの懇談となったのは当然の帰結。
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