ずーみんのはがき絵七十二候

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はがき絵いろはうた二周目(その15)

2023-09-30 16:04:57 | 日記

 今までに書いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズの「二周目」です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばしましょう。「を」と「ん」で始まるはがき絵もないのでとばしてしまいますね。

 二周目の第十五回目、最終回でもある今回は「せ」と「す」です。これでいろはうたの二周目はおしまいとなります。

 

 

 

 

『せ』・・・セイウチ

 セイウチの顔をアップで描きました。大きな牙が特徴ですが、よく見るとそれほど怖い顔ではありません。このセイウチが腹筋運動をしている動画を見ました。もちろん自発的にしているのではなく、「芸」として仕込まれてやっているのですが、巨体で行う迫力とともに、どことなく愛らしさもあって笑ってしまいました。「セイウチ 腹筋」などというワードで検索すれば見ることができるのではないかと思います。ちょっとご覧になって見てはいかがですか。

 セイウチは漢字表記では「海象」です。俳句の季語にはなっておらず、海象を俳句に詠む場合は別の季語をとり合わせる必要があります。

 「セイウチの麻酔の効き目夏の空」という句を見つけました。お笑いコンビFUJIWARAのフジモン、藤本敏史さんの句です。

 

 

 

 

 

『す』・・・スズメノテッポウ

 スズメノテッポウはイネ科の、いわゆる「雑草」です。田んぼに生えている印象があります。調べてみますと畑にも生えるようです。しかも「田んぼに生える水田型と、畑に生える畑地型とは、同じスズメノテッポウでありながら違った性質を持っていることが知られている。」などと興味深いことが書いてありました。

 この草の花穂の部分を引き抜いて息を吹き込むと「ピー」と鳴ります。草笛の一種ですが、音程を出すことは難しいようです。俳句では春の季語として扱われます。

 ハングルで「どこからか 草笛を吹く かすかな音が・・・」と書きました。左下には小さく「スズメノテッポウ イネ科」と書き添えてあります。スズメノテッポウの訳語として「뚝새풀」を採用しています。他に「참새  떡볶이」という訳語も見つかりました。こちらは「雀のトッポギ」なのですね。花穂の形からきているのでしょう。

 

 

 

 今までに描いたはがき絵をいろは順に紹介していくシリーズも、これで2周目が終わりました。解説文を新たに加えてご覧いただいておりますので、3周目もぜひお付き合いくださいね。


風6題(その9) 49~54

2023-09-23 19:28:37 | デザイン書芸

 毎月一作品ずつ「風」という字をデザインして発表しています。

 デザインした文字ははがきに書いて、ある方に宛てて送ります。するとその方がご自分のブログにアップしてくださるという仕組みになっています。ずいぶん回りくどいようですが、書いた文字を一度投函して「旅をさせる」ことが面白く感じますのと、各地の郵便局に依頼して風景印を押印してもらうという楽しみもありまして、このようなことになっています。

 同じ文字を並べて見てみたいという気持ちになりまして、この場で発表させていただきます。

 

 『風49』 2023年3月

 「3月の風と 4月の雨が 5月の花を咲かせる」

 

 

 

 

 

 『風50』 2023年4月

 「4月の風はあたたかいです」

 

 

 

 

 

 『風51』 2023年4月

 「5月の風がさわやかです」

 

 

 

 

 

 『風52』 2023年5月

 「6月の風が吹いてくる小径に・・・」

 

 

 

 

 

 『風53』 2023年7月

 「8月の風は 海から吹きます」

 

 

 

 

 

 『風54』 2023年8月

 「8月の風のメロディーを聞く」

 

 

 同じような字にならないように気を付けて、用具なども変えて書いています。

 『風50』は当時、朝ドラ「おかえりモネ」を見ていて、気象予報士になって民間の気象予報会社で働き始めた主人公が、車いすランナーを気象予報の立場からサポートする展開の中で、ランナーを応援するために競技場のトラックサイドで掲げていた「風になれ!」というボードの字がいいなと思って真似して書いてみたものです。

 このように「風」ばかり並べて見ると、毎月一作品ずつアップされるのとはまた違った面白さがあると思います。


はがき絵いろはうた二周目(その14)

2023-09-16 22:12:30 | 日記

 今までに書いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズの「二周目」です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばしましょう。「を」と「ん」で始まるはがき絵もないのでとばしてしまいますね。

 二周目の第十四回目、今回は「し」そして「ゑ」をとばして「ひ」「も」です。

 

 

 

 

『し』・・・シャトルコック

 バドミントンのシャトルコックを描きました。書き添えたのは「羽根つき歌」です。数え歌になっています。「ひと目 ふた目 見よかし 嫁御 何時やの 昔 七夜の 薬師 ここのつ とお」

 「見よかし」は「みやこし」と歌っていたような気もします。おそらくこういう意味だろうと想像して漢字をあててみましたが、「昔」は「武蔵」、「薬師」は「やつし(おしゃれをする人)」かもしれません。

 「羽子(はね)」「羽子突き」「追い羽子」「羽子板」などは新年の季語です。当然ながらバドミントンやシャトルコックは季語ではありません。

 

 

 

 

『ひ』・・・向日葵

 「高原の向日葵の影われらの影  西東三鬼句」

 季語は向日葵、季節は夏です。夏を象徴する花ですね。フランス語では太陽という単語とヒマワリという単語が同じ「soleil(ソレイユ)」だと聞いて調べてみました。太陽の方を向くことからターンするという意味の言葉と太陽という言葉を組み合わせたような単語がヒットしましたが、太陽を表すsoleilも向日葵を表す場合があることがわかりました。

 

 

 

 

『も』・・・モクレン

 シモクレンを描きました。ハクモクレンもシモクレンもともに春の季語です。なんと、この暑いさなかにシモクレンが咲いています。私はつい先日、8月下旬に転勤したのですが、現在の職場にほど近いマンションの周りに植えられている木の中にシモクレンが一本あって、8月の日差しを受けてたくさんの花を咲かせていました。いったいどうなっているのでしょうか。

 「歩いて行こう 花が咲う(わらう)道を」と書き添えました。「咲」と「笑」は誤って伝えられたという説があります。「咲」は口へんで「わらう」、「笑」は竹冠で「さく」だというのです。言われて見ればそんな気もしてきます。

 


はがき絵いろはうた二周目(その13)

2023-09-08 22:47:34 | 日記

 今までに書いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズの「二周目」です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばしましょう。「を」と「ん」で始まるはがき絵もないのでとばしてしまいますね。

 二周目の第十三回目、今回は「ゆ」「め」そして「み」です。

 

 

 

 

『ゆ』・・・ユキノシタ

 ユキノシタの花をアップで描きました。「私が好きな花」と書き添えるだけあって、本当に好きな花です。小さい花ですが、この絵のように花弁にかわいい模様があります。我が家ではガレージにプランターを置いています。あまり強い日射は苦手なようで、半日陰を好むと書いてあったからです。花期は梅雨時です。ですから俳句では夏の季語になっています。寒さに強く、積もっている雪の下に緑の葉があることからユキノシタと呼ばれるようになったそうです。韓国語では「바위취(バウィチュィ)」と言うようです。「바위」は岩、「취」という山菜があるので、その仲間ということなのかもしれません。

 

 

 

 

『め』・・・メバル

 メバルを描きました。ハングルで「メバルを釣りに行きます」と書き添えました。韓国語でメバルは「볼락(ポㇽラㇰ)」というのですね。

 手釣りでよく釣れ、煮つけなどがおいしい魚です。大きいものは刺身や塩焼きで、と書いてありましたが、私はそんなに大きいものを釣ったことがなく、いつも煮つけでいただいています。春先から夏にかけてが食べごろで、そのため「春告魚」とも呼ばれています。俳句でも春の季語になっているようです。

 

 

 

 

『み』・・・ミズヒキソウ

 「水引草咲いていつもの散歩道」

 季語は水引草、季節は秋です。

 東大阪市の東部、それもかなりの山間部に住んでいたころ、散歩道に水引草が咲いているところがありました。季節の草花がたくさん観察できて楽しかったものです。ノミノフスマやキュウリグサなどの小さな小さな花が好きで、大きな虫眼鏡を持ち歩いて、立ち止まったりしゃがみ込んだりして、小さな花のつくりなどを観察していると時のたつのを忘れるほどでした。今は同じ東大阪市ですが西部に住んでいて、住宅や工場の中に住んでいる感じです。園芸植物はたくさん見られますが、以前のような豊かな自然、というわけにはいかなくなりました。土地が平らで坂道がないのは助かります。散歩道にイノシシの罠が仕掛けてあることも、交通事故に遭ったタヌキが死んでいることもなくなりました。


희망가(希望歌/ヒマンガ) 歌詞3

2023-09-02 21:22:47 | デザイン書芸

 희망가(希望歌/ヒマンガ)という歌があります。

 私はこの歌を『軍艦島』という韓国映画のエンディングで知ったのですが、心打たれる歌でした。

 この歌のメロディーには原曲があり、讃美歌あるいは聖歌、白人霊歌の中によく似たメロディのものがあること、日本の曲「真白き富士の根(七里ヶ浜の哀歌とも呼ばれる)」も、同じ曲を原曲としていることなどが調べてみてわかりました。つまり「希望歌」と「真白き富士の根」は兄弟のような関係にあるということのようです。

 「希望歌」の韓国語の歌詞を参考にしながら、その内容に合うような文字を選んでデザインして書いてみる、という試みをしてみました。

 歌詞はいろいろあるようですが、私が動画検索して聞いたものはおおむね以下のようなものです。

 

 이 풍진 세상을 만났으니 너의 희망이 무엇이냐
 부귀와 영화를 누렸으면 희망이 족할까
 푸른 하늘 밝은 달 아래 곰곰이 생각하니
 세상 만사가 춘몽 중에 또다시 꿈같도다 

 부귀와 영화를 누릴지라도 봄 동산 위에 꿈과같고
 백년 장수를 할지라도 아침에 안개로다
 담소화락에 엄벙덤벙 주색잡기에 침몰하랴
 세상만사를 잃었으면 희망이 족할까

  희망이 족할까...


 この風塵の世に出逢い お前の希望とは何なのか
 富貴と栄華を享受するならば 希望は叶うのか
 青い空 明るい月の下 つらつら鑑みるに
 この世は万事 春の夢の中 さらに夢見るが如し

 富貴と栄華を享受すれども 春の園の夢の如し
 百年長寿は成れど 朝には霧の如し
 談笑 和楽に浮かれ 酒色 雑事にふけるのか
 この世は万事忘るるがゆえに 希望は叶うのか

  希望は叶うのか・・・

 

 以上のような歌詞です。歌詞はこれ以外にもあるようですが、私が動画検索して聞いたものを書き写しておきます。この歌詞の一行につき一文字をデザインしましたので、八作品を書くことができました。作品ははがきに書き、ある方に郵送すると、その方がご自身のブログにアップしてくださる、というシステムになっています。回りくどいようですが、一度郵便で「旅をさせる」ことにより、全国の郵便局の風景印をコレクションするという目的も達成できるので、このようにしています。バラバラにアップされた作品を、一つにまとめて並べて見たいという思いに至りまして、歌詞の順に八枚まとめてご覧いただきます。

 以前にも同じ試みを行っています。今回は「『希望歌』の歌詞を書く」の2回目となります。

 

 

 

 이 풍진 세상을 만났으니 너의 희망이 무엇이냐

 この風塵の世に出逢い お前の希望とは何なのか

 

 부귀와 영화를 누렸으면 희망이 족할까

 富貴と栄華を享受するならば 希望は叶うのか

 

 푸른 하늘 밝은 달 아래 곰곰이 생각하니

 青い空 明るい月の下 つらつら鑑みるに

 

 세상 만사가 춘몽 중에 또다시 꿈같도다 

 この世は万事 春の夢の中 さらに夢見るが如し

 

 부귀와 영화를 누릴지라도 봄 동산 위에 꿈과같고

 富貴と栄華を享受すれども 春の園の夢の如し

 

 백년 장수를 할지라도 아침에 안개로다

 百年長寿は成れど 朝には霧の如し

 

 담소화락에 엄벙덤벙 주색잡기에 침몰하랴

 談笑 和楽に浮かれ 酒色 雑事にふけるのか

 

 세상만사를 잃었으면 희망이 족할까

 この世は万事忘るるがゆえに 希望は叶うのか

 

 アップしながらも頭の中にはこの曲が流れています。頭の中で歌が歌える八枚セットの完成となりました。

 

 一回目の文字は順に 逢、貴、空、夢、夢、朝、酒、希 でした。

 二回目の文字は順に 塵、冨、明、夢、栄、寿、酒、望 でした。

 今回、三回目の文字は順に 塵、冨、蒼、世、栄、壽、笑、忘 です。