おやじボクサー(57歳。 19年間ボクシング)   3.11宮城県ボランティア11年間実費参加・『津波』に遭った生き証人

元車椅子。右足首金属ボルト接続。『おやじファイト』優勝。東京での試合は?10戦7勝3引分(39〜44歳)TV放送2回有り

【おやじファイト】編 32

2007年07月14日 01時51分58秒 | ボクシング19年間 (プロ・アマチュア) 56歳でジム卒業
覚えていること。 ラスト30秒。 コーナーで中島会長が檄を飛ばしてくれている。 言葉は聞こえないけど、 声のトーンでわかった。 手は出ても、 足が出ない。 追えない。 めいっぱい、 声を出してくれている。 動かなくちゃ。 追わなきゃ。 当てなきゃ。 頭の中は、 苦しい。 苦しい。 苦しい。 苦しい。 それだけだった。 振り絞った。 終 . . . 本文を読む

【おやじファイト】編 31

2007年07月14日 01時46分16秒 | ボクシング19年間 (プロ・アマチュア) 56歳でジム卒業
覚えていること。 3R目のゴングがなった。 力のかけらも残ってなかった。 息継ぎの下手なクロールのようだったと思う。 もがきながら パンチを打った。 打っても、 打っても、 ひたすら打った。 相手が打とうとする暇を与えたくなかった。 相手が打とうとする間に、 また次のパンチを打った。 当たろうが、 当たらまいが、 おかまいなしに打った。 自分のパンチも その瞬間全てがスロ . . . 本文を読む

【おやじファイト】編 30

2007年07月14日 01時39分48秒 | ボクシング19年間 (プロ・アマチュア) 56歳でジム卒業
覚えていること。 リングの明かりがまぶしかった。 中島会長が、 俺の顔を両手で持つように、 真っ直ぐに添えて、 こう言った。 中島会長の目が 真っ直ぐ俺を見た。 その目をみつめながら うなずいた。 俺は「はい」と言った。 中島会長は 力強い言葉で 「最後ですよ!!」 「勝負ですよ!!」 そう言った。 その言葉を聞いて勇気付けられた。 まだ負けてなかったん . . . 本文を読む

【おやじファイト】編 29

2007年07月14日 01時31分40秒 | ボクシング19年間 (プロ・アマチュア) 56歳でジム卒業
覚えていること。 2Rが終わった。 コーナーに帰った。 椅子に腰掛けた。 口をゆすぐ時、 呼吸が苦しくて、 「ゆすぐ」こと自体が苦しかった。 苦しくて、 ゆすいだ水を吐き出した。 回りの音は何も聞こえない。 自分の荒れた呼吸だけが聞こえた。 . . . 本文を読む

【おやじファイト】編 28

2007年07月14日 01時28分20秒 | ボクシング19年間 (プロ・アマチュア) 56歳でジム卒業
覚えていること。 2R目。 思ったより足が重い。 入ろうとした瞬間に カウンターをもらった。 緊張してたから、 痛みは感じなかったけど 衝撃は覚えている。 何発か、 立て続けにもらった気がする。 ゴンゴンゴンッ、 音が聞こえた。 何発かもらうたびに 相手選手の応援側から喝采がおこる。 不思議と、 それだけは良く聞こえた。 大きな声が聞こえた。 何となく、 俺 . . . 本文を読む

【おやじファイト】編 27

2007年07月14日 01時19分59秒 | ボクシング19年間 (プロ・アマチュア) 56歳でジム卒業
覚えていること。 1R終わって コーナーに帰った。 帰ることが出来た。 既に息があがっていた。 椅子に座った。 口をゆすいだ。 何か、 中島会長が言っていたような気がした。 あっと言う間にセコンドアウトとなって、 2Rのゴングが鳴った。 椅子から立ち上がった。 またリング中央へ向かった。 . . . 本文を読む

【おやじファイト】編 26

2007年07月14日 01時16分04秒 | ボクシング19年間 (プロ・アマチュア) 56歳でジム卒業
覚えていること。 ひたすら愚直に前に出た。 ときおり長いリーチで打たれて あごがあがった気がする。 それでも 手を出し続けて、 足を前に踏み続けた。 一歩。 一歩。 とにかく前に向かったよ。 . . . 本文を読む

【おやじファイト】編 25

2007年07月14日 01時12分50秒 | ボクシング19年間 (プロ・アマチュア) 56歳でジム卒業
覚えていること。 打たれてわかった事が3つ。 対戦相手のジャブは確実に自分より「早い」事。 そして。 相手の距離は自分より「遠い」事。 入らなかったら最後まで打たれるだけと言う事。 最初のジャブだけで結論を出した。 がむしゃらに前に出ようと。 . . . 本文を読む

【おやじファイト】編 24

2007年07月14日 01時04分20秒 | ボクシング19年間 (プロ・アマチュア) 56歳でジム卒業
覚えていること。 対戦相手と向かい合った。 両グローブでお互いにタッチした。 距離が縮まった。 どんなふうに動こうかと思った矢先、 パンッ!! 相手のジャブが当たった。 全く、 その瞬間が見えなかった。 打たれた後の感触しか残ってなかった。 . . . 本文を読む