前記事↑ への補足として「デイリー新潮」からの抜粋です。
日本の輸出規制、韓国では「単なる報復ではなく、韓国潰し」と戦々恐々
デイリー新潮
資本逃避は産業のマヒと比べ「即効性」が強い。韓国政府の防衛ラインと見られる1200ウォンを割り込めば、今すぐにも大規模な資本逃避が起きかねないからだ。
7月4日、日本政府は韓国に対する輸出規制の強化策を発動した。「報復はけしからん」と息巻く韓国人が多い中で「そんな生易しいことでは終わらない。日本は我が国を潰すつもりだ」と見切る韓国メディアが出てきた。
IT製品の素材が円滑に日本から入らなくなると、半導体など主力産業がマヒすると韓国は焦っている。だが、その心配の前に、韓国経済の持病たる資本逃避を懸念せざるを得なくなった。
韓国からすれば「モノ」を通じた報復に見えて実は、すぐに効く「カネ」による毒物を盛られたことになる。
経済産業省が発表した「大韓民国向け輸出管理の運用の見直しについて」によると管理強化は2段構えだ。
レジストの場合、韓国でも製造しているが品質が低い。朝鮮日報の「日本の緻密な攻勢…韓国が輸入を多角化できない素材だけをズバリ探し出した」(7月3日、韓国語版)は「韓国製は10ナノ級以下の超微細工程では使えない。日本製品と同水準のレジストを作るのは『ゼロ』から研究開発する必要がある」と嘆いた
第2段は「信頼できる『ホワイト国』の分類から韓国を外す」である。
大韓民国に関連する輸出管理をめぐり不適切な事案が発生したこと」とは何を意味するのか。国連の対北朝鮮制裁を韓国が堂々と破っていることを指すと思われる。
韓国電力の子会社は密輸された北朝鮮の石炭を購入し使っていた。洋上で北朝鮮の船舶に石油などを積み替える「瀬取り」の国際的な監視網にも韓国は参加していない。北朝鮮に近い左派の文在寅(ムン・ジェイン)政権が「瀬取り」を黙認するためと疑う向きが多い。
7月4日の制裁発動を控えた3日、世耕弘成経産相は「特に兵器などに転用される可能性がある技術を輸出する際には、しっかりとした管理を常に行うことが求められている。そういう意味で、不断の見直しの努力を行うのは国際社会の一員として当然だ」と、韓国の怪しさをさりげなく強調した。
なお、純度の高いエッチングガスはウラン濃縮の工程でも使われる物質である。韓国の反撃を期に、日本は西側の国に対し「北朝鮮だけではなく、その核武装を助ける韓国も経済制裁の対象にすべきだ」と呼び掛けるかもしれない。
単なる報復ではなく、北朝鮮と手を組んだ韓国を潰すつもりだ――と読んだのだ。報復なら韓国が譲歩すれば止まる。だが、韓国を潰すつもりなら、対応のしようがない。
米国が中国の通商上の不正を批判しながら中国製品に対する関税を引き上げ、西側のサプライ・チェーンから締め出そうとしているのと同じ構図である。
日韓が対立する時、韓国のメディアは必ず「米国に日本を諫めてもらおう」と言い出す。しかし今回は、そうした意見は全く見られない。
6月30日の米朝首脳会談は、板門店の韓国側施設で開かれたというのに、文在寅大統領は参加を拒否された。韓国は北朝鮮の使い走りと米国に見なされたからだ。
(「北朝鮮が韓国に“仲介者失格”の烙印 それでも文在寅が続ける猿芝居の限界が来た」
日本の安全保障専門家には、今回の対韓制裁は発動前に米国と十分に打ち合わせたと見る人が多い。確かに、そう見える。
韓国は米中の間で板挟みとなり、戦々恐々としていた。そこに思いがけない日本からの横矢。言うことを聞かない韓国企業に対し、米国が日本の制裁を使って警告したとも受けとれる。
サムスン電子の時価総額は韓国全体の20%前後を占める。「サムスンの挫折」は当然、「韓国の挫折」である。
「対韓制裁」以降、サムスン電子の株は売られ続けた。7月4日の終値は前日に比べ550ウォン高の45950ウォンだったが、発表前の6月28日と比べ、2・2%安い水準だ。
サムスン電子が下げると、ほぼ自動的にKOSPI(韓国株価総合指数)も下げる。するとウォンも下がる、というパターンに入るのが普通だ。際どい状況になってきた。
・・・・・ここまで
付随した参考記事
蟻地獄に堕ちた韓国経済、「日本と通貨スワップを結ぼう」
韓国で「日本からドルを借りればいい」との声が上がる。ウォン安が止まらず、通貨危機に陥る懸念が高まったからだ。日本は今回も韓国を助けるのだろうか――。
5月の上・中旬の貿易は赤字
5月21日の韓国外為市場は1ドル=1190ウォン台前半でもみ合い結局、前日比0・20ウォン高の1194・00ウォンで引けた。
韓国通貨当局は防衛ラインを1ドル=1200ウォンに敷いていると見なされている。これを超えると、ウォン売りが雪崩を打ちかねないと市場は見ている。ウォンは今、「危険水域」を目前に、ふらつく毎日だ。
略
輸出の2割を占めてきた半導体が同33・0%減と不振だったことが響いた。仕向け地別でも、25%前後を担ってきた中国向けが15・9%減少したのが足を引っ張った。
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韓国は貿易赤字に陥ったり黒字が急減した際に、通貨危機を起してきた(デイリー新潮「韓国、輸出急減で通貨危機の足音 日米に見放されたらジ・エンド」参照)。
財政赤字が新たな懸念に
市場は財政赤字拡大も懸念材料として注目し始めた。5月16日に開かれた国家戦略会議で文在寅(ムン・ジェイン)大統領が洪楠基副首相に「(政府債務比率の上限)を40%とする根拠は何か」と聞き、その撤廃を命じたからだ。
韓国の財政当局は伝統的に政府債務の比率を40%以下に抑えてきた。しかし今回の大統領の指示により、上限が破られることが確実になった。
2020年4月の総選挙を控え、文在寅政権は全国で公共工事を大々的に実施する方針だ。予算が足りなければ国債を増発して補うことになる。
財政赤字の拡大には警鐘が鳴らされていた。朝鮮日報のキム・ヨンジン経済部長は4月25日の「洪楠基副首相がせねばならぬこと」(韓国語版)で「格付け会社のムーディーズが韓国の財政赤字に注目している」と指摘した。
韓国経済の原動力である輸出が急減したうえ、不動産価格も下がった。2019年2月の税収が前年同月比1兆3000億ウォン(1995億円)も減るなど、今後は歳入の減少が予想される。
「というのに、財源対策もなしにバラマキ予算を編成しようとしているからだ」とキム・ヨンジン部長は書いた。
韓国経済は四重苦だ。2017年以降、生産年齢人口の割合が下がるなど少子高齢化の弊害が現れた。総人口も2019年がピークと見られる。経済の規模自体が縮み始めたのだ(デイリー新潮「文在寅の“ピンボケ政策”で苦しむ韓国経済、米韓関係も破綻で着々と近づく破滅の日」参照)。
そのうえ半導体価格の低迷と米中経済戦争の影響をもろに受け、輸出が大きく落ち込んで、貿易黒字も急減した(デイリー新潮「ウォン安が止まらない韓国、日米との関係悪化で“助け舟”も絶望的の自業自得」参照)。
韓国経済の先行きに疑問を持った投資家はウォンと韓国株を売り始めた。大規模の資本逃避につながれば、外貨不足によるデフォルト(債務不履行)が発生しかねない。
それを防ぐのが通貨スワップだが、韓国は米ドルを得られる2国間スワップ協定を結んでいない(図表「韓国のスワップ参照」)。
2008年と2011年の危機時には日本や米国からドルを借りてしのいだ。しかし今、韓国は北朝鮮の核武装を露骨に幇助している。米国や日本が果たしてスワップを結びドルや円を貸すのか、市場は疑う(デイリー新潮「韓国『ウォン急落』で防衛ライン突破間近 文在寅が払わされる反米・反日のツケ」参照)。
そんな三重苦に「財政赤字」という新たな病気が加わった。これまで韓国の通貨危機は民間部門のドル不足から起きた。それに加え、政府が借金を返せないとの懸念から発生する中南米型の危機にも韓国は直面したのである。
ムーディーズの協議団は4月に訪韓、要人とのインタビューを通じ詳細に韓国経済を審査した。6月には審査を反映した新たな格付けを発表する見通しだ。
ムーディーズの恐怖
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●ムーディーズは現代自動車、サムスン電子、SKハイニックスの格付け見通しを「安定的」から「弱含み」に引き下げた。3月には投資不振と輸出悪化、最低賃金引き上げによる雇用委縮を理由に成長率予測値を2・1%に下方修正している。
要は、韓国はムーディーズにこめかみに拳銃を突きつけられた、ということである。韓国の経済専門家がムーディーズの動きを不気味に感じるのは当然だ。
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日本の輸出規制、韓国では「単なる報復ではなく、韓国潰し」と戦々恐々
韓国「ウォン急落」で防衛ライン突破間近 文在寅が払わされる反米・反日のツケ
文在寅、WTO判決で「日本に勝った」と大はしゃぎでも地獄へ向かう韓国経済
韓国、輸出急減で通貨危機の足音 日米に見放されたらジ・エンド?
1997年の通貨危機――韓国ではIMF(国際通貨基金)危機と呼ぶ――の際、ムーディーズは2カ月弱で6等級も韓国の格付けを引き下げた。格付けが下がるたびに資本逃避が起き、それが次の格下げを呼んだのだ。
IMF通貨危機の背景には、米韓関係の悪化があった。金泳三(キム・ヨンサム)政権の反米に手を焼いた米国が、危機に瀕した韓国にドルを融通せず、日本に対しても「貸すな」と指示したのである(拙著『米韓同盟消滅』(新潮新書)第2章第4節「『韓国の裏切り』に警告し続けた米国」参照)。
米・日に見捨てられた韓国は、IMFからドルを借りる代わりにその指導下に入る、という屈辱を味わった。そしてこの経験が韓国人の反米感情に油を注ぐことになった。
ちなみに、米国のアジア専門家、グリーンCSIS上級副所長は2017年5月5日、中央日報に寄せた記事で、大統領選挙を戦う文在寅氏に対し、反米・反日政策をとるな、と警告した。
「盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏も大統領選挙の最中に米国を批判したら、当選後にムーディーズが格下げしたことを思い出せ」と、通貨危機を脅し材料に使ったのである(拙著『米韓同盟消滅』(新潮新書)第2章第4節「『韓国の裏切り』に警告し続けた米国」参照)。
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日本とのスワップが頼みの綱
イ・チョルホ記者も今、IMF危機を思い出しているのだろう。「危機の韓国経済、韓日通貨スワップ復元など最後の安全弁を用意する時」で、日本と通貨スワップを結べ、と主張した。以下である。
《 まともな政府なら今ごろ、韓米通貨スワップは難しいとしても、韓日通貨スワップ程度は復元して最後の安全弁を用意しなければいけない。しかし危機意識がないというのがさらに大きな危機だ。》
蟻地獄に堕ちた韓国経済。ずぶずぶと砂の底に沈んでいくのを食い止めるには、通貨スワップという綱を日本に結ばせるしかない、との判断だ。しかし、これだけ日韓関係が悪化しているのだ。日本はスワップに応じるのだろうか。
食い逃げした李明博
図表「通貨スワップを仇で返した韓国」を見れば一目瞭然だ。2008年2月に発足した李明博(イ・ミョンバク)政権はリーマン・ショックや欧州金融市場の動揺による通貨危機が発生するたびに、日本にスワップ枠を拡大してもらい、あるいは期限を延長してもらって乗り切った。
だが、2011年10月19日に自分の任期末までほぼカバーできる700億ドル の大型スワップに拡大してもらった後は、手のひらを返した。
竹島に上陸したうえ、「日王は謝りに来い」と要求。問題を解決しようと野田佳彦首相が送った親書の受け取りまで拒否した。通貨スワップを「食い逃げ」したのである。
次の朴槿恵(パク・クネ)大統領も「食い逃げ」作戦を敢行した。2016年8月27日、日韓財務対話で通貨スワップ再開に向け協議再開で合意。
すると、12月30日に釜山の日本総領事館前に慰安婦像が設置されても、朴槿恵政権は何の措置もとらなかった。ソウルの日本大使館前の慰安婦像も撤去されないままだった。
明白な慰安婦合意の違反として日本政府が抗議したが、韓国政府は完全に無視。結局、日本政府は2017年1月6日にスワップ再開協議の中止などの対抗措置を宣言した。
おだてに弱い日本の政治家と役人
2度も騙された日本が今回も騙されるとは考えにくい。しかも文在寅政権は、慰安婦合意の事実上の破棄、日韓国交正常化協定を踏みにじる「徴用工」判決、日本の哨戒機に対する射撃管制レーダーの照射など、過去の政権に輪をかけた「卑日」を繰り返している。
それなのに韓国では「日本にドルを持ってこさせればよい」との意見がいまだに語られる。イ・チョルホ記者だけではない。「日本の政治家や役人はおだてに弱い。最後はスワップに応じるはずだ」と語る日本通の韓国人がけっこういる。
そういえば、スワップ協議再開を中断した直後の2017年1月11日、中央日報・日本語版に興味深い記事が載った。中央日報系のテレビ局JTBCのチョ・ミンクン経済産業部次長が書いた「韓国が厄介な隣国と生きていく姿勢」だ。要旨は以下だ。
●慰安婦像を口実に日本がスワップ再開協議を中断したのは偏狭な行為だ。「そんな日本と手を組むな」との批判も多い。だが、国際金融市場に暴風が予告されている今、すべての手段を動員し最大の防壁を築くべきである。
●韓国と日本の財務官僚は毎年、サッカーの親善試合を開く。両国関係が悪い時も、それは開かれた。親善試合とはいえ、激しい自尊心競争は他の韓日国家対抗戦に劣らない。
●昨年の最大の功労者は試合前日の酒宴で「論介(ロンゲ)戦術」を駆使し、日本のエース級選手に大酒を飲ませた幹部だった。
●初日の試合では「1-0」で韓国が勝った。翌日の試合で韓国は補欠級の選手を出し「0-1」で日本に勝ちを譲った。厄介な隣国と生きて行くとはこういうことだ。
キーセン作戦が奏功
サッカーで1勝を譲って日本の財務官僚をおだててやれば、通貨スワップだって引き出せる、と韓国の財務官僚は記者に誇ったのだ。なお、この記事には韓国人にしか分からないであろう暗喩もある。「論介戦術」である。
「論介」とは妓生(キーセン)の名前だ。文禄・慶長の役の際、宴席でかしづくフリをしながら日本の武将に抱きつき、ともに川に落ちたとされる。
この記事を読んだ韓国人読者の多くが「キーセン・パーティをしてやれば、日本の役人など言うことを聞く」と思ったことであろう。
・・・・・・ここまで
NHKを筆頭にフジテレビと並んで、韓国寄りで日本を毀損し続けてきたテレビ朝日が、このところ急激に中道に身を寄せて来たことは書きましたが、それでもまだ反日の尾っぽは残っていて、10時からの報道番組では解説委員がウォールストリートなどの批判報道を例に上げて、安倍政権のこのたびの措置をヒステリックに批判していました。(ちら見で、詳細は不明)
しかしウォールストリートなど、しょせん目先の利益しか視野に入っていない「商売新聞」です。こんな新聞の視野狭窄記事を例に引いて安倍政権批判は、大局を見ない幼稚論です。
サムスン電子 営業利益が半減写真
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祓え給い、清め給え、神(かむ)ながら守り給い、幸(さきわ)え給え