Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

つゆのあとさき

2011年05月30日 | 家庭
先週金曜日、27日にこちらは梅雨入りしました。
これは平年より20日ほども早いのだとか。
5月のうちに梅雨入りしちゃうなんて…
しかもその後、台風接近もあってまあよく降ること。

しかも肌寒い。
厚い羽毛布団はもう片付けてしまったので
薄目のフェザー布団や綿毛布などにくるまっているのですが
それでも肌寒い。
それはタロウも同じなようで
いつもにもましてくっついてくる。

タロウ、基本的にはリビングのハウス(ケージ)で寝かせるようにしているのですが
明日は休みだからとか、今夜は肌寒いからとか
なんだかんだと理由をつけては夫や息子、ベッドに引きずり込んでいる。
まあ私も積極的にはしないだけで結局容認しているのですが…

私は普段、横向きに寝るのです。
するとタロウ、私のおなかあたりにちんまりと丸まっている。
私が寝がえりを打って反対側を向くと
タロウ、私の身体を乗り越えて、やはりおなか側に来る。
私の脇の下あたりに顔を埋め、挟まれるのが好きなようです。

私のところにいない時は、夫の股間にうずくまっている。
冬の間は、そこがタロウの一番のお気に入りの場所でした。
そういえば三谷幸喜と小林聡美が離婚してしまって
三谷の股間が好きだった飼い犬のトビはどうしたのだろう?
朝日新聞に連載している彼のエッセイ「ありふれた生活」に
離婚のことが、先週短く報告されていました。
長年一緒に暮らしていたトビや猫たちを心配しているという記述があったような。
公演などで不在が続くだけで、ストレスからいたずらや拒食を
繰り返していたトビのことが、そりゃあ心配だろうなあ。
彼らのところにはお子さんはいないようだけど
離婚というのは、そういう痛みも抱えるのだなあと改めて思ったのでした。

写真 顔をつぶされたタロウのぬいぐるみと
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アメリカのルーザー「イエロー・ハンカチーフ」

2011年05月28日 | 映画

あの名作「幸福の黄色いハンカチ」のアメリカ版が作られたということは知っていたのですが
去年、都内の小さな映画館でひっそりと上映されたのを見逃してしまったのでした。
ようやくDVDで観賞。

刑期を終えて出所したブレット(ウィリアム・ハート)は、ひょんなことから若い娘マーティン、
変わり者の青年ゴーディと出会い、ニューオーリンズを目指して旅を始める。

日本版もそうでしたが、ここにはいわゆる一流と呼ばれる類の人間は一人も出てこない。
ブレットはムショ帰り、それ以前も人生の裏街道を歩いてきた男。
マーティンは複雑な家庭環境に育ち、愛情欠乏症とでもいうべきか、情緒不安定気味な娘。
若くて綺麗なのに自分に自信がないものだから、つまらない男に振られたりしている。
ゴーディはアメリカ先住民に育てられた白人青年で、
何処に行ってもいじめられ(あるいは無視され)、自分の居場所を見い出せないでいる。
一種のコミュニケーション障害のような感じで、他人と上手く関わりを持つことができない。
その3人が、オンボロ車に乗って、アメリカ南部の荒涼とした田舎道をひた走るのです。

久しぶりに見たウイリアム・ハート、禿げておなかがたっぷり出ているのに驚きました。
中年というよりも、殆ど老年の入口にさしかかった男。
相手役のマリア・ベロも、この作品の中ではノーメイクで、
荒れた肌、がっしりした身体を持つ生活に疲れた中年の南部女。
二人とも人生の折り返し点にさしかかっており、
前半の人生も人に誇れるようなものではなかった。
では若い二人は前途洋々かといえば決してそうではなく、
するべきことも行くべき処も見つからず、人生を持て余している。

日本版では、健さんの不器用さ、倍賞千恵子の健気さがウリだったと思うのですが
アメリカ版はちょっと違うかな。
それでも、アメリカではこうした人たちがルーザー(負け犬)と見なされるのだと
微妙な違いが面白い。
そんな屈折した人間たちが出会い、初めは警戒しながら
次第に打ち解けて心を許していくという点、そしてその後のストーリーも殆ど同じです。
アメリカ南部のけだるいような雰囲気によく合った、みずみずしい人情劇に仕上がっています。
佳作なのに、殆ど話題にも上らなかったことが残念です…

「イエロー・ハンカチーフ」 http://www.yellow-handkerchief.jp/
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あの時もし…「ジュリエットからの手紙」

2011年05月25日 | 映画
この映画、それほど期待していなかったのです。

ヴェローナを訪れたアメリカ娘が50年前に書かれたジュリエットへの手紙を見つけ、
その手紙を書いたイギリス老女性と、50年前の恋人探しの旅をするなんて
いかにもベタな女性向きの作品、という感じではないですか。
しかし映画好きの友人があまりに褒めていたので
騙されたと思って観に行ったのでした。

よかった!
泣いて笑ってトスカーナ地方の美しさにうっとりして。
「アモーレ・カンターレ・マンジャーレ!」を全身で謳っているような作品です。
70歳を超えてもなお気品あるヴァネッサ・レッドグレーヴの美しさ、
金魚みたいな顔のアマンダ・セイフライドの可愛らしさ、
お調子者のガエル・ガルシア・ベルナルのノリの良さ、
シニカルなイギリス男クリストファー・イーガンの屈折具合、
何十人も出てくる同姓同名のロレンツォ、イタリア男の調子良さ(本物が見つからなかったら俺でどうだい?なんて)
何もかもが愛おしく見える。

ヴェローナには私、数年前に行っているのです。
中世の香り漂う小さな美しい街、そこにあるジュリエットの家も訪れたのです。
小さな石畳の中庭に、世界中からの観光客が押し寄せていました。
恋の悩みを綴った手紙が年間五千通もそこに届き、
ジュリエットの秘書と呼ばれる女性たちが返事を書いているのだそうです。

ゲイリー・ウィニックという名前の監督、
あまり聞いたことがないと思って調べてみたら
「エイプリルの七面鳥」を作った人で
今年の2月に49歳の若さで脳腫瘍で亡くなったのだそうです。
この作品が遺作となったのですね。

”What if?"
「あの時もしロレンツォを選んでいたら…」
「あの時もしこうしていたら…」
人生に後悔や挫折や迷いや失敗はつきものだけど
そうしたものをすべて包み込んで、それでも人生捨てたものじゃないと思わせてくれる、
夭折の監督の人生賛歌とも取れるのです。
それを知った今となると。

尚、原題は”Letters to Juliet”というのに
邦題は何故「ジュリエットからの手紙」なのだろうと不思議でしたが
観終わって深く納得したのでした。


☆4


「ジュリエットからの手紙」 http://www.juliet-movie.jp/
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女子大生VSひきこもりのインド旅行記

2011年05月24日 | 
3月12日に原発1号機への注水が中断した件が今頃問題になってるのですって?
あの時、2号機も3号機も実はメルトダウンしていたのですって?
今頃になってどれだけ出てくるの!?
何を信じたらいいのか…


現実逃避というわけではありませんが
最近、軽い旅行記を読んでいました。
amazonで本を一冊頼むと、次から次へとその関連本、私が読みたがりそうな本を勧めてくる。
無限ループだ…

「ガンジス川でバタフライ」たかのてるこ著 VS 「インドなんて二度と行くか!ボケ!」さくら剛著

”猛烈なバタフライで泳いでいたら、叩いたものはガンジス河に浮かんだ死体。
インド人ガイドをだますのもお手のもの。島田紳助、吉本ばななも大絶賛の、日本で一番おもしろいインド旅物語”


“インドにでも行くか!”勢いで飛び立ったものの、そこは日本の常識が全く通じない驚天動地、
摩訶不思議の世界だった!作者を待ち受けていた激しい下痢、目的地へたどりつかないタクシー、インチキ占い師、ノラ牛、ノラヤギetc…ひたすら詐欺師のようなインド人と闘う過酷な日々にブチ切れ“こんな最低な国、二度と来るかボケぇぇ!!”…でも実は、また行っちゃったりして―へなちょこ作者が綴る、抱腹絶倒の大爆笑旅行記。”


これがそれぞれの、amazonの紹介文。

英語もろくに話せず、海外の文化についてまるで無知なまま、外国を覗いてみたいという
気持ちだけでバックパッカーとしてインドに渡ったという点ではまったく同じ。
どちらも漫画のように軽く、面白く読めます。
しかし、「インドなんて…」のさくら氏はぼったくられ、騙され、土産物屋に連れ回され、
かたや「ガンジス河で…」のたかの氏はそこら中で友達を作り、初対面のインド人の家に
招かれ、御馳走になり、泊めて貰いさえしている。
この違いは何?

まあ男性と女性の違いもあるでしょう。
若くて無防備で可愛い女子大生が異国の地で所在無げにしていたら
それは助けたくなるかもしれない。
なお且つ彼女には、インドの屋台や安食堂で何を食べても下痢をしなかったという
強靭な肉体もある(さくら氏はひどい下痢に襲われている)。
やたら人懐っこくて、誰とでもすぐに打ち解けるという特技も持っている。
自分のことを世界一の小心者だと言いながら、インド人の悪徳ガイドの上前をはねるという
大胆なこともやってのける。
それに比べてさくら氏の方は、自称ひきこもりというくらいだから、自分の周りに
壁を作っているようにも見受けられる(一人で海外に行ったらそれが当たり前にも思うのですが)

結局たかの氏は、インドであろうが日本であろうが、その大胆さと人懐っこさで
どんどんまわりに溶け込んでいくのだろうなあと思う。
ただそういった彼女の特質が、それぞれ忙しくて人のことなど我関せずで生きている日本の都会よりも
ぐちゃぐちゃにぶつかり合って生きているインドの方が出やすいのだろう、と。

しかし深夜に駅で会った見知らぬ男性について行ったり、
男性だけが広間で雑魚寝状態の、安ドミトリーに泊ったり…
インドは、旅行者が行方不明になることが多いとも聞くのに。
こんなんでよく無事帰って来られたものだと思いますが
彼女はその調子でそれからもどんどん世界を回ったというのだから凄いなあ。
さくら氏も、リクシャの車夫などに騙されて土産物屋や絨毯工場に連れて行かれては
必死に相手と闘い、逃げ出している…段々とそれを楽しんでもいるようですが。
どちらも気分転換には向いています。
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被災者への伝言

2011年05月20日 | 社会

先ほどの夕方のニュースで、児玉清氏のお通夜の様子を映していたのですが
弔問客の中に、篠沢秀夫教授の姿がちらりと見えて驚きました。
車椅子に座って、喉に人工呼吸器のようなチューブを通して、
痩せてしまわれ、もうすっかり老いた姿のようだったので…
学生時代、私は講義を聞いたこともあったのに。
クイズダービーでも、とぼけた答えが面白かったのに。
ちょっと検索してみたら
今77歳、ALS(筋萎縮性側索硬化症)を罹患されているのですね。
知りませんでした。
穏やかでダンディだった児玉氏の訃報も悲しいものでしたが。


気を取り直して
今日の朝日から、ちょっとだけ元気を貰えるニュース。
この4月末に米国南部を襲った竜巻で、39人が死亡し数千人が被害を受けた
アラバマ州タスカルーサに現地入りした特派員の記事です。

”避難所で暮らす被災者は冷静で、食事時には近くの教会で調理された
スープや煮豆の配給を整然と列をなして待っていた。
6年前、ハリケーンカトリーナに襲われたルイジアナ州やニューオリンズでは
略奪や強盗が横行した。
だが、タスカールサで目にしたのは、住民が支えあう姿だった。
「東日本大震災の被災者がお手本」。
現地で出会った多くの被災者やボランティアがそう語った。
「どんな状況下でも、人間は礼節と尊厳を保てると日本人が示してくれた」と
被災者支援を担当する地元市職員はいい、
日本の被災者への伝言を私に託した。
「あなた方のように、私たちも互いに助け合いたいと願っています」”

写真はタスカルーサ、ネットから。
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誰も助けることはできない「落ちこぼれてエベレスト」

2011年05月18日 | 

先週の朝日新聞に、登山家の尾崎隆氏が12日エベレストで遭難死したというニュースが
載っていました。

記事によると
”尾崎さんは4月中旬、エベレストのネパール側ベースキャンプ入り。
エベレスト登山をテーマにしたテレビ番組の撮影が目的だった。11日深夜、ネパール人の
高所ポーター2人と約8千メートルの最終キャンプを出発。
だが、頂上直下で体調を崩して下山を始めた。8400メートル付近で動けなくなり、
そのまま死亡したと見られる。”と。
http://www.asahi.com/national/update/0513/TKY201105130555.html

ポーターが二人もいて何故”そのまま死亡”しちゃったの?
助けることはできなかったの?と私は思ったのです。
丁度、本屋で野口健の「落ちこぼれてエベレスト」という本を見つけたので
読んでみました。

最年少で7大陸最高峰登頂記録を達成した野口健とは
どういう若者だろう?という興味を持っていたのです。
これが意外に面白かった。
外交官の父はエジプト人の女性と結婚、次男として生まれた彼は
サウジアラビア、日本、エジプトで育ち、イギリスの英国立教学院に中学から入る。
ここで徹底的に落ちこぼれ、劣等感の塊だった彼はケンカして停学中だった時に
植村直己の「青春を山に賭けて」を読んで登山に目覚める。
富士山から始め、八ヶ岳、穂高と訓練を重ね、
高校2年でモンブラン、キリマンジャロ登頂に成功する。
その頃の彼は、自分を馬鹿にする先生や学友を見返すためには
山登りしかないと思い込んでいたようです。
そして一芸入試で亜細亜大学に入学、コジアスコ(オーストラリア)、アコンガクア(アンデス山脈)、
マッキンリー、ビンソン・マッシーフ(南極大陸)、エルブルース(ロシア)と
高山病に襲われたり肋骨を折ったりしながら成功していく。

しかし世界最高峰のエベレストは甘くなかった。
天候急変や体調不良で彼は2回失敗する。
今度失敗したらさすがにスポンサーも助けてはくれないという緊張の中、
3度目の挑戦で成功したのは99年、25歳の時。
しかしその間に、読み書きもできないというシェルパの娘と一目惚れで結婚したり、
結局2年で離婚したり、酒に溺れたりとまあ本当に波乱万丈です。
高校生でモンブランやキリマンジャロに登れたというのは
外交官である父親の経済力や、海外で育ったための英語力といった幸運もあったでしょうが
彼の不撓不屈の根性は素晴らしい。

エベレストについてのこんな描写がありました。
”かつて、チベット側からこの山の登頂を目指したロシア人の男性と
アメリカ人の女性のカップルがいた。山頂を目前にして妻が力尽き、
「私はここで待っているからあなただけでも登頂して」と夫を見送った。
夫が登頂して妻の所に戻ってきた時には、妻の両足はすでに凍傷でやられていて、
一歩も歩けない状態だった。上半身は何の問題もなく、意識はしっかりしている。
(中略)日が暮れ始め、夫はどうしようもないことを悟り、そこからジャンプしたという。
妻の目の前で自らの命を絶ったのだ。その夜、妻は凍死した。
この夫婦の間で交わされた会話、そして各々が救援を求める声は
無線で逐一下のキャンプに届いていた。
だが、誰も彼らを助けることはできなかった。
標高8000メートルというのは、そういう世界だ。”

そこで亡くなった人の遺体をどうすることもできず、
いくつもの遺体が転がっているのだと。
1924年に行方不明になった英国人登山家ジョージ・マロリーの遺体が
99年、丁度野口がベースキャンプにいるとき75年ぶりに発見されたのだとか。


納得しました…


「落ちこぼれてエベレスト」  http://tinyurl.com/3ndomkt
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傲慢な切れ味「インパラの朝」

2011年05月16日 | 

もうずいぶん前に友人が言ったのです。
貴女にちょっと似た顔写真がついた本が、本屋に平積みになってたわよ、と。
それが中村安希著「インパラの朝」、第七回開高健ノンフィクション賞受賞作。
この週末、ようやく読みました。

顔が似ているかどうかは自分には分からない。
共通点って髪型くらいじゃないの?
私はこんなに若くないし、何よりこんな才覚も勇気も根性もない。
なんといっても26歳の彼女は、中国、インド、パキスタン、シリア、
エチオピア、ガーナ、ウガンダなど、ユーラシア・アフリカ大陸の国々47カ国を
リュックを背負って2年間、旅をしたのですから。
「その地域に生きる人たちの小さな声に耳を傾けること」を主題に。

淡々とした旅行記です。
若い女性にありがちな媚びや甘えというものが微塵も見受けられない。
本の帯に「独特の傲慢な切れ味、嫌いじゃない。」(崔洋一)
「いわば啖呵を切りながら旅をしてきたのだ。その啖呵が小気味いい」(重松清)
とありますが、まさにその通り。
入国するがために2度の結婚と2度の離婚を経験したり、強盗に襲われたり、
止まらない下痢に苦しんだり、突然の生理で下半身を真っ赤に染めながら
貧困、政情不安、軍事独裁、テロの危険という治安状況極悪の国々を一人で歩き回ったのですから。

私の下手な説明より、本の中のひとつのエピソードを御紹介します。
トーゴから渓谷地帯の村を抜けて、ベナンに向かうところ。
”毎日が熱い戦いだった。
でまかせと騙しの海だった。ぼったくりと喧嘩の嵐だった。
(中略)ミニバスもバイクもタクシーも、探しあてた車の多くが、差別料金を請求してきた。
妥当な相場の2倍から5倍を超える場合もあった。
運転手たちは結託し、私を騙して車へ閉じ込め、時には辺鄙な村のどこかへ私をわざと置き去ることで、どうにか私に音を上げさせて、料金をぼったくろうとした。
(中略)すると今度はバイクの男が役人と裏で結託し、運賃を3倍に吊り上げてきた。
既にサバンナの中にいるので他に交渉できる車も、助けを求める人もいない。
(中略)私はわずかに笑みを浮かべて、穏やかに、そしてはっきり言った。
「トーゴ人はウソつきだ。あなたたちはペテン師だ。
トーゴの汚れた精神が、私はとても嫌いだし、話したいとも思わない。」(中略)
私はリュックのベルトを締めて、森の中へと踏み出した。
背後で二人の声がした。
「君に歩けるわけがない。28キロもあるんだぜ!」”

ろくに水も食料もないまま、彼女は国境の森の中へ歩き出したのですが、
やがて地元の女性に会い、水や食料を与えられ、彼らの家にも招かれるのです。
”戦うことをやめたとき、すべての事物が流れ始めた。”と。


若い頃、澤木耕太郎の「深夜特急」を読んで感動したものです。
この本は、あまりにも彼女の目線が冷めているせいか
夥しいエピソードの一つ一つが活きていないという不満もあるのですが
それでも、日本にもこういうタフな女性が現れたのだと驚きました。


「インパラの朝」 http://tinyurl.com/679orq3
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純真と邪悪「ブラック・スワン」

2011年05月11日 | 映画

こ、こんな怖い話とは知らなかった…
予告編である程度予想はしていたものの、
ここまで凄いサイコ・スリラーだったとは。
掌にはびっしょり汗、心臓はドキドキ、眼は三分の一位開けられず、
観終わった際にはげっそり疲れていました。
気の弱い方にはお勧めしません。

ニナ(ナタリー・ポートマン)が抜擢された主役の座スワン・クィーンは
純真で可憐な白鳥と、狡猾で邪悪な黒鳥の二面性が求められる。
臆病な優等生で、母の干渉の域から出ることができない二ナには
白鳥を演じることはできても、黒鳥にはなり切れない。
プレッシャーに押し潰されそうになり、次第に狂気に囚われてゆく…


カメラ・ワークは一貫して二ナの視点。
時に震え、時にぐるぐる廻り、息遣いまでもが聞こえるようです。
何処までが現実で何処までが妄想なのか、観る側にも分からなくなってゆく。
白と黒、純真と邪悪、無垢と欲望、才能と嫉妬。
そしてあまりにも残酷であまりにも幸福なラストが訪れるのですが…

観客にここまで緊張を強いる作品という点ではたいしたものです。
これ以上内容をバラす訳にはいかないので
どうでもよい裏話を。
ナタリー・ポートマン、ざっと思い起こすだけでも
「スター・ウォーズ」「宮廷画家ゴヤは見た」「ブーリン家の姉妹」など数々の作品に
出ていますが、なんといっても「レオン」のマチルダ役が印象的でした。
有名な子役がどんどん潰れていく中、立派な女優に成長し、
アカデミー主演女優賞を得た本作は、間違いなく彼女の代表作となるでしょうね。
この中のダンスの振付師と結婚し、新しい命も授かったとか。
おめでた尽くしで結構なことです。
あと、私にとってはいつまでも娘役のイメージが強いウイノナ・ライダーが
降板を余儀なくされる老け役のダンサーを演じていたのにも驚きました。


☆4

「ブラック・スワン」http://movies2.foxjapan.com/blackswan/
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赤と黄

2011年05月09日 | 社会

「ディゴの花、瀕死の危機」というニュースに驚きました。
あの「島唄」にも歌われている沖縄のディゴの花が
外来種の蜂の寄生被害を受け、9割方花を咲かせなくなっているというのです。
沖縄に行ったとき、あの大きくて真っ赤な、オウムのような、
なんともトロピカルな花に目を奪われたものです。
パッと見ると、毒々しくさえ感じるのですが
近くでよく見ると意外に繊細な花びらの集まりで驚いたような。
マメ科の花と知って納得したものです(スイトピーのような可憐さはありませんが)。

確か沖縄の県花でもあるのに。
沖縄で、あの華やかな赤い花が観られなくなるのは寂しい。
なんとか復活してくれますように!


沖縄に行ったのはもう随分前なのですが
もう一つ私が惹かれた花があります。
小さなトランペット型の花弁が鈴なりになって、まっ黄色に咲き誇っていた花。
向こうの人に名前を聞いたら「イッペイ」だと。
ヘンな名前だなあと思っていたのですが
今回検索してみたら、「いっぱい咲く」ことからこの名になったらしい。


ううむ。
「万作」の花の名の由来(「まんず咲く」ことから)と
いい勝負かも…


「島唄」のデイゴ瀕死の危機…蜂被害9割咲かず
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1593569&media_id=20

写真はネットから拾いました。
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連休のさなかに

2011年05月07日 | 国内旅行
一泊二日で伊豆に行って来ました。
GWは混むので、毎年家でノンビリして読書したり、スポーツクラブに行ったり、
都心で美味しいものを食べたりするくらいなのに
今年は観光地も空いているなどと聞いて
我慢できなくなった夫、数日前に急遽予約したらしい。
昨日の午前中に家を出て東名は快調、お昼には伊豆の
以前テレビのグルメ番組でチラリと見た「すし之助」に座っていました。

ここは、通常の3倍ほどの量のネタを載せた「こぼれ握り」が有名なのだそうで
確かに「こぼれウニ」「こぼれイクラ」「こぼれズワイガニ」「こぼれ生シラス」、
てんこもりのネタがこぼれている!
生シラスって透明でツルツルなんだ…


伊豆半島をドライブし、堂ヶ島の旅館泊。
写真は、露天風呂から観た景色。


ちょっと曇り空で、沈む夕日が見られなかったのは残念でしたが。
お湯は無色無臭、でも少々ぬめりがあってあたりが柔らかい。
伊豆や箱根辺りは混んでいるという情報もあったのですが
たまたまだったのかどうか、旅館も道路も空いていました。
今日も快晴、十万本のツツジが見頃という小室山公園に。
ここはリフトで上った展望台の見晴らしが素晴らしい。
見渡す限りの色とりどりのツツジの他、大人が立ったままくぐれるほどの
ツツジのトンネルが続いているのにも驚きました。


温泉に一泊して海の幸を食べる、というのが目的だったので
お昼過ぎにはさっさと帰宅。
次男と留守番していたタロウ、
盛大にウレションをしまくって迎えてくれたのでした。

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