はなねこ山 Ⅱ

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北海道の花旅(2) アポイ岳     2018.05.21

2018-06-01 | 5月、6月に歩いた山

 

北海道 2日目は、アポイ岳のお花を見に行きます。

アポイ岳を構成している かんらん岩は、超塩基性という 植物には厳しい土壌であり

そのため、20種類近くもの固有の植物が見られるのだそうです。

 

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アポイ岳ジオパーク近くの駐車場から歩き始めたのは、午前6時半前

入林届に記帳して、出発です。

 

 

クマよけの鐘を鳴らし、小さな沢で 靴底をきれいにしてから 登山道に入ると

まもなく エゾオオサクラソウが 出迎えてくれました。

 

こんなふうに、花壇のように 咲いている場所もあります。

 

昨日 出会った オオサクラソウとの違いは

エゾオオサクラソウの花柄や葉柄は 有毛であること

近視(+老眼)の私にも、容易にわかります。

 

 

 

避難小屋のある 五合目(標高 約350m)を目指して

樹林帯をゆるゆると登っていきます。 林床には、エゾオオサクラソウの他

ヒメイチゲ、フイリミヤマスミレ(咲き残り)、センボンヤリなどが咲いていました。

 

 

 避難小屋に出ると 視界が開け、登って行くコースが一望できました。

右のとんがりが山頂ですね。

(クリックで パノラマになります)

 

今回の花旅のメインにしている アポイ岳ですから

今日の晴れは 何より 嬉しい 

風が強いという予報も、今のところ はずれのようです。

 

 

避難小屋の付近からは キジムシロの花が多く見られるようになり

アポイタチツボスミレと アポイアズマギクも たくさん咲いています。

 

アポイタチツボスミレ(北海道の固有変種) 

 

 (クリックで 花の拡大/側弁の毛が見えます)

 

 

アポイアズマギク(固有変種)

 

 

 

他のお花は、開花には まだ早く 

ヒロハヘビノボラズの蕾の他には これといった花も見つけられずに

 

早くも ハイマツ帯に出てしまいました。 

                                             六、七合目付近

 

もう少し経てば お花畑になりそうな場所では

ミヤマオダマキが 二株

 

チングルマが咲き始めています。

 

ここでお会いした 保護監視員の方の話では

絶滅が危惧されている ヒダカソウは、今年はまだ咲いていないとのことでした。

登山道沿いで 普通に見られるほどに増えてくれますように・・・。

 

                                       七合目付近の お花畑

 

馬ノ背に出ると、視界は 360度に広がりました。

(クリックで ピンネシリ~吉田岳~アポイ岳)

  

 ピンネシリの左奥には、残雪の日高山脈が見えています。

(ソエマツ岳~ピリカヌプリ~トヨニ岳あたりだそうですが。。。 ???)

 

 

馬ノ背を過ぎると、お待ちかねの  ピンク色のお花畑が現れました。

 

そのほとんどは、固有変種のサマニユキワリです。 

濃い色、薄い色、ぽつんと一株咲いていたり 幾株か纏まっていたり

右も左も 足元も、さらには遠くに見える斜面まで

サマニユキワリでいっぱい

 

 

 

 

 

 

 

ヒダカイワザクラは 少し遅めの ヨレッとしたお花がほとんど

エゾキスミレは、遠くに ぽつりぽつりと咲いています。

 

                                             八合目

                                             ミネザクラ

 

幌満お花畑へのトラバース分岐を過ぎると

 ヒダカイワザクラ(準固有種)の 新鮮なお花が見られるようになりました。 

 

 

 岩の隙間に根を下ろして、草丈のわりに 大きな花をつけます。

 

 

あら  

サマニユキワリと ヒダカイワザクラが 仲良く 並んでいます。

これなら、大きさの比較ができますね。

 

 

準固有変種のエゾキスミレは 咲き始めが多く

ほとんどが ぽつりぽつりと咲いています.

光沢のある 濃い緑色の葉が目立ちますね。

 

 

 

お花を見ながら撮りながらの ゆるゆる歩きですが

だいぶ登ってきましたね。 

                                           馬ノ背を見下ろして

 

 

六合目付近から ハイマツ帯になったというのに

不思議なことに、九合目から頂上付近は ダケカンバの林です。

 

そうして、そのダケカンバの林床で

今日一番新鮮な フイリミヤマスミレが咲いていました。

 

 

山頂 (810.2m)

 

 

ここまで お花はたくさん咲いていましたが 

吉田岳への稜線も 少しだけ歩いてみます。

 

両脇に笹の繁る道を下ると、じきに岩稜帯となりました。

アポイキンバイ(固有変種)が 咲き始めています。

 

 

ヒダカイワザクラは、手の届かない岩の割れ目に 列をなして咲いていますし 

足元にだって、サマニユキワリと ヒダカイワザクラが たくさん たくさん 

 

 

ただ 残念なことに、ここは風の通り道となっているようです。

お花は 揺れて揺れて、少しもじっとしていてくれません。

 

 

カメラの液晶部分で動いている ダニ  を見つけたのを機に

吉田岳までは行かずに 折り返すことにしました。

 

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アポイ岳山頂に戻り、幌満お花畑をまわって帰りますが

こちらの登山道には笹が繁り

ミヤマハンショウヅルやフデリンドウ、キジムシロと

他には アポイタチツボスミレがわずかに見られただけ

お花畑にも 今はお花はほとんどありません。

 

                                               幌満お花畑

 

八合目付近へのトラバース道は 樹林帯で、そこではエゾオオサクラソウが花盛り。

ヒメイチゲや ミヤマスミレ、フイリミヤマスミレも咲いていました。

 

 

ミヤマスミレ / タチツボスミレ

 

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尾根道まで 戻ってきました。

 

 

固有の植物を育んでいる アポイ岳のかんらん岩

きれいな色をしていますが、うっかりすると滑ります。

 

海に向かって

再度 お花たちにご挨拶しながら 足元にも気をつけながら、帰りましょう。

 

 

エゾムラサキツツジ(咲き残り) / キジムシロ

ヒメイチゲ / フデリンドウ

 

 

 

穏やかな日に

出会いたかったお花を ゆっくりと見ることができたことに 感謝でした。

 

                                    帰路の車窓より アポイ岳を望む

 

 

明日は、登別温泉へ移動しながらのお花見です。

(全く参考にならない コースタイムは、省略します)

 

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4 コメント

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Unknown (ゆき)
2018-06-01 22:21:32
ね~、ハイマツ帯の上にダケカンバってアレレ?ですよね~。
20年前の夏に登った時も、アポイ〇〇、ヒダカ〇〇、エゾ〇〇がいろいろ咲いていましたが、
この時期もそうなんですね。
はなねこさんのお目当ては何なんだろうと思っていました。
きっと一つではなかったのでしょうね。
お天気に恵まれて何よりでした。
Unknown (nousagi)
2018-06-02 09:01:03
サマニユキワリと ヒダカイワザクラ

一緒だと、ほんと大きさも随分違ってますね。
北海道の山は行ったことがないので
どんな感じかよくわかりませんが
拝見したところからすると、
はなねこさんが何度も行きたくなるほど
たくさんのお花に会える
魅力的な山が多いんでしょうね。
ゆきさん♪ (はなねこ)
2018-06-02 20:43:08
アポイ岳の不思議ですね。(^^)

今回は、スミレとサクラソウ目当てで行ってきました。
側弁に毛があるタチツボは、この辺ではお目にかかれないですものね~
サクラソウも lovely でしょ

北海道って、飛行機もその後の移動も宿も、それぞれにハードル高いですけど
お花は魅力的ですよね。この後の季節も気になります。
nousagi さん♪ (はなねこ)
2018-06-02 20:50:25
北海道の山は そんなにたくさん行ってませんけど、お花の量は多いです。
固有種もあるし、「エゾ」と名の付く変種も多いし(判別できないこと多し・・ですけど)
それに、標高の低い場所で いわゆる高山植物が見られるしね。

今回みたいに海が近いと、解放感があっていいですよ。

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