ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『いちばんすきな花』最終回

2023-12-23 22:44:04 | 多部未華子

シリーズ後半、田中麗奈さん扮する“美鳥さん”の登場により、まったく偶然のように見えた4人(多部未華子、今田美桜、松下洸平、神尾楓珠)の出逢いと、4人の持つ価値観(というより抱えてる息苦しさ)の異様な一致ぶりが実は必然だったことが明かされました。

けど、ながら見と倍速視聴が標準化しちゃってる昨今の若い視聴者たちは「(奇跡的な偶然がいっぱい起こりすぎて)こんなのあり得んでしょ!」なんて絶対言ってそう。

丁寧に描けば描くほど、昨今の視聴者には伝わりにくい。具体的な数字は知らないけど「苦戦した」と云われてる視聴率が、そのジレンマを象徴してるように思います。

きっと創り手たちはそれを承知の上で、生方美久さんに賭けたんでしょう。山田太一さんの後を継ぐような脚本家に、この人ならきっとなってくれると信じて。

その通りになるかどうか私には読めないけど、テレビ業界じゃとっくに絶滅したかと思ってた「人を育てる」というスピリットを感じたのが一番の収穫でした。



最初(#01~#04)のレビュー記事で「男女の間に友情は成立するのか」っていうテーマについて、そんなもん「人によりけり」だろうし「どっちでもええわ」って書きましたけど、実質の主人公とも言える“美鳥さん”が最終回でまったく同じことを言ってくれて、笑いましたw

人間関係の悩みなんか全てが「人それぞれ」でほとんどが「実はどうでもいいこと」で、それを象徴するのが男女の友情問題ってことなんでしょう、きっと。

一番大事なのは「自分がどうしたいか」であり、相手が友達であろうが家族であろうが、自分(の価値観や信念)を曲げてまで周りに合わせる必要はまったく無い。

それが人間社会で息苦しさを感じてる我々への(生方さんからの)メッセージなんだと私は解釈しました。ナレーションでもそう言ってたから間違いありませんw



仲野太賀くん扮する多部ちゃんの元親友は、結婚相手(田辺桃子)とお互いけっこう違ってる価値観を合わせることで(今のところは)ラブラブ関係を保ってるように見えました。いやはや何とも、大変ですなあw

私にはそれが出来ない。そんなに我慢してまで家庭を持ちたいとは全く思わない。なのにうっかり結婚して即離婚する羽目になったのは、浮かれて自分の価値観を見失ったから。相手もたぶん同じで、責任はハーフ&ハーフ。



そんな私だから、このドラマにはハマりそうでハマりませんでした。

自分の繊細さや過敏さを持て余してる人、っていう意味じゃ私もあの4人に近いと思うし、実際大いに共感もしたけど、私は彼ら彼女らほど立派な人間じゃない。

あの4人は、これまで相当ムリをして周りに合わせて来たからこそ疲弊してるワケだけど、私はそういう努力をほとんどして来なかった。

唯一、仲間を募って映画を創った時期だけは頑張ったから、なんとか今もギリギリ社会に順応してるけど、あれが無かったらとっくにドロップアウトしてたはず。

あの4人は何だかんだ言ってもコミュニケーション能力が抜群だし、根っから優しいしオシャレだし、私自身を投影するには立派すぎました。私は、私自身をストーリーの中に見つけないと、没頭してドラマや映画を観られない。

ただ、“美鳥さん”のキャラクターが時期によって違ってたのは救いというか、自分にも(たとえば映画を創ってた時期みたいに)また輝ける可能性が無くもない、と思わせてくれました。真っ当に生きてさえいれば。



セクシーショットは多部ちゃんの妹役でレギュラー出演された、乃木坂46の元エース=齋藤飛鳥さん。実写版『映像研には手を出すな!』で主役を務められた方ですね。


 

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『いちばんすきな花』#01~#04

2023-11-08 20:55:25 | 多部未華子

2023年秋シーズン、フジテレビ系列の木曜夜10時「木曜劇場」枠でスタートした、多部未華子・松下洸平・今田美桜・神尾楓珠の「クアトロ主演」による連続ドラマ。

ここんとこ1ヶ月ほど、心身共に疲れきってたもんでブログの更新がままならず、単純に観る時間も無くて、多部未華子さん久々の連ドラにも関わらずレビューが遅くなりました。

いや、忙しかろうが疲れてようが、心底から観たい作品ならとっくに観てレビューしてる筈で、本当のところは「男女の間に友情は成立するのか」がテーマだと聞いて、そんなもん「人によりけり」だろうし「どっちでもええわ」って思っちゃったから。

ちょうど1年前に同じ枠で放映され、ずいぶん好評だったらしい連ドラ『silent』と同じプロデューサー&脚本家の再タッグが話題になってるけど、その『silent』も私は観てないし。

ただ、脚本の生方美久さんが“ヤングシナリオ大賞”に選ばれたばかりの新人ライターで、『silent』が初の連ドラ登板、しかも原作なしの完全オリジナルだったと聞いて、一体どんな作風でどんなセリフを書く人なんだろう?っていう興味だけはありました。



まず初回を観て、これは「男女の間に友情は成立するのか?」だけがテーマと違うやろって思いました。宣伝の仕方を間違ってないか?って。

冒頭、多部ちゃんがいつも2人でカラオケを楽しんできた男友達(仲野太賀)が結婚することになり、その新婦の意向によってサヨナラせざるを得なくなったエピソードは、確かに「男女が友達として遊んじゃダメなの?」って話になります。



あるいは、ルックスが美しすぎるせいで悩みが尽きない今田美桜ちゃんも、同僚男子(泉澤祐希)と気軽に会食しただけで「ヤレる」と勘違いされたりして、それも表面的に見れば「男女の友情は有りか無しか?」って話かも知れません。



けど、松下洸平くんと神尾楓珠くんのエピソードは全然そういうのじゃなかったし。

この4人が不思議な縁でつながり、グッド・フレンズになったかと思った矢先の第4話で、どうやら神尾くんがずっと歳上の多部ちゃんに恋してることを匂わせて来たから、結局は恋愛か友情か?って話になるかも知れないけど……



生方さんが描こうとされてるのは、もっともっと広くて深い「人間関係」についての話ですよね、きっと。恋だの友情だのはその一部でしかなくて。

だとすれば目下、職場の人間関係で疲弊しまくってる私にとっても他人事じゃない。こんなことで悩みたくなかったけど、沢山の人と常に関わらなきゃいけない仕事に就いちゃった以上、これはもう避けられない。

だから、観てると身につまされます。描かれてるのはまさに「人づきあいの難しさ」と「息苦しさ」であり、視聴率は苦戦してるみたいだけど、そりゃ当然だろうと思います。家でくつろいでる時ぐらい人間関係の煩わしさは忘れたいですよ!



だから宣伝を任された人たちは、わざと「男女の間に友情は成立するのか」なんて薄っぺらいテーマを前面に打ち出したんでしょう。

ちょっと前の記事にも書いたように、あえてレベルを落とさないと大衆は食いつかない。商売である以上は客を呼ぶのが何より大事。



クオリティーは高いと思います。その感触は生方美久さんが特にリスペクトされてるという坂元裕二さんの作品によく似てるし。面白いんだけど、自分が一視聴者としてハマれるかどうかは微妙っていう。

第4話まで観てハマらないんだから、たぶん最後までハマることは無いんでしょう。ハマる人はとことんハマるだろうけど、そういう作品ほど視聴率は獲れないんですよねホントに。

それにしても今田美桜ちゃんのおっぱいですよ! ←っていう見方を真正面から軽蔑してるドラマですよねw


 

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『流浪の月』

2023-04-04 12:22:07 | 多部未華子

凪良ゆう著作のベストセラー小説を映画化した、李相日 監督&脚本による2022年の劇場公開作品。

予告篇から重苦しさが充満してるもんで、これまで敬遠して来たけど今回、覚悟を決めて(レンタルDVDで)観ました。

まず、多部未華子さんの出番が大変少ないことに驚きましたw 重要な役どころではあるけど、2時間半に及ぶ上映時間を考えるとホント少ない。

しかも私は、最初の登場シーンで迂闊にも、その人物=谷あゆみが多部ちゃんであることに気づきませんでした。それだけ普段とは全然違うオーラを発してたワケで、そこはさすが!としか言いようありません。



交際してるにも関わらず、キスすら求めて来ないカレシ=佐伯(松坂桃李)に痺れを切らし、自分から仕掛けていくってな芝居も、男女逆転の『大奥』を除けば過去のキャリアには無かったかと思います。そこがファンとしては新鮮で、1つの見どころ。

佐伯がなぜ、あゆみとチョメチョメしたがらないかと言えば、彼は実は少女にしか興味が持てない所謂ロリコンだから。

本筋は、佐伯が大学生のときに公園で出逢った、当時10歳の少女=更紗との純愛(?)なんですよね。少女時代を白鳥玉季さん、成人した現在を広瀬すずさんが演じてます。



義理の兄による性的虐待がトラウマで家に帰れなくなった更紗を、佐伯は自分のアパートに連れ帰り、2ヶ月間を共に「楽しく」暮す。けど、やっぱり警察沙汰になっちゃう。

佐伯は性的欲求をぐっと堪え、更紗にいっさい手を出さなかったのに、世間から「ロリコン誘拐犯」と認知され、更紗も「かわいそうな被害者」というレッテルを貼られて、大人になっても息苦しい日々を送る羽目になる。



その息苦しさに耐えられず、更紗が佐伯のもとに帰った為に、世間は更なる偏見と誹謗中傷という名の「虐待」を加え、2人をどんどん追い詰めていく。

想像以上に暗く、重苦しい作品で、私は観るのが大変キツかったです。



ただ、長さは感じませんでした。それはしっかり感情移入させられた証拠で、キャスト全員の演技も素晴らしく、作品としてのクオリティーは抜群に高いと思います。

が、好きかどうかと問われたら、いや〜キツいです💦って答えるしかありません。

ストーリーは100%理解できるけど、こんな重苦しい話をわざわざ映画化する創り手たちの気持ちがサッパリ解んない、って思いながら観てました。そういう意味じゃ前回レビューした『シン・エヴァンゲリオン』と真逆ですよね。



たぶん、現在の日本っていう国の息苦しさ、同調圧力(=異物排除)の残酷さと恐ろしさを具体的に示すことがテーマじゃないかと思うけど、示したところで世の中は1ミリも変わんないだろうし、同調圧力をかけてる側はそれが自分たちの姿だとは気づきもしない事でしょう。自分が100%正義だと信じ込み、それを疑おうともしない連中なんだから。

だったら、少数派であることの楽しさや尊さをポジティブに描いた方がよっぽど意義があると思うけど、そういう作品はけっこう沢山創られて来たのに、世間はやっぱり1ミリも変わってない。出る杭を叩くっていう快楽、生き甲斐を失いたくないから気づかないフリをしてる。

だからこそ、ヤツらにその醜さをありのまま見せてやる!っていう、別角度からのアプローチを試みた作品なのかも?って、いま書いてて思いました。無駄なのは百も承知だけど、ここで諦めちゃ終わりだろ?っていう、表現者たちの責任感。

だとすれば、根っこのスピリットは『シン・エヴァンゲリオン』と同じと言えるかも? 少なくとも、毒にも薬にもならん作品を創るよりはよっぽど意義がある。



けれど、とっくに世間を諦め切ってる私みたいな輩は、広瀬すずさんの濡れ場にこそ観る価値を見出すワケです。脱がなかったのは大いなる失態で猛省を促すけど、とにかくキャスト陣の才能と努力が際立つ作品であるのは間違いありません。


 

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『トラさん/僕が猫になったワケ』

2023-03-09 15:25:09 | 多部未華子

2019年に公開された、筧昌也監督によるコメディー映画。板羽皆さんの少女マンガを実写化した作品です。

酒とギャンブルに溺れる日々を過ごしてた売れない漫画家(北山宏光)が不慮の事故で命を落とすも、あの世の裁判長(バカリズム)のお裁きにより1ヶ月の期限付きで「猫」として妻子(多部未華子&平澤宏々路)の元へ戻され、現世でやり残したことを模索するというストーリー。



以前、映画館へ行ったときに上映された、いくつかの日本映画の予告編がぜんぶ揃いも揃って「家族か恋人が死んじゃう涙のストーリー」なもんでヘドが出そうになった!みたいな愚痴をこのブログに書きました。その中の1本がコレですw

だから多部未華子さんが出演されてるにも関わらず、今の今まで鑑賞する気になれませんでした。

いや、それ以前に、北山宏光とかいう主演俳優(あの顔でジャニーズのアイドルだそうです)に激しくアレルギーを感じたから、っていうのが一番の理由。

ハンサムでもなければ可愛くもない、かと言って大した演技力もない、ただジャニーズの看板だけで主演を張ってる(ようにしか見えない)男が、よりによって多部ちゃんの旦那役とは!💨💨

演じるキャラクターがどうしょうもないダメ男だからこそ、誰よりチャーミングで上手い役者をキャスティングしないといけないのに!💨💨💨



ただ、これは明らかに幼年層向けの作品ですから、私みたいなオヤジが内容に対してあーだこーだ言うのはナンセンス。もし北山宏光とかいうジャニタレが子供たちに大人気なんだとしたら、もう何も書くことはありません。

そう思って今Wikipediaで調べてみたら、同じジャニタレの大倉忠義と大の仲良しなんだそうですw そりゃアレルギー出ますわっ!😱😱😱💦💦💦💦

(※大倉忠義とは、ジャニーズ屈指の大根役者でありながら過去3度も多部ちゃんとガッツリ共演してる、タベリストにとって最大の天敵。私は別に何とも思ってないけど👍)



そんなワケで、正直、北山くん単独のシーンは、早送りをぐっと堪えつつ「ながら見」でした。

そこにさえ眼を瞑れば、子役の平澤宏々路ちゃんは頑張ってるし、バカリズムさんがいま放映中の深夜ドラマとまったく同じキャラを演じてる偶然(?)が笑えたりします。



そして勿論、我らが多部未華子さんの「人妻」「母親」「未亡人」シリーズですよ! 現代劇だとコレが初?(なんか、続いてますよね)

その中でも今回はナチュラルメイクゆえか、少女時代に戻ったような可愛い多部ちゃんが堪能できました。



特に、眼鏡姿での演技はレアですよね? それを見られただけでもファンには価値アリでしょう。



加えて、シャム猫(?)のホワイテストに扮した飯豊まりえさんのキュートさ。コント番組にでも出ないかぎり、こんなお姿もなかなか拝見できない筈です。



というワケでセクシーショットは飯豊まりえさんです!


 

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『幸運なひと』

2023-03-08 00:03:22 | 多部未華子

2023年3月6日、NHKのBSプレミアムとBS 4Kで放映されたスペシャルドラマです。

かつて駅伝のスター選手だった中学校の体育教師=拓哉(生田斗真)が肺ガンを患って余命宣告を受けてしまい、妻=咲良(多部未華子)との子供を遺すか遺さないかの決断を迫られるという、とてもシビアなストーリー。

難病を、ただ視聴者を泣かせる為の「道具」として扱ったドラマや映画は大嫌いだけど、この作品はそうじゃない。だからこそ泣きました。



夫は1日でも長く生きるために(遠からず死ぬと分かってても)苦しいガン治療を受けるべきか、そして妻は自分の夢を犠牲にしてでも献身すべきなのか、っていう夫婦それぞれの問題がまたシビアで考えさせられるけど、今回はそれがメインじゃない。

あまりに手垢が付き過ぎてる難病ネタを、2023年の今あえて取り上げたのは、間違いなく「少子化問題」に対するメッセージなんだろうと思います。



体育教師の拓哉は、学校で子づくりについての授業をしたとき、少子高齢化や温暖化問題が深刻すぎる「これからの世界に生まれてくる子供が可哀想」だから子は要らない、欲しいなんて言うのは「親のエゴじゃないですか?」と生徒に言われ、返す言葉が出ませんでした。

で、そのあと、いきなり肺ガンの宣告を受け、完治はまずあり得ないと知って大いに動揺した拓哉は、体外受精してでも子供をつくりたいと言う咲良に、思わず「それはエゴなんじゃないの?」って言い返しちゃう。「泣いてるのはオレの為じゃなくて、夫がガンになった自分が可哀想なだけだろ?」って。

これを言われたら、パートナーは何も言えなくなりますよね。実際、誰だって本音を突き詰めれば「情けは人の為ならず」ですから。



ところが、そのあと主治医の中村先生(山中 崇)から「あなたにとって一番大切なものは何ですか?」と問われた拓哉は、考えに考えた末、残された時間を「普通に過ごしたい」って答えに辿り着く。

だから治療を受けて寿命を少しでも延ばし、咲良との子供をつくる。もしガンにならなければ、普通に自分はそうした筈だから。そうしたいと心から思ってるから。

拓哉の決断を喜びつつも「子供にとって正しいことなのかどうか分からない」って迷う咲良に、中村先生がまたいいこと言うワケです。

「分かる人なんているんでしょうか? 子供のために子供をつくった人に、ぼくは逢ったことがありません」



山中崇さん、オイシイですなあ!w 患者を突き放すクールな医療マシーンに見えて、実はかなり情の深いブラック・ジャックのソフトバージョン。

斗真くんも多部ちゃんもいつも通りに素晴らしかったけど、今回は山中さんに持ってかれた感じ。主役が2人とも揺るぎないからこそ、バイプレーヤーも遠慮なく力が発揮できる。少ない出番でほんとオイシイですw

そんなワケで、この作品が我々に伝えようとしてるのは、ガンの怖さや死別の悲しさじゃなく、ましてや「もっとチョメチョメして子供を作んなはれ!」っていうプロパガンダでもない。

ラストシーン、拓哉が最後の授業で生徒たちに語ったことが全てです。生きるって何なのか?っていう永遠のテーマに、真正面から向き合わざるを得なかった彼が出した、とりあえずの結論。

「まずは、心臓が動くこと。身体が動くこと。心が、動くこと。走りたい、ビール飲みたい、いま好きな人に会いたい、抱きしめたい。そんな風に、何かをしたいって心が動く欲望……エゴが、生きるって事なんじゃないかな」



つまりワガママをぶつけ合える人と出逢えたら、それが何よりラッキー。咲良と出逢えた拓哉はとても「幸運なひと」ってワケです。

そんな彼の最後のワガママが、咲良に子を産んでもらうことだった。たとえ無責任と言われようが、心から我が子に「会いたい」と思ったから。

「今より温暖化して、少子化が進んだ未来を、どうか目一杯ワガママに生きて、素晴らしい世界にして下さい」

それが本作のメッセージ。結婚や子づくりをゴリ押しするつもりは無いけれど、もし、誰かに気を遣って躊躇してるなら、そんな遠慮はいっさい要らないから、自分のエゴを是非とも優先しなさいって、そういう事なんだろうと思います。



けっこう大胆なメッセージですよね。そうか、何でも自分のやりたいようにやりゃいいんだ!って、都合良く解釈してバカなことするバカが世の中には無数にいると思うけど、そういうバカはNHK(それもBSプレミアム)の番組なんか観ないだろうっていう自信でしょうか。

そんな博打を打たなきゃいけないくらい、今の若い世代が萎縮しちゃってるというか、あまりに夢も希望も抱けなくなってる、この現状こそをまず何とかせんと少子化問題なんか解決するワケ無いやろ!っていう、怒りのマグマさえ感じます。

少子化と温暖化だけじゃない。戦争、ウイルス、そして白痴化。マジで人類の破滅は近いって、子供を持たない私はとっくに諦めてるけど、未来を信じる人はなお一層、強くならなきゃいけません。

実に骨太なメッセージを孕む素晴らしいドラマでした。多部ちゃん、斗真くん、山中さん、そして西田尚美さん、宮崎美子さん、相島一之さん、加藤諒くんetc…と、キャストも一流揃いで言うことナシです。


 

コメント (4)
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