ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『ダマせない男』2022.3.26

2022-03-30 00:10:08 | TVドラマ全般


2022年3月26日(土曜夜)、日本テレビ系列で放送された単発スペシャルドラマです。

お人好し過ぎて人生をこじらせてるサラリーマン=絹咲 正(堺 雅人)が、婚活パーティーで浅香 澪(門脇 麦)という女性に見初められ、カップル成立するんだけど、実は彼女は「フレグランスの澪」の異名をもつ敏腕詐欺師だった!

澪は、相棒の「ジョー」と2人で大手ゼネコン社長の青島(生瀬勝久)から5億円を騙し取ったものの自分だけが捕まってしまい、金を持ち逃げしたジョーを連れて来ないと殺すと脅され、だけど行方が掴めないもんだから仕方なく、お人好しな正をジョーに仕立て上げ、青島に引き渡して逃げるつもりなのでした。



ところが正=ジョーと信じ込んだ青島は、リゾート会社社長の詩子(広末涼子)から10億円を騙し取るという、新たなミッションを2人に課して来ちゃう。

ジョーから5億円を取り戻さない限りは従うほかなく、澪はお人好し過ぎて人を「ダマせない男」と仕方なくコンビを組み、どう考えてもインポッシブルなミッションに挑んでいきます。



私は堺雅人さんが口八丁・手八丁の敏腕弁護士=古美門研介を演じた『リーガル・ハイ』シリーズが大好きでしたが、今回の絹咲正はおおよそ真逆のキャラクター。だけどホントにお人好しなヤツにしか見えないし、どんなキャラでも確実に笑わせてくれる堺さんは、やっぱサスガ!としか言いようありません。

『リーガル・ハイ』における堺さんの相棒は、新垣結衣さん演じるお人好しな新米弁護士で、今回の相棒=門脇麦さんは口八丁・手八丁の敏腕詐欺師。キャラも立場も逆転してるのがまた面白い!

そんな2人を中心に、生瀬勝久、光石研、皆川猿時、小手伸也といった芸達者な皆さんが脇を固めてますから、そりゃもう安心して観てられます。

『リーガル・ハイ』はおおむね「善意の裏には必ず悪意もある」っていう人間観、社会観を、リアルに、それでいて面白おかしく描いて新鮮だったけど、その点で言うと今回の『ダマせない男』は「善意は必ず報われる」っていう昔ながらの性善説で、新鮮味には欠けるかも知れません。

けど、そういうドラマも絶対必要ですよね。現実は厳しく、世の中は悪意に満ちてるからこそ、人の良心がもたらす無敵のパワーを信じたい。私が今だに愛してやまない『太陽にほえろ!』もそんなドラマでした。

当然、シリーズ化や連ドラ化も視野に入れてるでしょうから、堺雅人さんの新たな当たり役に期待します!



今回のスペシャルを彩った女優陣は、ヒロインの門脇麦さん、すっかりオトナの女性になられた広末涼子さん、そして堺さんと恋に落ちたと見せかけて、実は広末さんとチョメチョメな仲だった!という、2020年代ならではのゲストヒロインに扮した、村川絵梨さん。

これだけのメンツが揃えば、多少ストーリーが「ベタ」でも充分に楽しめます。私は満喫させて頂きました!


 

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『この子の七つのお祝いに』

2022-03-28 00:00:19 | 日本映画

1982年秋に公開された角川映画をレビューしたいと思います。増村保造監督が手掛けられた最後の作品で、原作は第1回横溝正史ミステリ大賞を受賞した斎藤澪さんの同名小説。

唐突にこの作品を取り上げたのは、いつも愛読させて頂いてる KT Jacksonさんのブログで、最近KTさんが偏愛されてる映画として何度も登場してたから。

そう言えば予告CMは記憶にあるけど本編は観てなかったし、何よりあんなに面白い文章を書かれるKTさんが、夜な夜な繰り返しDVDを観ちゃうほどハマっておられる映画が、一体どんなだったか気になってレンタルせずにいられませんでした。

KTさんはあくまで「昭和」の風景や文化に対する懐かしさと、主役の1人であるナイスミドル俳優「杉浦直樹」さんへの憧れ……というより、やっぱ「偏愛」と言った方がしっくり来るw、かなりオリジナルな「惹かれる理由」を書かれているけど、それだけで夜な夜な観ちゃうほどハマるだろうか? もしかしたらご本人も気づかれてない、潜在意識に訴えるような何かがこの映画にあったりするのかも?って、そんな興味がメラメラと湧いて来た次第です。で、観ました。

結果、これは想像してたより相当深い作品で、しかも2022年3月現在だからこそ強く胸に迫って来るものがある!……のかも?って、私は感じました。KTさん! これ、もしかしたら凄い映画かも知れません!



この映画の本質を語るには、浜村淳さんばりに結末までストーリーをバラさないと語りようがなく、ミステリー作品ではありますが、浜村淳さんよりも簡潔に解説し、バラしますm(_ _)m

前半のストーリーテラーは雑誌記者の杉浦直樹さんだけど、その杉浦さんが中盤で殺され、後輩記者の根津甚八さんが彼の遺志を継ぎ、連続殺人事件の真相に迫って行きます。

これ、みんな角川さんの宣伝戦略に騙されてホラー映画だと思い込んでるけど、実は幽霊も祟りも一切出てこない、あくまでミステリーです。

杉浦直樹さんが何度も謎の激痛に襲われ、のたうち回るもんだから、てっきり岸田今日子さんの呪いだと思っちゃうんだけど、それも実はミスリード。「オレ、たぶん癌なんだ」っていうオチがつきますw(あの痛がり方は腎臓結石だと私は睨んでるけど)



で、連続殺人の真犯人は、岸田今日子さんに夜な夜な「私たちが貧乏なのは全部、よそにオンナを作って逃げたお父さんのせいよ」「だからお父さんを恨むのよ」「私が死んだら代わりに復讐するのよ」って耳元で聞かされ、言わば洗脳されながら育った娘=麻矢。



根津甚八さん憧れの人だけど杉浦直樹さんと愛し合い、チョメチョメしちゃうスナックのママ=岩下志麻さんこそ、ずっと父親を探し続けてる麻矢なのでした。被害者は皆、その秘密を知ってしまったから殺された。麻矢は杉浦さんを愛しながら、父親への復讐を果たす為に殺すしかなかった。



だけど本作の肝は、誰が真犯人かじゃないんですよね。割と早い段階で岩下志麻さんがそうだろうと察しがつくんです。昨今のミステリーは犯人当てゲームに終始してる印象だけど、この作品は全然違う!



じゃあ何が肝なのかと言えば、岸田今日子さんが娘をずっと洗脳し続けた理由です。時は昭和25年頃。

確かに今日子さんの夫=芦田伸介さんは彼女を捨てて逃げたんだけど、それは単なる浮気じゃなくて、背景に「戦争」があるんですよね。

終戦の時、芦田さんはすでに妻帯者だったけど、戦地から日本に帰国する為に他の女性、つまり今日子さんと偽装結婚する必要があった。

で、帰国しても妻の行方が分からず、そのまま今日子さんと暮らして麻矢という娘が出来るんだけど、麻矢はネズミに喉を噛み切られて死んじゃった!(当時はそういう事故も珍しくなかったとか)

そのショックで今日子さんは精神を病んでしまい、そんな時に芦田さんは偶然、本来の奥さんと再会してしまう! つまり、そういう事です。

芦田さんは充分な手切れ金を渡し、今日子さんは潔く身を引いた……と見せかけて、芦田さんと奥さんの赤ちゃんを誘拐し、麻矢として育てたワケです。



つまり岩下志麻さんは、ずっと今日子さんから嘘を吹き込まれ、実は被害者でもある父親を殺す為だけに人生を捧げ、連続殺人を犯してしまった。

芦田さんと甚八さんからその事実を聞かされ、志麻さんが絶望の淵に追いやられたところで、何の救いも無いまま映画は終わっちゃいます。

だけど、不思議とイヤな気分にならないんですよね。志麻さんは父親が憎いからじゃなくて、育ての母である今日子さんを愛してたから、あくまで彼女の為に復讐しようとしてた。恨みや嫉みじゃない、愛のストーリーだから全然イヤな気分にならない。ただ、果てしなく切ない気持ちにはなるけど……



さて、冒頭で「これは想像してたより相当深い作品で、しかも2022年3月現在だからこそ強く胸に迫って来るものがある!」って書いたのは、これは「愛」だけじゃなく、もしかしたら「戦争」の本質を追究したストーリーなのかも?って思ったから。

単に「女の情念」の恐ろしさや哀しさを描くだけなら、わざわざ戦争を背景に持って来る必要は無かったかも知れません。

一番の罪人は(一番の被害者でもある)岸田今日子さんだけど、彼女をプーチン大統領と置き換えて考えると、岩下志麻さんがロシア軍の兵士たちに見えたりしませんか? ロシアから離れる道を選んで侵攻される羽目になったウクライナが、まさに芦田伸介さんで。

ロシア軍の兵士たちで、自分たちがやってる戦争の意味を正確に理解してる人は少ないかも知れません。志麻さんみたいに洗脳されて。

あらゆる戦争がそんな構図で、みんな愛国心で戦ってるつもりだけど、実は狂人に騙されてるだけっていう……



まあ、この映画で描かれたような悲劇が、終戦から間もない日本には実際いくつもあったでしょうから、単にそれをネタに使っただけの話かも知れません。

で、映画が公開された’80年代にはすっかり過去の話で、2000年代に至ってはおとぎ話になりつつあった。けれど今、それほど遠くない場所で同じような悲劇がまた生まれようとしてる。

そんな今だからこそ、この映画が何かを訴えかけて来てるのかも? KTさんのアンテナがそれをキャッチして、さらに私が引き継いで、今この記事を読んでる皆さんにまた……

別にスピリチュアルな話をしたいワケじゃないけど、物事には必ず理由があると思うもんで、この映画や小説が創られた意味や、今になってKTさんがハマり、なぜか私も観てレビューを書きたくなった理由を、こんな風に「謎解き」してみました。



ところで、杉浦直樹さん。確かに魅力的です。セクシーかどうかは男の私には判らないけど、圧倒的に前向きなエネルギーを感じるし、俺ジナル溢れる演技でこの人が出てるシーンは退屈しません。

「可哀想にぃーっ!」って言いながら志麻さんにかぶりつくゲスさに爆笑しましたw



杉浦さんだけじゃなく、芦田伸介さん、村井国夫さん、室田日出男さん、小林稔侍さん、神山繁さん、名古屋章さん、戸浦六宏さん、坂上二郎さん等々、エネルギッシュかつ俺ジナルな芝居をするオジサンが目白押しで、最年少の根津甚八さんすらあの渋さw ジャニーズ風の兄ちゃんが1人も出て来ないキャスティングが素晴らしい!



女優陣は岩下志麻さん&岸田今日子さんを筆頭に、辺見マリさん、中原ひとみさん、そして畑中葉子さんと、これまた艶のある方ばかり。まさにオトナの映画!

そんなワケでセクシーショットは、後ろから前から畑中葉子さんです。


 

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「グリップ替えてみた」

2022-03-27 10:44:26 | コレクション

先日のモデルガン記事「ストラウプ・カスタムとF-コンプ」に、ストラウプ・カスタムに標準装備されたターゲットタイプの黒くてゴッツいグリップは、ゴッツい拳銃であるストラウプ・カスタムにしか似合わない!(だから自分の手には余るけど我慢する)って書きました。

が、その後、件のグリップがラウンドバットとスクエアバット両方のフレームに使えることが判明。ちなみに次の画像の上がラウンドバット・フレーム、下がスクエアバット・フレームのモデルガン。グリップ下部の幅が違うのです。




で、ひょんな事から、その画像の下に写ってるモデルガン=S&W M19コンバットマグナムに着けてた木製グリップも、実はラウンドとスクエア両用であることを今さら知って、試しに交換してみました。



握り心地は圧倒的に(私は)こっちの方が良い! シルバーの銃には黒いグリップの方が映えるんだけど、木グリは木グリで高級感が増しますから、大枚はたいて買ったこのカスタムGUNにこそ相応しい。これで決まりです!



で、ゴッツい拳銃であるストラウプ・カスタムにしか似合わない!って決めつけてた黒くてゴッツいグリップですが、試しにスマートなM19に着けてみたら意外と(私は)しっくり来た!



艶消しブラックどうしのカラーリングがマッチしてるし、バランスも思ったほど悪くない。むしろストラウプ・カスタムよりこっちの方が似合ってるように(私は)思えたので、あっさりトレードが成立しちゃいました。

こういうのもコレクションの楽しみの1つなんですよね。


 

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「M586とキャリーコンプ」

2022-03-23 00:00:04 | コレクション

スミス&ウエッソン製357マグナム・モデル586と言えば『あぶない刑事』で鷹山刑事(舘ひろし)が愛用したリボルバーとして知られてるかと思います。『太陽にほえろ!』でもラガー刑事(渡辺 徹)が末期に使ってました。

’80年代に登場したS&W M586は、その二段構えのバレルがCOLTパイソンによく似てるもんだから、てっきりM19の外見をパイソンに近づけただけの拳銃だと私なんぞは思ってましたが、そうじゃないんですね。

まぁパイソンはライバル社が誇る一番人気のリボルバーだから意識はしてたでしょうけど、M586が開発された真の目的は、357マグナム弾を繰り返し撃つには華奢で、強度に不安のあったM19などKフレーム拳銃の弱点を補うべく、一回りサイズの大きい「Lフレーム」を誕生させる事なのでした。

ちょうどM29 (44マグナム) 等のNフレームとKフレームの中間サイズで、パッと見はそんなに変わんないしグリップはKフレームのと共用出来るもんで、私は長い間その意味がよく解ってませんでした。

ようやく理解したのは後年、MGC社が末期に「Lフレーム・スマイソン」なるモデルガンを、M586のバリエーションとして発売した時でした。従来のスマイソンと比べて格好良くなかったんですよね。シュッとスマートなKフレームだからこそスマイソンはカッコいい。Lフレームは、やっぱりゴツい。

で、M586です。S&W社の357マグナム決定版って事で当時人気を集め、日本ではMGC、コクサイ、マルシンの3社がほぼ同時期にABSモデルガンを競作&発売するという、実に面白い現象が起こりました。

どれも甲乙つけがたい程よく出来てたんだけど、まずコクサイのM586はバレルの形状がリアルじゃなくダサかったもんで、私は最初からスルーしました。

最初に買ったのはMGC製M686(586のシルバー版)の4インチ。けっこう気に入ってたけど自主制作映画の撮影で酷使し、傷だらけになっちゃったもんで現在はパーツ取り用として箱に収めてあります。

で、近年になってネットオークションで購入したのがコレ。MGC製M586の4インチ、ノーマルABSバージョン。↓



グリップはMGCが確か「ファイティング・グリップ」って名称で当時発売してた木グリです。フィンガーレスト付きのグリップは好みが岐れるところで、私も決して握り易いとは思わないけど、本来の分厚いヤツよりはマシだし、何より見た眼がカッコいいから万事OK。実際に撃つワケじゃないですからね。



細かい部分のリアルさや作動面ではマルシン製M586に軍配が上がると思うけど、バレルのデザインはMGCの方が格好良く感じるし、何度も書いて来たように結局「黒い地肌でテカテカ光ってる」ノーマルABSが一番好きなもんで、今でもよくイジるのはこのMGC製のM586です。

ところで、パッと見はよく判んないLフレームとKフレームの違いだけど、シリンダーを開けるとその肉厚の差がよく判ります。上がLフレーム(M586)で、下がKフレーム(M19)です。



画像だと判りにくいかも知れないけど、とにかく違うんだから仕方がない!

S&W M586はCOLTパイソンと似た形状ながら断然スタイリッシュで、私はどっちが良いか甲乙つけ難いです。パイソンは武骨でありつつ優雅だし、それぞれ違った魅力があるんですよね。

さて、私はMGCのが一番お気に入りだけど、誰かにオススメするとなれば話は別。クオリティーの高さでは断然マルシン社のM586が一番で、現在でも生産が続いてますから入手もスムーズ。



↑これはマルシン製M586・4インチのノーマルABSモデルを、流麗な塗装でドレスアップしたカスタム品。ネットオークションで入手しました。

画像ではイマイチ伝わらないかも知れないけど、すごく綺麗に仕上げてあります。かつて私も塗装には何度かチャレンジしたけど、ここまで滑らかな艶を出すスキルは到底ありません。売りに出されたのはプロのモデラーさんかも?

グリップはホーグ製のラバー。スリムで握り易いし、M586によく似合ってます。



↑そして、こちらもネットオークションで入手したマルシン製M586の4インチ、ヘビーウェイト・バージョン。グリップはお馴染みのパックマイヤー製ラバーです。

これ、ヘビーウェイトモデルなのに格安&即決で出品されてて、そう言えばヘビーウェイトのM586は持ってなかったしと軽い気持ちで落札したんだけど、届いたら驚いた!

これも画像じゃ判りにくいけど、ただのヘビーウェイトモデルじゃなくて「ブルーイング・カスタム」だった!



つまり全身ガンブルー液で染めてある。オークションの画像を見た限りじゃ判らなかったし、ブルーイングのブの字も記されてなかった!

これは塗装より遥かに手間のかかる作業で、普通なら少なくとも定価の倍以上、プロの仕上げだと3倍の値は付くところ。それが定価の半額以下で買えちゃった。

たぶん、出品した人はトイガンに関しての知識が無く、知り合いから譲り受けた物を価値も知らずに出品されたんでしょう。オークションはたまに痛い眼にも遭うけど、こんな嬉しいサプライズもあったりするから面白いです。



↑こちらはイベントで安売りされてたマルシン製M586の6インチ・ノーマルABSモデル。グリップはこれもパックマイヤー製ラバー。

作動性能はこれが我が家にあるM586シリーズの中で一番良く、タナカ・ワークス社のKフレシリーズにも負けてません。たぶん前のオーナー(あるいはイベントに出品した店主)が丁寧に調整してくれたんでしょう。



↑これは最近オークションで入手したMGC製M686の6インチ。M586の4インチに着けてるファイティング・グリップは本来これに着いてました。

つまりグリップが目的でこれを落札したワケだけど、2挺目のM686が手に入ったお陰で、傷だらけの4インチをパーツ取りに回す踏ん切りがつきました。

で、その結果、こんな珍品が生まれちゃいましたw↓



これはMGC社が末期にリリースしたM586ヘビーウェイト・バリエーションモデルの1つ「キャリーコンプ・カスタム」に、686のトリガー&ハンマー、サムピース、そしてシリンダーを移植した俺ジナル・モデルガン。その名もブラック・ジャック!(いま名付けました)



悪趣味!とおっしゃる方も多いかと思いますが、私はギリギリ格好良いと思ってます。いかがなもんでしょう?

これ、たぶんノーマルのM586がベースだと悪趣味になっちゃう。キャリーコンプのデザインだからこそ下品にならない。(と、私は思う)

いっぺんグリップも木製に替えてみたけど、それだとおかしくなっちゃう。ブラック1色のアンクルマイクスだからこそ品が保ててる。つまり黒と銀の2色オンリーなのが良いんですよね。(と、私は思う)



なぜこんな仕様にしたかと言えば、実はやむにやまれぬ事情があってのこと。ベースとなったM586キャリーコンプの動きがすこぶる渋くて、だけどどう調整すれば良いか分からず、箱にしまったまま長年放置してたんですね。

で、最近、上記のいきさつにより傷だらけのシルバーモデル686をパーツ取りに回すことになり、まずトリガー&ハンマーを交換したんだけど、それでも渋い。

なんでこんなに渋いのか、あらためてよく観察してみると、どうやらシリンダー(弾倉)がフレームに干渉している! なぜだか知らないけど、ABS用の金型でヘビーウェイトモデルを造ると、やや膨張する傾向があるみたいです。(と、私は思う)

で、それを確かめる為に686(つまりABS)のシリンダーをはめ込んでみたら、めっちゃスムーズに動くじゃないですか! 少なくとも我が家にあるMGC製586の中じゃダントツに動きが良い!

それと、私がけっこう重要視してる「操作音」の良さ! シリンダーを回転させたり出し入れしたりする時のカチャカチャ音が妙に心地良い! ABSとヘビーウェイト材が混じってるから独自の音を奏でるワケです。



最初、サイドプレートもシルバーにしてたんだけど、さすがにヤリ過ぎと思って元に戻しましたw 黒い部分が多い方が締まって見えるし。



30年ほど前に買ったビアンキ製の本革ホルスター。ずっとM10の3インチ(つまりKフレーム)用に使ってたんだけど、ちょっと隙間が出来ちゃうのが気になってました。

で、今回試しに586キャリーコンプを挿し込んでみたら、なんとジャストサイズ! どうやらLフレーム用(あるいはL&K兼用)に造られたホルスターみたいです。



ええ歳して何やってんねん?って思われるでしょうが、楽しいんだから仕方ありません。大霊界はあるんだから仕方がない!

オートマチック拳銃だと珍しくもないツートンカラーだけど、リボルバーにもあって良いじゃないですか?(すでに無くもないみたいだけど)

そんなキャリーコンプのほか、MGC社はM586の3インチと2.5インチ、前述のLフレーム・スマイソン、限定生産のPPCカスタム、そしてなんとLフレームのミリポリ (!) なんかも発売してたみたいだけど、程なくして店じまいしちゃいました。

モデルガンの最盛期に我々を大いに楽しませてくれたMGCさんが、最後に作ったリボルバーがM586モデルガンだったワケです。


 

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「M19とスマイソン」

2022-03-22 00:00:05 | コレクション

ストラウプ・カスタムのモデルガン購入を記念して、そのベースとなったスミス&ウエッソン「Kフレーム」357マグナム拳銃のコレクションも紹介させて下さい。

まずはタナカ・ワークス製のモデルガン「S&W M19 コンバットマグナム」の4インチ。これは今のところ艶消しブラック塗装によるヘビーウェイト・バージョンしか発売されてません。(エアガンはABSシルバーも出てるみたいです)

グリップはネットオークションで入手した木製ハンドメイド。純正のより薄くて握り易いです。



4インチモデルは日本じゃ『ルパン三世』の次元大介が愛用するリボルバーとして有名かと思います。本国アメリカでも超ポピュラーで、オートマチックが主流となる以前は警察拳銃の代表格でした。

私の大好きなポリスアクション映画『リーサル・ウェポン』シリーズでもダニー・グローバー扮するマータフ刑事が頑なに愛用し、15連発のベレッタ92Fを撃ちまくる相棒=リッグス刑事(メル・ギブソン)に「時代遅れ」とバカにされてましたw

けど昭和の刑事ドラマ、中でも特に発砲に関して厳格な『太陽にほえろ!』を観て育った私としては、1発必中にこだわるマータフに共感せずにはいられません。あっという間に全弾撃ち尽くしちゃうリッグスとほんと対照的で面白い!

そんなマータフすらシリーズ3作目まで行くとサイドアームとしてオートマ拳銃を忍ばせてて、ちょっとショックでしたw そりゃあロス市警勤務となれば今どき6連発リボルバーだけじゃ頼りない。5連発のニューナンブ(今はサクラ?)すら滅多に撃つ機会のない我が日本は、なんだかんだ言ってもまだ平和です。



↑最新技術で造られたタナカ製M19とは対照的に懐かしい、今は無きCMC社が40年ほど前にリリースした、6インチバレル&パートリッジサイト仕様のM19モデルガン。もちろんベビーウェイト材が発明される前の製品なんでABS (強化プラスチック) で出来てます。グリップも純正プラスチック。

当時としてはリアルな外観と内部メカで、現在はハートフォード社がその金型を受け継ぎ、ヘビーウェイト化して発売してます。

そうして長年に渡って親しまれてるM19なのに、なぜか日本の刑事ドラマで使われてるのを観た記憶がほとんどありません。形状がよく似たM29 (44マグナム) の陰に隠れちゃった感じです。

プラスチックのM19を出してたのがCMCとコクサイの2社だけで、いずれの製品もリアルなんだけど(撮影で酷使するには)頑丈さが足りなかった、っていう理由はあるかも知れません。とにかくMGCのモデルガンが頭抜けてタフだった!



↑こちらはコクサイ社が’80年代にリリースした、金属製モデルガンのM19、2.5インチ。木製グリップはショップのカスタム品だけど、同じタイプのが当時コクサイからも発売されてたと思います。

コクサイ社が「リボルバーのコクサイ」と呼ばれるキッカケになったのが、M19をはじめとするABSのKフレームシリーズで、それを更にクオリティーアップさせて世に出したこの金属モデルガンは、まさに決定版!

タナカ・ワークス社の最新M19がいかにパーフェクトな製品でも、プラスチックで出来てる限りこのコクサイ金属モデルを(リアルさにおいて)凌駕するのは難しいかも知れません。だからでしょう、現在ネットオークションじゃこの金属製シリーズにバカみたいな高値がついてます。

売るなら今!……なんだけど、私は売りません。気に入って買ったコレクションを手放すと絶対あとで後悔しますから。コレクション熱って、いったん冷めても必ずいつか再燃しますから。経験者は語る。



↑コクサイ社は’90年代、金属製シリーズの金型を流用し、ヘビーウェイト材仕様のモデルガンとしてKフレームシリーズやCOLTパイソンをリニューアル。

それを更にバージョンアップさせ、リアルサイズの357カートリッジを装填できる「ニューコンセプト・モデルガン」として2000年代に発売したのがこのシリーズ。スーパーリアル・ヘビーウェイトのM19、2.5インチです。グリップはS&W純正の木製サービスタイプ。こっちの方が私は握り易い。



↑さらに時代が進んで2010年代、プラスチック製モデルガンの原点に還り、あえてノーマルのABSモデルを塗装なしで発売したのがコクサイ・ニューコンセプトシリーズの「スタンダードモデル」。

私自身、金属モデルやベビーウェイトにしばらく夢中になったけど、結局一番好きなのは昭和ドラマで使われてたのと同じ、黒い地肌でテカテカ光ってるヤツだよねって、かねてから思ってました。時代ってのは一周回って戻って来るんですよね。



グリップはパックマイヤー製のバナナ型ラバーに換えてあります。これもまた握り易くてお気に入り。ラバーグリップも色んなメーカーから出てるけど、パックマイヤーのが一番カッコ良くて好きです。



↑原点回帰したとは言え「ニューコンセプト」ですからリアルサイズの357カートリッジが使えます。シリンダー正面のインサートはコクサイのが一番小さく、弾頭がよく見えて壮観! これもリボルバー拳銃の醍醐味です。



↑さて、こちらは日本で最も有名なカスタム・リボルバー「スマイソン」のコクサイ製ABSモデルガン4インチ。『ゴリラ/警視庁捜査第8班』で舘ひろしさんが使ったヤツです。

この記事に興味ある方なら先刻ご承知でしょうが、スマイソンとはS&WのKフレームにCOLTパイソンのバレルを組み合わせた、2大アメリカン銃器メーカーのハイブリッド・リボルバー。つまりSMITHとPYTHONを併せてSMYTHON。

SMITHとCOLTを併せてSMOLT (スモルト) と呼ぶ場合もあり、最近リリースされたタナカ・ワークス製のモデルガンとエアガンの商品名は「スモルト」になってます。



このモデルガンは’80年代の製品が’90年代にリバイバル発売された物で、キャロムショット社の「ブラック・スティール」スプレーで塗装した上、グリップをハートフォード (旧CMC) 製スマイソン用の木グリに付け替えてあります。純正よりこっちの方がスリムで握り易い!



↑そしてコクサイの金属製スマイソン4インチ。グリップはコクサイ純正の木グリ。これがM19標準のグリップなんだけど私の手には分厚すぎる!



↑こちらはハートフォード (旧CMC) 製スマイソンの4インチ(ラウンドバット・フレーム)と、実銃には存在しないらしい2.5インチ・カスタム。



旧CMCスマイソンは本来、コクサイのと同じスクエアバット・フレーム(グリップ部が太い)なんだけど、それを引き継いだハートフォード社がマニアックなメーカーさんで、それとは別にグリップ部が細いラウンドバットのバージョンも発売したワケです。

グリップは普通に細いサービスタイプのが付いてて、それをショップで見かけた私は「おおっ、これはこれで意外とカッコいい!」と衝動買いし、実際握り易くて気に入ってたんだけど、年々、見れば見るほど「やっぱアンバランスやなあ」とw

で、つい最近、ラウンドバット・フレームに対応できるオーバータイプの木グリがアルタモント社から出てることを知り、即購入。そりゃあやっぱり、パイソンのゴッツいバレルにはオーバーサイズのグリップが断然似合います。

グリップはオーバーサイズでも基部が細いから、スクエアバットに比べればやっぱスリムで握りやすい! タナカ製のスモルトやストラウプ・カスタムもラウンドバット・フレームだから付け替え可能です。



↑エッジがところどころ剥げてるのは、元はグレーに近い色のヘビーウェイト材の地肌を、G.スミス.S社の「黒鉄」スプレーで塗装したから。買った当時は時間を持て余してたんですねw 結果的に歴戦をくぐり抜けて来た拳銃みたいになって良かったです。



↑実銃には存在しないのが不思議で仕方ない、どう見てもカッコ良くて可愛い2.5インチ=スナブノーズのスマイソン。もちろんお気に入りの1挺です。

マニアックなハートフォードさんは3インチまで出しちゃってるけど、そっちは中途半端に感じて私は買ってません。

6インチも今のところ持ってないけど、タナカさんがABSシルバーで出してくれたら買おうかな?と思ってます。(ヘビーウェイトで6インチは重すぎるし、艶消しブラックも好きじゃないので)


 

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