ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

「令和最初の大晦日」

2019-12-31 00:00:11 | 日記
 
正直なところ、年老いた両親の世話がじわじわと負担になって来た、2019年はなかなかしんどい1年でした。

この年末も母(80代)が急に「背中が痛い」と言い出し、ぎっくり腰かと思ってしばらく安静にさせたものの良くならず、私が通ってる整骨院へ連れて行ったら「(原因は)内蔵かも知れない」と言われ、年が明けたらすぐ内科に行かなきゃなりません。

心配だし、普通に仕事をしながら面倒を見るのはなかなか大変だし、かたやすっかり幼児化した父(90代)のケアもしないといけないし、いよいよ行政を頼らなきゃいけない時期が近づいてるようです。

そんな両親を置いて遠出するのはもう無理で、従ってタベリスト・ツアー(上京して多部未華子さんの舞台を観たり等)への参加もしばらく出来そうにありません。

たぶん、来年以降はこういう愚痴をブログに書く機会が増えて行きそうだけど、これに関してはコメント不要です。ああ、人それぞれ色々あるんだなと読み流して頂ければ幸いです。

両親のこと以外には特にこれと言って大きな変化はなく、2019年はとにかくこのブログの執筆&編集に打ち込んだ1年でした。毎日欠かさず更新してたということは、つまりブログに関する作業をしない日が1日も無かったワケで、自分でも「何なんだ、その情熱は?」って呆れるばかりです。

でもブログに没頭することで日頃のストレスが発散できてるのは確かで、これが無ければ私はいったい何が楽しみで生きてるのやらホント分かりません。いちいち書かないけど仕事でも相当イヤな思いを日々してますから。

毎日のんきに刑事ドラマの記事を書き、エッチな画像ばかり載せてる私みたいな人間でも、その裏じゃそれなりにしんどい思いもしてる。世の中に悩みが無い人なんていない、皆それぞれ苦労しつつ頑張って生きてるんだって事で、明日への活力にして頂ければこれまた幸いです。

いやホントに、こんな息苦しい世の中、信じがたいクズ人間がうようよいる世の中で、ちゃんと真面目に生きてるだけでも充分リッパです。

さて、2019年の刑事ドラマは『記憶捜査』や『サギデカ』等の良質な作品、『おしい刑事』や『ピュア!』『時効警察はじめました』等のチャーミングな作品はあったものの、これはハマった!と言える作品が1本もありませんでした。

刑事もの以外だと『トクサツガガガ』『これは経費で落ちません!』『だから私は推しました』『俺の話は長い』等、斬新でハートに響いてくる連ドラが何本かありました。全部オタクかニートが主人公ですw

上に挙げたタイトル9本のうち、実に6本がNHKの作品。民放のパワーダウンが眼についた1年でもありますね。特に、それほどの価値があるとは到底思えない作品の続編やリメイクがやたら多かった民放の刑事ドラマは、もはや捨てジャンルみたいな扱われ方でホント哀しい限りです。

新たな傑作が生まれる可能性よりもタイトルの知名度を優先するような人たちが、我々のハートに響くドラマを創れるワケがありません。残念ながら民放テレビはOSMK、お先真っ暗でうぃっしゅ!

多部未華子さんも結婚しちゃった事だし、ほんと夢も希望もありゃしません。けど、夢がなくて何が悪いのか? ムリしてまで希望を持たなきゃいけないのか?

結構じゃないですか。最初から夢など持たなきゃ挫折することも無いし、お先真っ暗だと思っておけば小さな喜びでも幸せな気分になれる。実はネガティブこそが最強の生き方じゃないですか?

そんなワケで皆さん、お先真っ暗な新年を最悪な気分で迎えようじゃありませんか。Have a bad day! アンド・チョメチョメ。
 
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「なんもしない人の不思議」

2019-12-30 00:01:00 | 日記
 
やはり年の瀬のバタバタで疲れてるのか、作品レビューを書く気力が沸かず、日曜の午後は掃除をしてからボーっとテレビを観てました。

で、ふとNHKにチャンネルを合わせたら『ドキュメント72時間』の年末スペシャルをやってて、ちょうど視聴者投票による年間ベスト3の発表&再放送だったので見入ってしまいました。

第3位の『仙台/出会いを求めて相席ラウンジ』には全く興味が沸かなかったんだけど、第2位の『密着!レンタルなんもしない人』は面白かった。これは本放映時も観て衝撃を受けたんだけど、今回あらためて「何なんだ、これは?」って思いましたw

ご存知の方も多いかと思いますが、会社での「濃い人間関係」に疲れた妻子ありの脱サラ青年が、ツイッターで「なんもしない人」の仕事を請け負ったら引く手あまたで大忙しというw、こうして書いてても「何なんだ、これは?」としか言いようがない内容w

仕事と言っても請求するのは指定された場所への往復にかかる交通費だけ。そりゃ「なんもしない」んだから労働対価は求めません。じゃあ彼はいったい何の為にそんな仕事(?)をしてるの?っていうのが第1の不思議。

そして第2の不思議は言うまでもなく、わざわざ「なんもしない人」に来てもらう顧客の皆さんの心理です。

料理好きのOLさんは、周りの人たちが彼女の料理に慣れてしまって誰も褒めてくれないのが不満で「なんもしない人」を自宅に招き、手料理をふるまう。初めて食べる人の新鮮なリアクションが期待できるのと、何のしがらみも無い相手ゆえお世辞抜きの感想が聞けるメリットがあり、これはまぁ理解出来なくもない。

だけど韓国まで整形手術を受けに行くキャバクラ嬢さんが、その前日の準備に「なんもしない人」を付き添わせる光景はあまりにシュールでw「何なんだ、これは?」と言わざるを得ません。(途中から番組の女性ディレクターが彼女と話し込み、なんもしない人は本当に最後まで徹底して何もしないw)

カラオケで長年『となりのトトロ』の主題歌だけを特訓して来たおじさんが「なんもしない人」に聞いてもらい、その成果を問う光景にも笑ってしまいましたw なぜ「なんもしない人」を審査員に選ぶのか?w

他にも、婚姻届けの提出に「なんもしない人」を付き添わせるカップル、結婚式を眺めてもらう人、自分の民事裁判を傍聴させる人などw『探偵!ナイトスクープ』でも受け付けないような依頼が続々と寄せられるんだそうです。

解らない……どう考えても解らないんだけど、今回のスペシャルで山田五郎さんや鈴木おさむさんの解説を聞いて、なんとなく腑に落ちました。

いわく、あれは「人間"いいね!"ボタン」なんだと。家族でも同僚でも友達でもないからこそ言えることがあり、見せられる姿がある。その距離感がまるでSNSじゃないかと。

なるほどこのブログだって、私はまぁ友達には見せるけど家族や同僚には絶対に見られたくない。だけど「なんもしない人」には平気で見せられそうです。

もちろん、なんもしなけりゃ誰でもいいってワケじゃなく、極めて平均的なルックスで普通に家族もいて、無口じゃないけど多くは語らない、適度にユルくて裏表が無さそうな「なんもしない人」だからこそ成立するんだろうと思います。仮に私が同じことをしても「キモい」って言われるだけでしょう。

なんとなく誰かに居てもらいたい、けど干渉はされたくない。ただ話を聞いて「いいね!」ボタンを押して欲しい。そんなインターネット世代ならではの心地よいコミュニケーションがそこにある。……って事なのかも知れません。

ちなみに人気投票第1位は『熊本・阿蘇/10年に1度のバイク撮影会』の回でしたが、これも第3位と同じく私はピンと来ませんでした。

NHKで今年放映されたドキュメンタリーでもう1つ印象深かったのは『クローズアップ現代』で車中泊を続けてる人たちを取材した回。実家に戻らなかった「if」の私がそこにいる気がして、共感したし身につまされました。

私を引きつけるキーワードはやっぱり「孤独」なんですよね。
 
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「だからアクションドラマが必要なんだ」

2019-12-29 00:00:13 | 日記
 
SNSへの書き込みは、車の運転とよく似てるんだそうです。顔も身分も隠して書き込む行為と車内の密室状態が強気を生み、人間の本性が剥き出しになっちゃう。

先日話題にしたようなネット上の集団リンチが絶え間なく続くのは、それが人間の本性だから。イジメも戦争も絶対に無くならない所以です。

私の持論として、そういう暴力欲求を我々はアクション物の映画やドラマを観ることで発散して来たと思うワケです。アクションスターに自己投影し、悪者をバッタバッタと倒すことで欲求を満たし、暴力衝動を抑えてきた。

そんな必要不可欠だった筈のアクション物が衰退して来たのは、格闘ゲームの普及と進化が原因だろうと私は最近まで思ってました。けど、それよりもインターネットが登場したことの方がよっぽど影響してるんじゃないかと今は思ってます。

ネット上で行われてるリンチは、バーチャルじゃない。実在する生身の人間を罵詈雑言で傷つける、極めてリアルな暴力です。やってる側が正義のヒーローになった「つもり」でいる点では同じでも、やられる側がこの世に実在する人っていう違いはでかい。そこに快感があるのだとしたら、所詮はバーチャルでしかない映画やゲームが太刀打ち出来る筈がありません。

顔も名前も明かさず、安全な場所から好きなだけ暴力が振るえるんだから、ストレスを溜めた日陰者たちが嬉々としてハマるのも当然かも知れません。

韓国映画における暴力描写のリアルさ、陰湿さは過剰としか思えないんだけど、その国でネット上の誹謗中傷による自殺者が後を絶たないという事実が、両者が本質的に同じであることを物語ってます。

私の持論(アクション物を観れば暴力欲求を発散できる)からすれば、映画でそれだけ暴力が描かれてるなら韓国民はスッキリしてる筈じゃないの?って話になっちゃうんだけど、多分あの人たちはあの程度じゃ満足できないんでしょう。

いや、日本人もネットを使ったリアルな暴力に味をしめたからこそ、すっかりアクション物が創られなくなってるワケです。決して対岸の火事じゃありません。破滅です。
 
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『こちら本池上署』4―#04

2019-12-28 00:00:21 | 刑事ドラマ2000年~









 
こちらはシーズン4の第4話(脚本=櫻井武晴、演出=松原信吾)。いちおう七曲署OBのお一人である、金子賢さん(復活版の最終作『太陽にほえろ!2001』にご出演)が主役なのでレビューすることにしました。

なお、このシーズンより交通課婦警の高杉(佐藤藍子)、刑事一課刑事の千葉(阿部 薫)、生活安全課刑事の滝沢(成松慶彦)といったメンバーが本池上署に新加入。前シーズンから江口のりこさんも「丸山食堂」の店員としてレギュラー入りされてます。

刑事一課の若手刑事=水木(金子 賢)は、かつて自分が逮捕して少年院送りになり、現在は保護監察下にある青年=内海(宮崎 将)が自動車整備工場で働き始めたと知って様子を見に行きます。

社長(せんだみつお)や先輩工員にも可愛がられ、楽しくやってそうな内海を見て安心したのも束の間、署に戻ったら彼が保護司との面談を最近サボってると聞かされ、水木は悪い予感を覚えます。

そんな折り、事務所を荒らして金品を盗む連続窃盗事件が発生。犯人は100kg近くある金庫を一人で運び出しており、どうやら特殊な運搬器具を使ってるらしい。

で、荒らされた事務所の表に設置された防犯カメラを水木がチェックしたら、事件直前に内海がウロウロしてる姿が写ってるから驚いた! そう言えば彼が勤め先の工場で操作してるエンジンクレーンを使えば、150kg位の物でも1人で運べてしまう!

さらに、内海がかつての不良仲間たちと最近またツルみ始めてるとの情報もあり、水木以外の刑事たちは彼に疑惑の眼を向けます。

「よくある話だねぇ。昔の仲間が悪の道に誘い込もうとする……自分達だけが取り残されるようで嫉妬すんのかねえ?」

冷めた口調でそう言う青柳副署長(橋爪 功)に、不良上がりの水木が反論します。

「冷たいからですよ、世間が。更正しようとしてる人間に。だから悪い仲間が誘えば温かく感じてしまうんです」

水木と同じように胸を痛めてる人がもう1人いました。年配の保護司=向井先生(草村礼子)です。親身になって世話を焼く彼女には、内海もなついてた筈なのに……

「保護司って、裏切られてばかり……」

裏切られても裏切られても手を差しのべる……警察官と保護司は似た職業なのかも知れません。だけど水木はきっぱりと言います。

「自分は、裏切られたと思ってません。俺は、内海を信じてますから」

「……内海くんは幸せね。あなたみたいな人がいて」

「でも、俺には先生みたいな人生経験がありませんから」

「人生経験ねえ……人生経験じゃパソコンや携帯メールは使えないわよ? 流行りの音楽や若者言葉も解んない。今の保護司はね、私みたいな年寄りばっかり……本当はあなたみたいに若くないと」

だけど保護司の仕事は時間を取られてハードな割りに無報酬。そこに今の少年法の限界があると向井先生は言います。

「でも、先生は辞めませんよね。どうしてですか?」

「……気がつくと考えてるのよね、子供のことを。なにか、してあげられないかしらって」

どうやら向井先生は、若くして(ちょうど内海と同じくらいの年齢で)亡くなった息子の面影を内海に見ているようです。

そんな向井先生や水木の想いも知らず、警察に疑われた内海はますますグレ始め、仕事をサボって不良仲間と遊び呆けるのでした。

そこで立ち上がったのが我らミスター綺麗事、満点さわやか笑顔の椎名署長(高嶋政伸)です。自ら不良の溜まり場へと足を運び、仲間である筈の彼らが面白半分に「事務所荒しを手伝うよう内海に頼まれた」と嘘の証言をした事実を内海に伝えるのでした。

悪びれもせず「俺たちとポリ公、どっち信じんだよ」と内海に迫る不良たちに、椎名署長は穏やかに言います。

「信じる? いい言葉ですね。でも、信じるって何でしょうか?」

あまりに綺麗事すぎて意味が解らない不良たちに、一緒にいた刑事二課の堂上係長(水野真紀)が代弁します。

「相手のために何かしてあげたい……それが信じるって事じゃないかしら。あなた、彼のために何をしたの? あなたたち、自分たちの事ばっかりじゃない!」

美人刑事にピシャリと言われて立つ瀬を無くした不良たちは、内海を残してその場を立ち去ります。

「分かったでしょ? あの子たち、友達なんかじゃない」

「知ってるよ。だけどこれで俺は、また独りぼっちだ」

そこで椎名署長のさわやか綺麗事砲が炸裂します。

「本当にそうでしょうか? これまであなたのことを信じ、見守ってきた人が誰もいなかったのか、もう一度キミの近くを見て下さい」

「…………」

内海が家に帰ると、彼をずっと待ってた水木に、息子の無実を懸命に訴える母(山口美也子)の姿がありました。

警察に疑われてからずっと水木を無視してきた内海が、ようやく心を開き始めます。

「やってねえよ、事務所荒しなんか」

水木は最初から一貫して内海を信じてるんだけど、向井先生との面談をサボるようになった理由だけが解らない。それを問われて内海が返したのは、面倒臭かったという実にアホな答えでした。

「どうせ世間体を気にして、俺のこと心配してるってポーズ取ってるだけだろ?」

その言葉に、水木はカチンと来ます。

「心配してるポーズ? 俺のこともそう思うか? お母さんはどうだ?」

「…………」

「お前、保護司の人がどんな仕事してるか知ってるか? 」

「知ってるよ」

「言ってみろ」

「……俺たちみたいなのを月に何度か面談して、その報告書を保護監察署に提出するだけだろ?」

「だけ? お前、向井先生の家でメシ食ったことは?」

「……あるけど」

「お前が工場で働く時、保証人になったのは誰だ?」

「……向井先生」

「世間体を気にする人が近所の眼も気にしないでネンショ(少年院)出のお前を家に呼んでメシを食わすのか?」

「…………」

「お前がもし勝手に工場辞めたら、向井先生の世間体とやらが傷つかないと思うか? 1円も貰ってないのにお前と向き合ってる……お前の昔の仲間に、そんな事してくれるヤツが1人でもいるのか?」

「…………」

「向井先生やお母さんや……俺だけじゃ不足なのかよっ!?」

「…………」

「もう少し、周りのことも考えろ」

甘ったれなだけで根は腐った人間じゃない内海のハートに、どうやら水木の熱い説教は響いたようです。

そんな二人の姿を、椎名署長と篠田主任(佐藤B作)が離れた場所から覗き見してました。なにやら感慨に浸ってる篠田に、署長が言います。

「行かないんですか、篠さん。彼らに知らせてあげなくていいんですか」

篠田は事務所荒しの真犯人が判明し、無事に逮捕したことを報告しに来たのでした。

「参りました……水木が、あんなに成長してたなんて」

「誰かを守ってあげたいと思うと、人は成長するのかも知れません」

最初は内海を疑ってた篠田たちも、あくまで彼の無実を信じ抜く水木に感化されて発奮し、見事なチームワークで真実を掴んだワケです。

人を信じようとする心、若手刑事の成長、チームワーク、そして前科者の社会復帰や保護観察の難しさなど社会問題にも切り込む生真面目さ。このシリーズにはやはり『太陽にほえろ!』のスピリット、七曲署捜査一係のDNAを色濃く感じます。

何の主張もメッセージもなく真犯人&裏切り者当てゲームに終始する昨今の刑事ドラマを見るにつけ、テレビ番組は大事なものをどこかで見失ったんだなとつくづく思います。そりゃ高嶋政伸さんも綺麗事を言える場所が無くて怪獣化しちゃうワケですw

いやホントに、こういう真摯なドラマが無くなってきた事と、高嶋さんがさわやか笑顔を捨てて怪獣化への道を進まれた事は、あながち無関係でもないかも知れません。ゴジラだって水爆実験から生まれたワケだし、怪獣をつくり出すのはいつだって我々人類の愚行なのです。我々が変わらなければ高嶋さんを人間に戻すことは出来ません。

ところで、内海を演じたゲストの宮崎将くん。誰かに似てるなぁ、あえて言えば窪田正孝くんかな?とか思いながらプロフィールを調べたら、宮崎あおいさんの実兄でしたw 成程あおいさんに似てるんだけど、窪田くんは全然あおいさんに似てない。不思議なもんです。全くどーでもええ話ですw

そしてセクシーショットは椎名署長の愛娘=由美役で全シーズンにレギュラー出演された、加護亜依さん。「モーニング娘。」でトップクラスの人気を誇ったアイドルだけど、この数年後に喫煙現場をフライデーされて以降はスキャンダルばかりで残念なことです。

だけど生真面目な父親をおちょくる由美のヤンチャぶりが実にリアルで楽しくて、その楽しさは演じる加護さんご自身がヤンチャだからこそ成立してるのかも知れません。

そういうヤンチャな俳優さんをテレビからどんどん排除してることも、連ドラをつまらなくした原因の1つなんだろうと思います。
 
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『こちら本池上署』2―#11

2019-12-27 00:00:21 | 刑事ドラマ2000年~









 
ようやく「刑事ドラマHISTORY」から一旦解放されたのも束の間、前回記事に高嶋政伸さんが登場されたこの機会に、HISTORYから洩れた本作もフォローしておく事にしました。

2002年夏に第1シーズン全11話が放映され、さらに2003年春に第2シーズン全15話、2004年冬に第3シーズン全11話、2004年秋に第4シーズン全11話、2005年夏に第5シーズン全14話が、TBS系列の月曜夜8時「ナショナル劇場(後のパナソニックドラマシアター、月曜ミステリーシアター)」枠で放映された、TBS&テレパック制作による人情系の警察ドラマ。

たかもちげん作&やぶうちゆうき画による人気コミック『警察署長』を原案とした作品で、今回レビューするのは第2シリーズの第11話、2003年6月23日に放映されたエピソード(脚本=櫻井武晴、演出=大久保智己)です。

主人公は東大法学部卒のキャリアで東京・本池上警察署の署長を務める警視正=椎名啓介(高嶋政伸)なんだけど、なにしろ署長という立場なもんで現場に出向く機会は少なく、刑事課や生活安全課、交通課などの捜査を陰でバックアップし、署員たちの成長を見守る人格者として設定されており、現在の怪獣みたいな高嶋政伸さんと同一人物とはとても思えませんw(1枚目の画像と前回記事5枚目の画像を比べてみて下さいw)

で、今回は刑事二課の若手刑事=相馬(池内万作)が「警視総監賞」目当てに手柄を焦る姿を見た椎名署長が、あえて点数を稼ぎにくい交通課の応援に彼を回します。

相馬が人一倍出世を望むのは、警察がふだん町の人々から疎まれがちで、捜査になかなか協力してもらえない現状を憂い、その原因が「警察の権威がすっかり地に堕ちたから」と考えるから。自分が出世してそれを取り戻したいってワケです。

そんな彼の本音を捜査二課の係長=堂上警部補(水野真紀)から聞かされた椎名署長は、微笑みを浮かべながらこう言います。

「市民から尊敬されるのに、権威が必要なんでしょうか?」

権威に取り憑かれたモンスターみたいな役ばかり演じてる、現在の高嶋さんしか知らない若い人は信じられないでしょうけど、当時は高嶋政伸と言えば「ミスター綺麗事」と呼びたくなるくらい綺麗事しか言わないキャラが鉄板で、しかもそれがよくハマってました。

「今の警察は、権威を守ろうとするあまり、もっと大切なものを見失ってるのかも知れません」

その純白すぎるマインドを、高嶋さんは一体どこで見失ったんでしょう?w

一方、署の検挙率アップに余念がない副署長の青柳警視(橋爪 功)は、「売り売りて 手垢きたなきドイツ語の 辞書のみ残る夏の末かな」という石川啄木の格言(生活に困って本を売り歩いても、勉強したさに辞書は手放したくないという意味)を引用し、相馬の健闘を称えます。

だけど相馬本人は、たとえ検挙しても大した手柄にならない轢き逃げ事件を担当させられ、モチベーションを失いかけてるのでした。

そんな相馬に、轢き逃げ被害者の妹(紺野あさ美)が取って置きの手がかりをこっそり教えてくれます。

その場にベテランの篠田主任(佐藤B作)や本庁のキャリアたちもいたのに、なぜ一番ぺ―ぺ―の俺に?と疑問をぶつける相馬に、彼女はさらりとこう答えます。

「そんなの私たちに関係ないですよ、いちいち刑事さんの肩書きとか考えないし」

「だけど最初に会った時、署長の名前出したらキミたち、すぐに協力してくれて……」

そう、相馬が本気で出世を目指すようになったのは、椎名署長が「署長」であるがゆえに町の人々から尊敬されてる、と思い込んだからなのでした。

「あの署長さんは毎朝ここらへんをジョギングしてて、その度に私にも声かけてくれて、顔馴染みですから」

「顔馴染み?」

「相馬さんだってそうですよ。たくさんの刑事さんが病院に来たけど、お花持って来てくれたのは相馬さんだけだったよ」

実はその花束も、自分は捜査に行くのであって見舞いに行くワケじゃないと言って渋る相馬に、椎名署長が無理やり持たせたものでした。さすがミスター綺麗事!

市民の協力を得るのに必要なのは権威じゃない、信頼なんだ!と気づいた相馬は、それで得た手がかりから見事に轢き逃げ犯を割り出し、逮捕します。そしたら、そいつが捜査二課で追ってた連続車上荒し犯と同一人物だったことが判って大手柄! 実はそれを密かに予想した上で、相馬を交通課の応援に回した椎名署長が綺麗事すぎますw

かくして相馬刑事は念願の「警視総監賞」を貰えることになったんだけど、彼は「それ、自分が貰わなきゃダメですか?」なんて綺麗事を言い出し、捜査に協力してくれた被害者姉妹に賞を譲ることを志願するのでした。

「やっと分かったんです。市民の協力が無ければ、警察は何も出来ないって。だからこそ俺たち警察官は、市民に信頼される必要があったんだって」

確かにその通りなんだけど、彼は椎名署長がやがてミスター綺麗事を卒業し、怪獣化してしまう未来をまだ知りませんw

これは私がふだん敬遠しがちな人情系のドラマだけど、理想の上司像や若手刑事の成長をてらうことなく誠実に描いた内容には『太陽にほえろ!』と通じるものが感じられ、観てて心地好いです。

演技が上手いのか下手なのかよく分かんない当時若手の池内万作さんを、芸達者な先輩たち、特に今回バディを務めた佐藤B作さんが味わい深い演技で見事にカバーされてる構図も『太陽~』を彷彿させ、私はグッと来ました。

セクシーショットは、相馬刑事に想いを寄せるがゆえ、今回は大いに気を揉まされる刑事一課の婦警=新藤敦子に扮した、知念里奈さん。沖縄出身の人気歌手で、この時期から女優業に力を注がれ、舞台を中心に現在も活躍されてます。

ほか、刑事課と生活安全課の課長を兼任する前島警視にベンガル、刑事一課の関川主任に田口浩正、一課の若手刑事=水木に金子 賢、生活安全課の堀内係長にもたいまさこ、少年係の中井婦警に野波麻帆、本部長の小山田警視正に西岡徳馬、そして椎名署長の義母=敏江に星由里子、長女の由美に加護亜依、といったレギュラーキャスト陣。

今回のゲスト=紺野あさ美さんは加護亜依さんと「モーニング娘。」繋がりで、他にも中澤裕子さん、高橋愛さんらハロー!プロジェクトのメンバーがセミレギュラーやゲストでシリーズに参加されてます。
 
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