ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『あさひが丘の大統領』#07

2020-08-31 18:18:11 | 探偵・青春・アクションドラマ









 
☆第7話『落ちこぼれ生徒の灼熱の恋!』

(1979.11.28.OA/脚本=大原豊/監督=土屋統吾郎)

全国の落ちこぼれ高校生を寄せ集めたあさひが丘学園の中でも、さらに落ちこぼれの寄せ集めと云われるラグビー部の内田(小野沢 淳)が、女子テニス部の中じゃ優等生の横田(久我直子)に恋をします。

ある夜、散歩に出かけた内田はジョギング中の横田とたまたま出くわし、一緒に走ったりして良い雰囲気になるんだけど、意気地がないもんだから告白できません。

それでも横田と仲良くなれただけで充分嬉しい内田なんだけど、そんな二人の様子を目撃した生徒から噂が流れ、巡り巡って内田と横田以外の全員が「二人はつき合ってる!」と思い込んじゃう。

特に女子テニス部の仲間たちは、 横田が自分たちに黙って内田とつき合ってることが気に食わず(誤解なんだけど)、横田との関係がギクシャクしちゃうのでした。

二人の噂は職員室にも駆け巡り、竹内教頭(高城淳一)は問題にしようとするんだけど、生徒の自由意志を尊重したい涼子先生(片平なぎさ)がブレーキをかけ、とりあえず静観してやって欲しいと、特にトラブルメーカーのハンソク先生(宮内 淳)には念入りに釘を刺すのでした。

けど、それは言わない方が良かった。何でも反対されるとやりたくなっちゃう幼児思考のハンソクは、横田をつかまえて「内田とはうまくいってるのか?」「もうチョメチョメしたのか?」とノンデリカシーな質問を連発。

そこで初めて内田との仲が噂になってることを知った横田はハイパー激怒! みんなが見てる前で内田の頬をひっぱたき、男が女に言われて最も傷つく台詞を浴びせてしまうのでした。

「誰がアンタなんかと! 冗談じゃないわよ! 誰がアンタなんかと!!」

内田が可哀想すぎて、私は泣いちゃいましたw 男っていうのは、女性に「この人となら有りかも?」って思われてナンボの生きものです。「絶対なし」って言われちゃうことは、存在そのものを否定されたも同然で、これ以上にツラいことはありません。

だからこそ、それが怖いからこそ内田は告白できなかった。いつか、自信が持てるようになるまで胸に秘めておきたかった。なのにまた、あのハンソク野郎がですよ!w(まあ、ハンソクが言わなくても横田の耳には入ったでしょうけど)

あまりのショックで内田は学校に来られなくなり、彼に同情するクラスメイトたちから誹謗中傷を受けて、横田も教室を飛び出しちゃう。

涼子先生の励ましも今回ばかりは逆効果で、テニス部顧問の小寺先生(谷 隼人)もどうすりゃいいのか分からない。

そうして誰もがサジを投げる中、たったひとり動き出したのはやっぱりハンソク野郎でしたw 彼が例によって何の勝算もなく取った行動は、嫌がる内田を無理やり横田に会わせるという、いつも通りの当たって砕けろ戦法。バカじゃないと出来ないことですw

果たして、自分のプライドをズタズタに引き裂いた横田に対して、内田はどうしたか? 何を言ったか?

「許して下さい! キミを苦しめるつもりなんて全然なかったんです! 許して下さいっ!!」

彼の取った行動は、意外にも土下座して謝るという潔いもの。これにはハンソク先生も驚きました。

「やめて、内田くん! 私が悪かったの! 私こそごめんなさい!」

雨降って地固まる? ハンソクのアホな言動により起こったトラブルも、ハンソクのアホな作戦により「結果的に」丸く収まりました。自分がやらかしたことは自分で始末するしか無いんだって、前回のエピソードで言ったことを彼は「結果的に」実践して見せたワケです。

「今回は私の負けです」

さすがの涼子先生も今回だけシャッポを脱ぎました。……けど、ホントにそれで良かったんでしょうか?w まさに「結果オーライ」としか言いようがありません。だいたい、ここまで教師が立ち入るべき問題じゃないですよねw

でも、教訓はありました。そもそも内田がさっさと横田に告白してさえいれば、横田も内田自身もあそこまで傷つかずに済んだんですよね。

私自身、女の子を好きになっても告白できず、ウジウジしてる間に嫌われちゃった(泣)っていう痛い経験が何度かあります。とにかく当たって砕けろよ!って、あの頃の自分に言ってやりたいです。

今回のテーマは、シンプルにそういう事だろうと思います。これを読んで下さってる皆さんに今さらそんな教訓は不要でしょうけど、お子さんやお孫さんに伝えてやって下さいw

セクシーショットは横田千晶役の久我直子さん、当時19歳。前年にタレント&歌手デビューされたばかりで、翌年以降はモデル業に専念されており、女優としての活動はごく短く『あさひが丘の大統領』は唯一のレギュラー出演作。セミヌードのグラビアも1回限りで貴重な代物です。
 

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『あさひが丘の大統領』#06

2020-08-30 19:55:32 | 探偵・青春・アクションドラマ










 
☆第6話『保健室のベッドで何があったか?!』

(1979.11.21.OA/脚本=鎌田敏夫/監督=土屋統吾郎)

ある日、あさひが丘学園で事件が起こります。イケメン体育教師で女子テニス部顧問の小寺先生(谷 隼人)が、生徒でテニス部員の白石こずえ(北村優子)と保健室のベッドでキスしてる現場を、よりによって小関先生(樹木希林)に目撃されちゃったのでした。

もちろん小関先生は面白半分で校長(宍戸 錠)と教頭(高城淳一)に報告し、弁明を求められた小寺先生は、体調を崩した白石の様子を見に行ったらいきなりキスされたと主張するのですが……

「ひどい! 先生ひどい! ひどい! 先生が保健室に来て、いきなり私を抱きしめてキスしたのに……そんな風に言うなんてひどい!」

当事者の白石がそう言って泣き崩れたもんだから、小寺先生は何も言えなくなっちゃいます。

いきさつを聞いて「許せない!」と憤慨する涼子先生(片平なぎさ)だけど、その姉であるしのぶ先生(金沢 碧)は「小寺先生がそんな事したって、まだ決まったワケじゃないでしょ?」とクールな反応。

「でもね、小寺先生は白石さんの言うことに何の反論も出来なかったのよ? そのまま認めたのよ?」

信頼してたからこそ怒りが収まらない涼子先生に、しのぶ先生はこう言います。

「反論出来なかったというよりも、反論しなかったのかも知れないわ」

あさひが丘学園は全国各地で問題を起こした生徒たちを集めた高校で、もちろん白石もその1人。彼女の場合は万引き癖がなかなか治らなかった、言わば前科があるワケです。

「生徒の方から先生にキスをしたなんて噂が学校中に広まってごらんなさい。白石さん、また何をするか分からないわ。それを心配して、小寺先生は罪を自分で一身に引き受けてるのかも知れないわ」

それで涼子先生はなるほど!と膝を叩くんだけど、実は小寺先生の本音は違ってました。白石の方からキスして来たのは事実なんだけど、こういうケースで男の側が何を言っても信じてもらえないのは明白で、反論したくても出来なかっただけ。

だからホントは何とか潔白を証明したいと思ってるんだけど、涼子先生に満面の笑顔でこう言われちゃいます。

「私、小寺先生を尊敬してます! 自分がスキャンダルの的になっても、生徒を救おうとなさってるんでしょ? 姉も、小寺先生を信じてるって言ってました!」

「えっ、しのぶ先生が?」

しのぶ先生に惚れちゃってる小寺先生としては、もう後戻り出来ません。

「僕はこれからも頑張ります! 小寺は生徒のために一生懸命頑張ってると、しのぶ先生にお伝え下さい!」

だけど、事情を知ったハンソク先生(宮内 淳)は怒りを露にし、同居人である野口先生(秋野太作)に不満をぶつけます。

「教師だから、自分がいくら傷ついても、生徒のことを思ってじっと耐える? オレはそういうのは嫌なんだよ。教師だからって何もそこまでする事ないだろうが!」

「オレもそう思うけど、自分から先生にキスしたなんて噂が広まったら、確かに白石もどうしていいか分からないだろうしなあ」

「どうしていいか分からなくても、自分でした事だろうが? 自分でした事は自分でケリをつけなきゃならないんだ!」

「生徒っていうのは、そんな立派な動物じゃないんだよ」

「先生だってそんな立派なもんじゃないよ!」

確かにそうだろうけど、教師が自分でそれを言っちゃダメでしょ?って事ばかり、この男は言うんですよねw

それだけならまだしも、白石を見つけたハンソク先生はあろうことか、他の生徒たちが見てる前で彼女を糾弾しちゃう。

「お前、平気なのか? 小寺先生に罪をひっ被せて、それで平気なのか? 嘘をついて、人を陥れて、よく平気でいられるな! オレはそういう人間が許せないんだっ!!」

白石からキスを仕掛けた証拠は何も無いというのに、まったくこの男は…… こうしてハンソク先生の好感度はますます下がり、宮内淳さんの俳優生命も削られていくワケです。

ハンソクのせいで事件のことが学園中に知れ渡り、登校出来なくなった白石は寮にも戻らず行方不明になっちゃう。

しのぶ先生はハンソクの主張にも一理あるとした上で、いつものように冷静な一言を投げかけます。

「でも、生徒っていうのは脆いものなのよ。もし白石こずえが自殺でもしたら、一体どうなさるおつもりですか?」

「えっ…………」

それでさすがのハンソクも責任を感じたのか、涼子先生と一緒に白石の実家を訪ねることに。その道中で涼子先生は、白石が生真面目な父親とギクシャクした関係で、過去の万引きもその反発から起こしたものだとハンソクに説明します。

「それがどうしたんだよ?」

「生徒っていうのはそういうものなんです。家庭や社会の影響をそのまま受けてる。悪い事したからって、ただ叱ればいい、そんな簡単な問題じゃないんです。だから、教師っていう仕事は難しいんです」

「たとえ家庭がどうだろうと社会がどうだろうと、男だろうと女だろうと、自分でした事は自分で始末しなきゃしょうがないんだよ。簡単な事だよ」

やってる事はメチャクチャだけど、ハンソクの主張は決して間違ってない。他の教師たちが色んなことに忖度して口に出せないことを、いつもズバッとストレートに言っちゃう、そこがハンソク先生の魅力と言えば魅力。っていうかそこしか長所が見当たらないw

「あの子にもしもの事があったら、あなた方の責任ですよ? そういう約束でお預けしたんだから!」

「そうですよ、近頃の先生はご自分の事ばかり考えて、少しも生徒の事は見てくれようとしないんですから!」

そんな勝手なことを言う白石の両親にも、ハンソク先生はいっさい忖度しません。

「なに言ってんだよ、あんたら。白石こずえはあんたらの娘だろうが! 自分の娘だろうが! 何でもかんでも学校の責任にするなっ!!」

ハンソクの暴走を慌てて止める涼子先生だけど、こんな男を一緒に連れて来たあんたも悪いw

帰りの道中でもハンソク先生は、普通の教師が言えないことをバンバン言います。

「教師ってのはな、スーパーマンじゃないんだよ。何百人もいる生徒にいちいち責任が持てるか!」

「たとえ持てなくても、たとえ手に余っても、1人1人の生徒に、それぞれに、責任を持てなきゃいけないのよ! それが教師って仕事だし、だからこそやり甲斐があるんでしょ?」

涼子先生がおっしゃることも正論だけど、多くの先生はハンソクに同意したいんじゃないでしょうか? メチャクチャな男だけど、メチャクチャだからこそ言える台詞に真実がある……ような気がします。

それはともかく白石は行方不明のままで、涼子先生、しのぶ先生、野口先生、そして小寺先生や寮生仲間たちが町中を駆け回って懸命に探すのをよそに、ハンソクは「そんな簡単に死んだりするか」と自分だけ寮へ帰ってメシを食い、地に堕ちた好感度をさらに下げて自らを追い込みます。

ところが、ここで寮母の倉橋さん(結城美栄子)と雑談しながら、ハンソクは高校時代のある出来事を思い出すんですよね。好きだった女子に痴漢と間違われた悪友が行方不明になり、さんざん探して見つけたのが学校の屋上だった、つまり彼が死のうとしてたことを。

「つまんない事で、死ぬこと考えたりするんだよな、あの頃は……!!」

そこでハタと気づいたハンソク先生が、自分と違って大変な人気者だったボンボン刑事を彷彿させながら、学園の屋上まで全力疾走します。そう、白石はそこにいたのでした。

「白石、よせっ!!」

間一髪、飛び降りようとする白石を庇うようにして、ハンソクが身代わりに屋上から転落! 幸い、樹木がクッションになってハンソクは足首の骨折だけで済みました。これでいくらか好感度が挽回出来れば軽いもんですw

だけど責任を感じた白石はますます落ち込みます。

「私……どうすればいいんですか? どうすれば……」

そんな彼女に、涼子先生は言います。

「あなたに今出来ることは、学校へ来ることよ」

「…………」

「自分のしたことがどんなに恥ずかしくても、つらくても、胸を張って学校へ来ること」

「…………」

「自分のしたことは、自分で始末をつけるより仕方ないんだって、大西先生言ってたわよ。今のあなたが大西先生に出来ることは、学校へ来ることじゃないかな? 勇気を出して」

それでも踏ん切りがつかない白石を、今度は姉のしのぶ先生が励まします。

「私ね、高校の頃、死にたいくらい恥ずかしい目に遇ったことがあるの」

放送部に所属してたしのぶ先生は、部室でエッチな話をして盛り上がってたら放送スイッチが入ったままで、全校生徒にそれを聞かれてしまい、本気で死にたくなったと語ります。

「どうして私にそんなこと言うんですか?」

「誰にでも青春時代にはつらい事があるの。死にたいぐらいのつらい事が」

だけど大人になった今となっては笑い話だったりする。今回の件もきっとそうだと、しのぶ先生は言いたかったんでしょう。

翌朝、校舎に向かってまっすぐ歩く白石を見て、涼子&しのぶ姉妹は胸を撫で下ろし、小寺先生も久々に笑顔を見せます。だけど誰よりもホッとしたのはハンソク先生かも知れません。

ハンソク先生、小寺先生、野口先生が、丘の上から校舎を眺めながら呟きます。

「教師って仕事は、大変な仕事だよな……」

「ええ」

「そうだ。大変な仕事だ」

「でも、いい仕事だよ」

「ええ」

「うん」

今回の脚本を書かれたのは、第1話以来となる鎌田敏夫さん。たかがキスが学園を揺るがすスキャンダルに発展していく話の組み立て方といい、各キャラクターの活かし方といい、物事の多面的な捉え方といい、さすがは鎌田さん!と言うべき出来映えだったと思います。

なにより、畑嶺明さん(#02、#05の脚本を担当)が致命的なまでに貶めたハンソク先生の好感度を、今回ギリギリのところで挽回させた功績は大きいんじゃないでしょうか?

同じキャラクターでも書く人によって性格が微妙に違って来るもんで、鎌田さんはそのサジ加減を決して見誤らない。対して畑さんはたぶんコメディー志向が強すぎて、笑いを優先するあまりハンソク先生を馬鹿……というよりガキっぽく描きすぎた。それはハッキリ言って失敗だったんじゃないかと私は思います。

今回もハンソクは馬鹿だったけどw、後半の活躍でちゃんと挽回してくれました。畑さんが書かれた第2話もぎりぎりバランスが取れてたけど、前回レビューした第5話はちょっと酷かった。メチャクチャをやらせたらやらせた分だけ、ちゃんとした事もさせないとキャラが崩壊しちゃう。

もしかしたら演じた宮内淳さんにも責任はあるかも知れません。前作『ゆうひが丘の総理大臣』のソーリ=中村雅俊さんも同じくらいバカで破天荒なキャラだったけど、ハンソクみたいに嫌悪感を抱かせることは無かったように思います。そこは役者さんの持ち味だったり、演じ方次第なのかも?

宮内さんは『あさひが丘~』の後、フジテレビの『探偵同盟』でさらに無責任なオチャラケ男を演じ、芸能界からフェードアウトしていく事になっちゃいます。やっぱり俳優さんの生命は、演じるキャラクターと作品次第なんですよね。

 

PS. ちなみに画像で小寺先生の隣で懐中電灯を持っておられるのは『太陽にほえろ!』の吉野巡査ではなく、あさひが丘学園常駐の滑川ガードマン(横谷雄二)。制服姿もキャラクターもほぼ同一人物ですw
 

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「母、退院す。」

2020-08-29 23:05:11 | 日記

 
母が無事に退院しました。

検査の結果、大腸に異状は無く、病院食は普通にペロッと平らげてたそうなので、治療前約1ヶ月間の食欲激減(ほんとに何も食べようとしなかった)は一体何だったんだ?!っていう大きな疑問は残るけど、とりあえずホッとしました。

こうなると疑問の答えとして思い浮かぶのは、精神的なストレス以外ありません。私は飯ぐらいは炊くけど料理は出来ないので、これまで毎日スーパーでお惣菜を買って来て食べてもらっており、するとどうしても同じようなオカズが続いてしまうので、単純に、そして強烈に「飽きてしまった」のかも知れません。

それと、母は幼稚園児並みにボケてしまった父と四六時中一緒に居るため、溜まりに溜まったストレスが体調に表れたということも考えられます。

前者はケア食を取り寄せたりホームヘルパーさんを雇うことで、後者はデイサービスを利用することで解決出来るかも知れず、いずれにせよもう個人の力では追い付かない、いよいよ行政を頼らなきゃいけない時が来たということ。今回の件は「そろそろ動けよ」っていうサインだったのかも?

そんなワケで、これからいよいよ本格的に「介護」生活がスタートします。それが私自身の生活にどんな影響を及ぼして行くのか? ブログの更新も今みたいにゆっくりペースにならざるを得ないのか、あるいは逆に負担が減ってどんどん更新できるのか、やってみないと分かりません。

いずれにせよ執筆意欲は衰えそうにないので、まだまだ続けていく所存です。今後ともよろしくお願いします。
 

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「母、入院す。」

2020-08-27 23:43:12 | 日記

 
このところブログ更新のペースが落ちてるのは、母が体調を崩したからです。

1ヶ月前ぐらい前から極端に食欲が落ち、本人は「別に何ともない」と言うし、病院に行こうと何度言っても「自分で判断するからほっといて」と逆ギレするもんで様子を見てたけど、一向に回復せずみるみる痩せて来たもんで、盆休みが明けたタイミングで無理やり検査に連れて行ったら大腸に何かありそうだと言われ、より精密な検査を受けるために大きい病院へ行き、検査入院となった次第です。

正直、癌を覚悟してたけど今日病院から電話があり、どうやら大腸には異常が無かったようで、とりあえずひと安心。だけど食欲激減の原因は不明のままなので、解決したワケじゃありません。

母は80代、父は90代で、ふたり揃って認知症。面倒みるのは私1人だけという状況で、これまで病院にも行政にも世話にならずに過ごせて来られたのは、本当に奇跡としか言いようがなく、ぎりぎり保って来たバランスがここから一気に崩れていく事を、いま覚悟させられてます。

病院が行政と連携して色々アドバイスしてくれるみたいなので、これからは遠慮なく頼って行こうと思ってます。

そんなこんなで、午前中病院に行って午後から深夜まで仕事、家ではすっかりボケた父の世話もしなくちゃいけないので、ブログ作業は休日しか出来ない今日この頃です。

しかし毎日ペースで更新出来てた今までがホント奇跡で、これが本来の形なんだろうと思います。

そんなワケで更新ペースは落ちて行きそうだけど、執筆意欲を無くしたワケじゃないので、気長に待ちながら今後もご愛読頂ければ幸いです。
 

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『あさひが丘の大統領』#05

2020-08-24 22:00:15 | 探偵・青春・アクションドラマ










 
☆第5話『オレはおまえの親父じゃない!』

(1979.11.14.OA/脚本=畑 嶺明/監督=佐藤重直)

テニス部員で寮生の長尾あき子(藤谷美和子)が、週末に実家に帰って以来、様子がおかしくなります。ふだんは一番の元気印なのになぜか表情が暗く、ひとりで物思いに耽ったり、喧嘩仲間の水野(井上純一)にいきなりラブレターを渡そうとしたり……

挙げ句に、土手で悪気なくぶつかって来た男子生徒を、怒って川に突き落とす暴挙に至り、高岩校長(宍戸 錠)や野口教務主任(秋野太作)から担任としての責任を追求され、小関先生(樹木希林)には「この男が生徒に愛情なんか持つワケない」とまで言われたハンソク先生(宮内 淳)は、売り言葉に買い言葉で「長尾の面倒はボクが見ます!」と宣言、青春ドラマの主人公になった気分で彼女を熱血指導します。

だけど普段の行いが災いし、まったく相手にされないハンソク先生は、仕方なくモテ男の小寺先生(谷 隼人)にアドバイスを求めます。

で、刑事ドラマの取り調べみたいに「アメとムチ」を使い分ける心理作戦を伝授されたハンソク先生が、ここで懐かしのボンボン刑事 in 太陽にほえろ!コスチュームを再現してくれるんですよね!(ハンソク先生の普段着も似たようなもんだけどw)

それでまずは長尾をチヤホヤし、「冗談はモミアゲだけにしてよ」と軽くあしらわれたところで「お前はいつもフザケすぎる!」とアンタにだけは言われたくない説教をかまし、手応えを感じたハンソク刑事……いや先生は、さらに「お前のお父さんが知ったら泣くぞ!」「お父さんを悲しませるようなことはするな!」と、男手1つで育てられた長尾の泣き所を突いて、本格的に怒らせてしまうのでしたw

でも、どうやら効果はあったようで、今度は長尾の方がハンソク先生になついて来る。なのに、こともあろうに彼は「もうやめた。面倒くさくなった」と言って今度は無視を始めちゃう。どうやら他の生徒たちから「エコヒイキだ」とブーイングを浴びてやる気を無くしたみたいです。

もうホント、ただのバカですよねw 最初のうちは笑って観てられるけど、言動があまりに幼稚すぎてだんだん腹が立って来ちゃう。宮内淳さんはボンボン刑事役の4年間で積み上げて来たものを、このハンソク先生役で全部ぶち壊してしまったかも知れません。

それで長尾の奇行はさらにエスカレートし、授業中にマンガを読みながら大声で笑うわ、それで優等生から注意されたら教室を飛び出しちゃうわで、明らかにハンソク先生の眼を引こうとしてるんだけど、アホのハンソクは「あ、そう。好きにしろ」と完全スルー。生徒の方は子供だから仕方ないにしても、先生まで同じレベルじゃどうしょうもありません。

で、こういう時に軌道修正してくれるのが「タックル」こと涼子先生(片平なぎさ)なワケです。長尾が実家に帰ってからおかしくなったことを知った涼子先生は、担任であるハンソクの代わりに長尾の父親(柳生 博)に話を聞きに行くのでした。

で、小さいながらも商事会社の社長を務める多忙な父親が、週末に急な出張が入って娘と会えなかった事実がここで判明します。そう、長尾はずっと楽しみにしてた父親とのデートをドタキャンされ、ホームシックになってたワケです。

私は高校を卒業してから20年以上ひとり暮らしだったけどホームシックになった経験がなく、片親でもなかったので長尾の気持ちは理解出来ないんだけど、そういう小さな出来事がキッカケで情緒不安定になっちゃう、思春期とはそういうもんだろうとは思います。

藤谷美和子さんがまた、そういう芝居がとても上手というか、ハマるんですよね。彼女自身にも「ぷっつん女優」と揶揄されるほど不安定な側面があったようで、制作陣はそこをストーリーに活かしたのかも知れません。

「あの子には淋しさを埋めてあげる人間が必要なんです。私が何とかしてみます!」と熱くなる涼子先生と、「一時期だけそんなことしても解決にはならないんじゃない?」と冷めた態度のハンソク先生。

どっちの言い分も間違ってはないんだろうけど、涼子先生の方が圧倒的に好感度が高いですw というよりハンソク先生の好感度が低すぎる。この差は本当にお二人の俳優人生を左右しちゃったかも知れません。岡田晋吉さんはご自分で育てたスターを自ら潰してしまったのかも?

それはともかく、心から生徒のことを想う涼子先生の熱意も、今の長尾には通じませんでした。ついには盛り場をほっつき歩いてチンピラに絡まれ、警察に保護される事態となり、すぐさま涼子先生が駆けつけるんだけど、ハンソクは相変わらず知らん顔。ここまで来たらもう、敬称略ですw

「来てくれなかったのね、大西先生……」

だけど長尾が泣きながら口にしたのは、涼子先生ではなくハンソクの本名でした。どうやら彼女は、水野やハンソクに「父親」を求めてたようです。

「ふざけんな! なんでオレがお父さんなんだよ。アタマおかしいんじゃないのか?」

校長たちに背中を押され、しぶしぶ長尾を迎えに来たハンソクは、この期に及んでも更に彼女を突き放します。

「なにがお父さんに会えないで淋しいだ! お父さんはお父さんなりに、懸命に働いてるんじゃないか! だったらそれで充分じゃないか!」

泣きながら尚も反抗する長尾に、ハンソクは追い討ちのビンタを浴びせてこう怒鳴ります。

「お前のお陰でこっちは迷惑してんだ! なんだその言いぐさはっ!?」

この瞬間、宮内淳さんは全てのファンを失ったかも知れませんw いやホント、これじゃ完全にヒールです。

「オレ、カッとなってひっぱたいちまったけど……分かんないんだよ」

さすがに反省したのか、時間が経ち、海岸で涼子先生と二人きりになった時、ハンソクは本音をこぼします。

「オレ、学校じゃバカばっかしやってたし、生徒からあんな風にまともに迫られると、どうしていいか分かんなくなっちまうんだ」

いやいや、あんた教師なんだから「分かんない」じゃ済まされないでしょう?

「私だって分かんないわ」

涼子先生、あんたもかいっ!?

「生徒のために何かしてあげたい。学園生活を少しでも充実したものにしてあげたい。そう思ってがむしゃらにやって来たけど……でも結局、ひとりで空回りしてた」

ここで、いつの間にか二人の背後にいた長尾が渾身のツッコミを入れます。

「冗談じゃないわよっ!」

その通り!バンと言ってやれ!と思いきや、その後に続く彼女のセリフは、私の予想とはまったく違った内容でした。

「お父さんが何だって言うのよ! 会えないからって淋しいワケないじゃない! あき子を子供扱いしないでよ! そんなんじゃないわよ……そんなんじゃないわよ!」

そう叫んで長尾は、ハンソクの胸に飛び込んで泣きじゃくります。

「そんなんじゃないわよ! そんなんじゃないわよ!」

「……バカヤロウ」

そう言ってハンソクが笑うと、長尾も満面の笑顔。ここで主題歌『新しい空』のスローバージョンがかかり、すっかり元気を取り戻した長尾の日常が描かれ、ドラマは爽やかに幕を下ろすのでしたw


……これ、リアルタイムで観た時にはサッパリ解らなかったし、大人になってDVDで再鑑賞した時も解らなかったんだけど、今回のレビューにあたってじっくり観直した結果、ようやく創り手の言わんとすることが解った……ような気がします。

つまり非常に単純な話で、長尾はハンソク先生の「お父さんはお父さんなりに、懸命に働いてるんだ!」っていう言葉で眼が覚めたんだと思います。自分のことばっかり考えて、お父さんの立場や気持ちを考えようともしなかったことに気づき、反省した。けど照れ臭いから「淋しいワケないじゃない!」なんて心にもないことを言ったんでしょう。

ハンソク先生は分からないなりにも、一番長尾に伝えるべきことを無意識ながら伝えたワケです。それは完全にマグレ当たりなんだけど、本気で彼女とぶつかり合ったからこそ生まれたマグレ。

正解なんて誰にも分からない。教師だからって生徒の気持ちを100%理解してコントロールするなんて出来っこない。けど、答えは意外と単純かも知れないから、とにかく逃げずにぶつかり合おうよっていう、そんなメッセージが込められてるんじゃないでしょうか?

しかしこれは解りにくいし、結果オーライにせよハンソク先生のイメージがやっぱり悪すぎる!w

無気力な生徒たちを奮起させるために、わざと挑発を続けた第2話のハンソク先生はちょっとだけ格好良かったけど、今回はサジを投げてヤケクソで叫んだ言葉がたまたま相手に響いただけ。そこに思いやりはカケラも見えません。

今回観ながら、ハンソク先生のキャラが裏番組『噂の刑事トミーとマツ』の松山刑事(松崎しげる)とそっくりなことに気づきましたw 当時のトレンドだったんでしょうか?

青春ドラマの主人公、学園ドラマの教師としては新しかったのかも知れないけど、このハンソク先生さえ演じなければ宮内淳さんの俳優人生はもうちょっと違ってたかも?と考えると、ファンだった者としては複雑な気持ちになっちゃいます。余計なお世話なのは重々承知ですが。

けれど『あさひが丘の大統領』はやっぱり面白い。結果はどうあれ内容がチャレンジングだし、キャストが生徒役に至るまで芸達者揃いだからドタバタ場面もちゃんと笑えます。

特に藤谷美和子さん(当時16歳)の輝き方はハンパじゃないし、演技も抜群に上手い。プッツン的な要素さえなければもっと活躍して大女優になられたかも知れません。

そんな藤谷さん、刑事ドラマとはあまり縁が無かったかと思いきや、舘ひろし版『太陽にほえろ!』の3作目(押尾学が新人刑事を演じた『七曲署捜査一係'99』)にゲスト出演されてたんですね!(これ、私は観てません)

それと中村雅俊&勝野洋コンビによる角川映画『刑事珍道中』のヒロイン役も忘れられません。鎌田敏夫脚本&斎藤光正監督で、長谷川諭くんも出てたりして妙に日テレ青春ドラマ色の濃い作品でした。これと『海燕ジョーの奇跡』はファン必見です。
 

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