ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『特捜最前線』#013―2

2018-10-08 12:25:30 | 刑事ドラマ'70年代









 
『特捜最前線』の特長……というか、私がこのドラマを好む理由としてもう1つ挙げられるのが、イマイチ無意味なエロ目線ですw

私がよく観てた時期が、たまたまエロ強化期間だったのかも知れないけどw、ミニスカートの婦警さんが登場したら必ずローアングルで撮ったりなど、視聴者サービスと言うよりスタッフの単なる趣味、としか思えないセクシーショットが毎回のように紛れ込んでましたw

この第13話では、津上刑事(荒木しげる)の妹=トモ子(牧 美智子)が石橋蓮司に拉致&監禁されるワケですが、あんなにオッパイを強調するような縛り方、わざわざしなくても良い筈ですよねw

あんな縛り方をされた清楚な女子が、石橋蓮司に引きずり回されボコボコに蹴られちゃう姿に、何やらセクシャルなものを感じてしまうのは私だけじゃないでしょう。

そういう(お色気が売りの)番組じゃない、むしろガチガチにシリアスな番組だからこそ、余計に微エロが際立つワケです。

ところで、石橋蓮司はなぜ、津上の妹を拉致したのか? 冒頭で射殺された犯人は、銀行強盗一味の1人でした。蓮司はマスコミ関係者で、あの銃撃戦で強盗一味が逮捕され、三千万の現金が押収されたことを知っていた。

そう、蓮司は、このニュースで注目された津上に目をつけ、トモ子の生命と引き換えに、警察に保管されてる三千万円を密かに持ち出すよう、個人的に要求して来るのでした。

蓮司が一体どういう人物なのか、マスコミ関係者らしいこと以外、詳細は一切描かれません。犯人像を掘り下げるより、刑事の苦悩と葛藤を徹底的に描くのが『特捜最前線』というドラマ。「事件なんかどうでもいい(描くべきは刑事の成長ドラマ)」って言い切っちゃう『太陽にほえろ!』と、根っこのスピリットは同じなんですよね。だから私は好きなんです。

説明なんか要らない。そこに石橋蓮司がいるだけで充分w あの顔、あの声、あの佇まい、全てが犯罪者そのもの。ただ犯罪者を演じる為にだけ、この世に生まれて来た人なんだからw(誉めてます)

さて、この第13話は大雨の中の銃撃戦&犯人射殺で幕を開け、刑事どうしの激しいぶつかり合いがあり、更に津上刑事の妹がよりによって石橋蓮司に拉致され、身代金を巡る攻防戦に突入するという、まさに息もつかせぬジェットコースター展開。

強盗一味から押収した三千万円の持ち出しを神代課長(二谷英明)は許可するんだけど、実はそれはニセモノで、受け渡しの際に蓮司を逮捕するつもりが裏をかかれて失敗し、まんまと鞄を奪われ取り逃がしちゃう。

で、アジトに戻った蓮司がニヤニヤしながら鞄を開けたら、中身は新聞紙。トモ子はそれで怒り狂った蓮司にリンチされちゃうワケです。

もう猶予はありません。ここでオヤジさんこと船村刑事(大滝秀治)の出番です。共犯者(三谷 昇)から蓮司の居場所を聞き出す為に、取調室で鬼刑事の本性を発揮します。

先の場面で、津上がこんなことを言ってました。

「あなたみたいな優しい人が本当の刑事なんだ。オヤジさんはいつも、犯罪者だって人間として優しく扱ってる。僕には分かるんです」

冒頭で犯人を射殺した桜井刑事(藤岡 弘)や、それを黙認する神代課長みたいな、血も涙もない刑事マシーンにはなりたくない、船村みたいに温かいヒューマンな刑事になりたいってワケです。

そんな津上の目の前で、船村が見せる誰よりも過激で暴力的な刑事マシーンぶりが、とにかく圧巻で笑っちゃいますw

以下、あまりに早口すぎて正確には聞き取れないんだけど、取調室における船村刑事の長台詞です。大滝秀治さんの超ハイテンション演技(あるいは関根勤さんのモノマネw)を想像しながら一気に読んで下さい。

「ようし、壊れる物は全部片付けろ! 俺はな、お前みたいな輩が大嫌いなんだ、俺が優しくしてんのはお前を人並みに扱ってるワケじゃないホントは憎くて憎くてしょうがない、ただなぁお前らみたいな根性の腐った奴らにはマトモに攻めてもダメなくらいなことは分かってるんだ! 俺だって刑事生活30年伊達や酔狂でアタマ禿げ散らかしてるワケじゃない、んん? あんまりナメた真似をするんじゃねぇぞ? どうだ? そうかそっちがその気ならこっちもその気だ、メシも食わさない眠らさないクソもションベンもそこでやれ、ええ? そうしてもらいたいか? えっ、喋るか?喋るか?喋るか? ようし!」

そんなオヤジさんを、傍らで津上が呆気にとられて見てるという構図w

あくまでもシリアスなドラマの中で、あくまでも真剣に演じてるからこそ笑っちゃう。これもまた、『特捜最前線』でしか味わえない面白さじゃないかと思います。

(つづく)
 

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2 コメント

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Unknown (uchuujin34)
2019-09-07 21:06:04
「スッキリしない終わりかた」をする特捜最前線、太陽にほえろファンの私にはよくわかりませんでした。
特別機動捜査隊のほうが良かったと思っていました。大滝秀治さんも、なんてダイコンなんだろうって。
でも、見ているうちに徐々に引き込まれていきました。

橘、紅林、吉野 刑事のキャラクター設定がしっかりしていたし、ファンになりました。(桜井さんは嫌いでしたけど)

で、この「おやじさんのセリフ」… 痛快でしたね~  何度も繰り返し見てました。
「ようし、壊れる物は全部片付けろ! 俺はな、お前みたいな輩が大嫌いなんだ、俺が優しくしてんのはお前を人並みに扱ってるワケじゃないホントは憎くて憎くてしょうがない、ただなぁお前らみたいな根性の腐った奴らにはマトモに攻めてもダメなくらいなことは分かってるんだ! 俺だって刑事生活30年伊達や酔狂でアタマ禿げ散らかしてるワケじゃない、んん? あんまりナメた真似をするんじゃねぇぞ? どうだ? そうかそっちがその気ならこっちもその気だ、メシも食わさない眠らさないクソもションベンもそこでやれ、ええ? そうしてもらいたいか? えっ、喋るか?喋るか?喋るか? ようし!」

ストレスたまったら、この場面見てました。
もう、「おやじさん」の大ファンになっちゃいました。
定年を迎える前日に、「辞めたくないよ~」って泣いてた。ものすごくカッコよかったです。憧れました。

で、自分が定年を迎えた今年…
私の口から出た言葉は・・・ 「辞められないよ~」(まだまだ働かないと食っていけないので、嘱託で続けてます。)でした(笑)。
Unknown (harrison2018)
2019-09-07 23:32:29
大滝さんの演技はほんと、クセになりますよねw 何度も繰り返し観たくなるし、関根勤さんがモノマネしたくなる気持ちもよく解りますw

私も『特捜最前線』は若いころ食わず嫌いしてましたが、いい歳になってからケーブルTVで観てる内にハマって行きました。何百話もありますからイマイチな回も勿論あるんだけど、よく出来た回は号泣させられますよね。一番好きなのは『太陽にほえろ!』だけど、号泣率は『特捜』が一番高いと思います。

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