ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『華麗なる刑事』#03

2018-10-06 10:00:28 | 刑事ドラマ'70年代









 
☆第3話『人質交換』(1977.4.18.OA/脚本=鴨井達比古/監督=松森 健)

高村刑事(草刈正雄)と南郷刑事(田中邦衛)が、少年係の青井婦警(壇ふみ)を誘って入ったレストランで爆破テロが発生。

高村&南郷は現場にバッグを置いて行った男=神山(竜崎 勝)を緊急逮捕するんだけど、徹底して黙秘を続ける神山の身辺を調べたら驚いた! 彼は4年前に死んだ筈の男だったのです。どうやら神山は某国の諜報組織に属するスパイで、爆破は無差別テロじゃなくて何者かを狙う暗殺だった。

組織は神山の息子と青井婦警を拉致し、神山との身柄交換を要求して来るんだけど、政治的な圧力がかかって警察は身動き取れない状態。痺れを切らせた高村&南郷は、クビを覚悟で神山を連れ出し、組織との取引に臨むのでした。

『太陽にほえろ!』(日テレ)が絶頂期だった’77年に、その対抗馬としてフジテレビが放った刑事アクションが『華麗なる刑事』でした。

最後まで正体が明かされないスパイ組織や、ルールを無視して殺人犯を釈放しちゃう主役刑事など、生真面目な『太陽~』じゃなかなか出来ない荒唐無稽さです。

ヒット作をコピーするんじゃなくて、それとは違った内容で勝負をかける創り手の心意気。昨今のテレビ業界じゃすっかり失われた熱気を感じます。草刈正雄&田中邦衛という、ワケの解らない組み合わせがまた素晴らしいですw

前にも書いた通り、両者の個性的すぎる演技を観てるだけで楽しめるし、邦衛さんがあくまで二枚目を演じ、草刈さんが三枚目を意識した芝居をする事で、不思議なバランス感覚が生まれてるように思います。

また、『太陽』の対抗馬として企画されながら『太陽』と同じ国際放映スタジオで製作されてる為、見覚えあるセットや聴き覚えあるブリッジ音楽が満載だったりもします。

さて本作のヒロインは、当時23歳の壇ふみさん。『俺たちの旅』や『連想ゲーム』の解答者などが印象深い女優さんです。

このブログを読んでると、私という人間は綺麗な女性なら見境無く萌えてると思われそうだけど、そりゃ例外だってありますw 失礼ながら壇ふみさんや、その親友である阿川佐知子さんには全く色気を感じませんw

育ちが良くて聡明で気が強くて、要するにスキが無さそうなタイプですよね。当時23歳と言えばフェロモンがほとばしるようなお年頃なのに、以下省略。

だからこそ草刈正雄さんの相手役に選ばれたのかも知れません。まだ色気が無かった頃の多部未華子さんが、ジャニーズのドラマによくキャスティングされたのと同じように。

つまり、女性視聴者の嫉妬や反感を買わないタイプである事が絶対条件だったんじゃないでしょうか? 同じく婦警役でレギュラー出演されてた沢たまきさんや、セミレギュラーの梶 芽衣子さんもしかり。

若手刑事役に甘いルックスの加納 竜さんがキャスティングされてる点から見ても、本作のターゲットは明らかに女性視聴者。草刈さんの相棒が邦衛さんなのも、失礼ながら草刈さんの二枚目ぶりを引き立てる為でしょうw だけどホント、ルックスだけが二枚目の条件じゃないって事を、邦衛さんの熱演が証明してくれてます。

この第3話には、壇さんと同じく『俺たちの旅』で注目された上村香子さんが、神山の妻としてゲスト出演されてます。神山を演じた竜崎 勝さんは刑事ドラマじゃお馴染みの名バイプレーヤーですが、人気アナウンサー・高島 彩さんの実父なんだそうです。
 

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