ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『探偵同盟』1981

2018-11-02 00:00:05 | 探偵・青春・アクションドラマ









 
『あさひが丘の大統領』に続いて宮内淳さんが出演されたのが、1981年初頭にスタートしたこのドラマ。

松田優作主演『探偵物語』(’79~’80年、日本テレビ系) をヒットさせたばかりのセントラルアーツ社が製作し、フジテレビ系列の木曜夜8時枠で全12話が放映された『探偵同盟』です。

早稲田大学に実在したという「探偵クラブ」をモデルに、主に若い世代が巻き込まれたトラブルや犯罪を学生探偵達が解決していくという、最初からコケるのが目に見えてるような企画でしたw

大学生の探偵と聞けば、ただでさえ面白半分に事件を扱ってるようなマイナスイメージを受けるのに、観たら実際に悪フザケ満載の番組内容で、大方の視聴者がソッポを向いちゃったのは当たり前かと思います。

悪フザケの度が過ぎて「何でも有り」になっちゃうと、サスペンスやアクションから緊張感が欠落しちゃいます。緊張感の無い捜査物やアクション物ほどつまんない物はありません。

その「何でも有り」の一線をよく超えちゃうのがセントラルアーツという会社の(私から見れば)悪い癖で、最初は大好きだった『あぶない刑事』もテレビの第2シリーズあたりからオフザケが過ぎてバランスを崩し、私にとっては「寒い」作品になっちゃいました。

優作さんの『探偵物語』の場合は、ハードボイルドタッチで書かれた脚本を現場でコミカルに味付けして行く手法でしたから、まだ楽しめました。私としてはギリギリのラインでしたが……

その辺りは感じ方に個人差がありますから一概には言えないけど、少なくとも『探偵同盟』が低視聴率により1クールで打ち切りになっちゃったのは、間違いなく「フザケ過ぎた」ことが原因だろうと私は思います。

そのせいで未だ商品化される見込みは無く、再放送されたという話も聞いた事がありません。事実上の封印状態です。だけど私は、もう一度観たくて観たくて仕方ありません。

何しろ数少ない宮内淳さんの出演作だし、最高に可愛かった頃の森下愛子さんがヒロインですから。

その時代にスベったドラマだからこそ、今観るとまた違った楽しみ方が出来るかも知れないし、まぁやっぱり笑えないだろうけどw、それでも私は観たくてたまらないのです。

探偵クラブのメンバーは、大学8年生のリーダー「マーロウ」に宮内さん。そして早熟で多感な紅一点「モンロー」に森下さん。このネーミングセンスだけで既に敬遠しちゃう方も多い事でしょうw

ほか、プレイボーイの「ボンド」に塩屋智章、キリストかぶれの「ブラウン」に柿崎佐斗志、ルポライターの「社会人」に本間優二と、正直パッとしない面々w

そして犯罪心理学の助教授にして探偵クラブ顧問「ホームズ」に扮したのが、我らが若大将・加山雄三さん。

当時なぜかテレビ界は加山雄三ブームで、このシーズンは毎週木曜日の夜に、8時からフジで『探偵同盟』、10時からテレ朝で『加山雄三のブラックジャック』と、なんと同じ曜日に2本の主演ドラマが放映されてたという異常事態。

私は漫画『ブラックジャック』の大ファンですから、加山さんのBJにも大いに注目したんだけど、こっちは全然フザケてない超シリアスな作風なのに、『探偵同盟』を軽く凌駕する程の珍品ドラマになってました。

何しろ昼間は爽やかなハンサム実業家の加山さんが、夜になると黒マントを羽織ってニヒルな天才医ブラックジャックに変身する(顔の傷跡や白髪も急に表れる!)という、実にアバンギャルドな設定。カルト作としてマニアックな人気は得たものの、数字的にはやっぱりコケましたw

『探偵同盟』が12回で打ち切られた後は、セントラルアーツとしては珍しい正統派の刑事ドラマ『愛のホットライン』がやっぱり加山さん主演で放映され、コケましたw あの頃、何故そんなに、加山雄三でなければいけなかったのか???

『探偵同盟』には更に樹木希林、佐藤蛾次郎、そして『探偵物語』から引き続いて成田三樹夫、山西道広、竹田かほり、ナンシー・チェニーらがレギュラー出演。

特に成田さんと山西さんは前作と同じ服部警部&松本刑事の役で、毎回パトカーのスピーカーで「ワルキューレの騎行」を大音響で鳴らしながら、指揮棒を振り回して登場するというナンセンスぶり。ここまでとことんバカバカしいと笑えますw

正直なところ『探偵同盟』で私の記憶に残ってるのは、この狂ったように指揮棒を振り回す成田三樹夫さんの姿だけだったりしますw もっと他の場面も思い出したいので、是非ともDVD化して頂きたいです。

なお、宮内淳さんは同じ年の夏に『ここまでは他人』というジェームス三木・脚本によるTBS系の連続ドラマ(水曜夜9時、全9話)にレギュラー出演された後、パッタリとドラマに出なくなっちゃいました。

『ここまでは他人』の主演は漫才コンビの星セント・ルイス、ヒロインは女子プロレスのマッハ文朱という、あまりに異色……と言うよりイロモノ過ぎるラブストーリーでした。

俳優として充分に華々しいフィルモグラフィーではあるんだけど、錚々たる『太陽にほえろ!』卒業生たちのその後に比べると、宮内さんはイマイチ作品に恵まれなかった感が否めません。

だけどテレビに出なくなられたのは恐らく、宮内さんご自身にそれほど芸能界への執着が無かったから……だろうと私は思います。そんなギラギラ感の無さこそが、私が宮内淳という俳優さんに惹かれた最大の理由なのかも知れません。

宮内さんは現在「影絵劇団/かしの樹」主宰者として、また「公益財団法人/地球友の会」代表理事として精力的に活動されており、相変わらずスマートでお元気な姿を『太陽にほえろ!』や『あさひが丘の大統領』のDVD映像特典で見せて下さってます。
 

コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『あさひが丘の大統領』#01―2 | トップ | 『俺たちは天使だ!』1979 »

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (キアヌ)
2018-11-02 19:30:47
オープニングだけ見てチャンネルかえる番組でしたー!(笑)
バージンVS(だったと思います)の曲はめっちゃカッコ良かったです!

探偵と冠をつけながら当時小学生の私に一話序盤で見限られるくらいだから、よほどふざけた内容だったのだろうと思います!(笑)
>キアヌさん (ハリソン君)
2018-11-03 00:21:13
ふざけるのはいいけど、根本に格好良さと熱さが無いとダメなんですよね。『探偵物語』や『俺たちは天使だ!』はそこを外さなかったから支持されたんだって事を、当時は創り手も視聴者も解ってなかったんでしょう。

昭和の日本人が初めて迎える軽薄の時代に、まだみんな慣れてなかったんですよね。
タンクラタンクラファイトでGO! (ブラウン神父の憂鬱)
2020-08-04 01:44:08
探偵同盟は、関西ローカルかも知れませんが、読売テレビ(日テレ系在阪局)で夕方に再放送されていました。それで観た記憶があります。
子どもだったので、割とおもしろいと思ったんですよね。
合言葉の「探クラ探クラファイトでGO!」と、EDテーマ曲ツイストが「イカレテルヒカレテル」が軽快なロックンロールでかっこよかったのが印象的です。

コメントを投稿