北原鈴淳 琴古流尺八教室 in八王子

尺八の音色は心を癒してくれます。

演奏すれば「無」の境地になれ、演奏が終われば満足感、充実感が得られます。

映画「太陽とボレロ」

2022-06-11 20:50:34 | 映画

6月7日、映画「太陽とボレロ」を見た。

それに先立ち、6月4日の「題名のない音楽会」で小林研一郎がラベル作曲「ボレロ」を指揮していたのを聞いた。ゲストは水谷豊と檀れいだった。

「題名のない音楽会」で取り上げたのは、これは司会者の石丸幹二が映画に出演している事もあるだろう。映画の宣伝になっていた。

ラベル作曲「ボレロ」は私の好きな曲である。
これは中学の音楽の鑑賞曲で衝撃を受けた。同じメロディーが何回も繰り返すが、楽器を段々増やし、和声も増やし、転調もする。決して飽きない。段々盛り上がっていつ終わるかと耳を澄ませていると、アッと思ったら最後だった。終わり方がカッコいい。ベートーヴェンと違う斬新さを感じた。

最初から最後まで執拗に継続される同じリズムを小太鼓が刻む。
教科書にリズムが載っていなかったのか、私は気になってノートにリズムを書こうとしていた。だが私はなかなか書けなかった。

それを巡回していた音楽の教師が、挙動不審な?私の所へ来て「書けないだろう」と言って笑って立ち去ってしまった。
別に悔しいとかの思いはしなかったが、そのリズムを知りたかった。この事は忘れられない。

「ボレロ」は人気があり、何年か前に大晦日の恒例「東急ジルベスター」で「ボレロ」をオーケストラが演奏して、ちょうど終わりが午前0時を迎える番組を見た。
ちなみに昨年の大晦日は「エグモント序曲」でピッタリだった。

和楽器でも編曲されて、知人から楽譜をいただいて練習もした。ただ、未だ演奏会では演奏していない。

その編曲だろうか、随分前の話だが鈴慕会新年会にある人がその楽譜を持参して、先代鈴慕先生に見せたところ、先生が尺八で吹き出した。尺八で演奏するのは難しい。

期せずして、邦楽ジャーナル6月号に「ボレロ」が編曲されたのが載っている。
笛、尺八、三味線、箏、十七絃、締め太鼓の編成である。
原曲はハ長調であるが、和楽器で演奏しやすいヘ長調で書いてある。

せっかくだから尺八で練習してみた。最初のメロディーは割と簡単だったが、やはり転調したりすると、尺八では半音のところは困難だ。

ここで本題の映画「太陽とボレロ」に戻る。

ある地方都市のアマチュア交響楽団(弥生交響楽団)が解散する事になった。
主宰者はラストコンサートを計画するが、様々な出来事が起こり、無事開催出来るのか?

脚本・監督・出演(指揮者)を水谷豊が見事にこなした。
映画「太陽とボレロ」では、クラシックの有名な曲が演奏されるので、聞くだけでも素晴らしい。

主宰者を檀れいが演じ、石丸幹二がサックスでソロも聞かせる。森マリアがヴァイオリンを演奏。森はヴァイオリン歴10年だから演奏も上手い。

檀れいが娘役なら、母親役が檀ふみとは、しゃれている。

田中要次がホルン、六平直政がコントラバスを担当。

田中要次らは1年間楽器の練習をしたそうだ。
劇中には「白鳥の湖」「タイスの瞑想曲」ビゼー作曲「ファランドール」ベートーヴェン作曲「交響曲第7番」等がオーケストラで演奏されたので、コンサート会場にいる臨場感もあった。

映画のラストは西本智美率いるプロのイルミナートフィルハーモニーオーケストラと共に「ボレロ」を演奏するが、吹替なしで演奏したそうだ。西本智美の指揮ぶりもカッコいい。私も指揮をやってみたいな。

「ボレロ」は圧巻だった。最後は思わず拍手をした程だった。
音楽は素晴らしい。

考えてみるとこの映画と似た作品を何本か見ていた。
以前、2015年2月に私のブログにアップした映画「マエストロ」は西田敏行が指揮者。
ヴァイオリンでコンサートマスターを松坂桃李が演じた。これを見て松坂桃李は今後売れると思った。

「オケ老人!」は2016年に見た。
年寄りばかりのアマオケで杏が指揮者。笹野高史がコンサートマスター、左とん平がクラリネット、藤田弓子がオーボエ、小松政夫がチェロで出演。芸達者がそろった。
さらに今NHK朝ドラの「ちむどんどん」の主役、黒島結菜(コンサートマスターの孫娘役)も出ていたとは知らなかった。

DVDでは「オーケストラ・リハーサル」をレンタルビデオ店で借りて見た。
1979年のイタリア映画である。


映画「太陽とボレロ」の詳細は公式HPをご覧ください。