エゾ中村のブログ

「藤圭子」から「現代医学の功罪」まで、思いの丈を綴ります。 ・・・ From 北海道 ・・・

帝銀事件『平沢 貞通』

2021-01-28 08:10:50 | 日記
【 帝銀事件の概要 】
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昭和23年1月、東京都豊島区の “帝国銀行”(現・三井住友銀行)閉店直後、東京都防疫班の腕章をした一人の中年男が入って来て「近くの家で集団赤痢が発生した。GHQが銀行を消毒に来る前に、予防薬を飲んでもらいたい」と、行員 16人に “青酸化合物” を飲ませ、内 12人が死亡し 現金が奪われた事件です。
 
当時、GHQの占領下で起きた事件で、“現場検証” や “証拠調べ” など、様々な障害があった様です。 捜査は難航したものの、唯一 疑わしい人物が浮上した。 それが、北海道小樽市の “テンペラ(西洋)画家”『平沢 貞通』でした。 逮捕理由は「事件当時 東京にいた。帝銀で奪われた 16万円と小切手(当時の貨幣価値は 約 100倍)と、ほぼ一致する銀行残高があった」 俗に言う “見込み捜査”・“別件逮捕” でした。 何の証拠も無いまま 裁判が進み、数年後 求刑は 12人の毒殺の罪で  “死刑” でした。
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『平沢 貞通』は、戦後の混乱期に 詐欺の前歴があった様です。 しかし、青酸化合物による大量殺人とは 別の犯罪です。 『平沢』は、現役の西洋画家でした。 東京に赴き 絵画を売ったとしても、何の不思議もありません。 しかし 裁判で『平沢』は、絵画を 誰にいくらでうったか、口を噤んだそうです。 一説には、画家の名を汚す “春画”(エロ画) だった。 日本画の大家「横山 大観」の弟子であった『平沢』は、恩師の名誉を守ったのかも知れません。 そんな経緯があり、裁判で真実を明かす事を 躊躇ったのか?

帝銀事件は『平沢』以外に、怪しい人物は浮上していた様です。 「ある歯科医師」「毒薬を扱った事のある元軍人」それらの捜査は、司法判断で取り止め『平沢』の死刑は、覆される事はありませんでした。 それが 問題です。 “冤罪” と分かりながら、無実の人間を裁いた。 冤罪と言うのは、大量殺人の “真犯人” が、捕まりもせず生活していると言う事です!
 
司法が 死刑判決を下したにも関わらず、以降 歴代の “法務大臣” は全員「平沢は 冤罪だろう」と、死刑執行のサインを拒んでいます。 一体、日本の司法は健全なのでしょうか? 
2013年(平成25年)『平沢』は、獄中で 死亡! 享年 95歳でした。

『帝銀事件』について、小説家「松本 清張」は「日本の黒い霧」・「横溝 正史」は「悪魔が来りて笛を吹く」など、暗に日本の司法を批判しています。 勿論、テレビ や 映画 で『帝銀事件』を、数多く取り上げていますので、興味がある方は大勢いらっしゃると思います。
私は、犯人が “小樽” 在住の画家と言う事で、特に関心を寄せていました。 「怪しいと言う嫌疑で、懲役・死刑を求刑されては堪らない」と!

◎ 西洋画家『広沢 貞通』

冤罪” は、10年ほど前にもありました。 現在、無実を訴えて控訴中の事例も少なくありません。 これからも、無実の人間が有罪と裁かれる可能性は、あると思います。 「裁判員制度」 あれは、裁判官による責任転嫁であり、一般人に “苦痛” や “苦悩” を強いる 呆れた方策です。 裁判に市民の感情が入ると、“冤罪” は益々増えるでしょう!
  
「疑わしきは 罰せず」当たり前の “司法”・信頼できる “裁判” が、日本に 根ずく事を 長い~長い目で 待っています!