十勝の活性化を考える会

     
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三顧の礼

2022-02-20 05:00:00 | 投稿

 先日、吉川英治著「三国志」を読んだ。この本には、“三顧の礼”が書かれていたので見習いたいと思う。

 三顧の礼とは、ご存じのとおり故事成語で、目上の人が格下の者のもとに何度も出向いて礼を尽くし、敬意をもってお願い事をすることをいう。儒教においての礼は、最も重要な道徳観念である。 

 この礼は、感謝という言葉に置き換えても良いと思う。現代人に 欠けているひとつではないだろうか。特に、人間は偉くなったり、立場が上になると謙虚さを忘れて格下の者をアゴで使うようになることが多い。周りを見ていてそのように思う時がよくある。

また、政治家が秘書などを使う時、会社の上司が部下を使う時、親企業が下請企業を使う時などにしばしば見られることである。人を大切にしなかったり感謝のない組織では、信頼や協働関係の構築、発展は望めまい。

 “孫子の兵法”という言葉もある。孫子の兵法とは、中国最古の兵法書である『孫子』に書かれている兵法のことをいう。戦略、戦術を総合的に説き思想性を持つもので、経営学にも応用されている。 

 理念-目標―計画-戦略-戦術-戦闘の上位概念を明確にし、下位から上位へのフィードバックを行ないながら、PDCAサイクルを回すというものである。PDCAとはPlan 計画 Do(実行) Check 評価 Act(改善、行動 )の4段階を繰り返して業務を継続的に改善する方法である。 

コロナ禍にあって組織のバカ力、ここ一番の機動力を発揮してもらいたい。特に、上に立つ者の心得として求められるものである。前職で様々な企業を見てきて思うことは、このバカ力が発揮されていないことが多いように思う。

なぜかといえば、経営者や従業員に礼や感謝、これに伴う連帯、信頼感が足りないからであろう。すなわち、会社のベクトル整っていないのである。

先日、市内にある通信会社に行ってきたが、来店客が見ていないと思って上司が部下に向かって書類を投げ捨てるのである。きっとベクトルが合っていないのだろうが、“壁に耳あり障子に目あり”なので気を付けてもらいたい。

一方で伸びる企業を見てきて思ったことは、この礼や感謝が経営者に備わっていたことである。会社のベクトルを如何にして作っていくか、これが勝負の分かれ目であろう。1日に何度も自分の言行を振り返って、過失のないようにすることが大切で知行合一である。

「十勝の活性化を考える会」会員