但馬のもともとのスタートは3人だった。写真の中で身振り手振りで話しているのはそのうちの一人、文(フミ)さんだ。御年70数才?!のパワフルじいちゃんで非常にユニークなHPをのぞいてもらえばわかる。この但馬を映像で発信する会の副理事長だ。3時間半の中身の濃い講座を終え、熱く語っているところだが、放っておいたら20分でも30分でもしゃべり続けるほど熱い!。隣でカメラの三脚を触っているのが村上さん、2年ほど前まで、この二人と木村さんの3人で同じこの会場で打ち合わせ会議をするのが当たり前のような時期が続いたらしい。最近では毎回10数人が集まり、受講経験者も恐らく約30人ほどになっていろんな可能性がみえてはいたものの、具体的に地域づくりとのつながりをどうすればいいのか代表の木村さんは悩んでいたようだ。
私が今回の講座をやる前に木村さんに要請したことがあった。ちょうど彼女は衛星放送番組制作講座の個人受講者第1号だった。そこで、前からしつこくいっていた本当に伝えたいこと、本音を今回の衛星放送で企画をしてほしいと話していた。昨日その番組の完成品を見せてもらったが、「やっとできた」という感じだった。但馬は山江村に似て皆さんがとても暖かく、仲がいいのでついつい楽しい番組作りが主になるのだが、木村さんには本当にこの活動でやっていきたいことがあった。だが、この雰囲気の中でなかなか本当のことは出せなかった。その伝えたいこと、やっていきたいことは結構真面目な話で、真剣な内容だ。だからこそ、皆さんのお世話をすることも役割の木村さんは遠慮してそのシリアスな番組を出せなかった。 私は、但馬の第2幕はそこから始まると前から指摘していた。代表が自ら本当にやりたいことを出せないと仲間に伝わっていかない。楽しいのはいいけれど、それだけでは代表自身が本当に意義ある活動にしていけない。課題はここだった。そして木村さんは今回自ら衛星放送実戦講座に入り、本音の番組第1号を制作した。今日の午前中は会員の企画会議兼「第2幕入り講座」だった。その場で会員の皆さんに木村さんの本音作品の試写会をした。
約3分の番組試写が終わると、何人かの会員から、「よく伝わった」「よくわかった」「やっとされましたねえ」などの声が出た。皆さんがとてもすっきりした表情をしていた。不思議なもので人はきちっと内面が表現されると、他者(ひと)にも伝播するものだ。恐らく、木村さんのこの時を知らず知らずに待っていたのではないかと思う。気遣いもまた、伝わるものでリーダーが気遣いばかりしていると皆も気遣いをする関係になっていく。一見楽しそうでも、本当のコミュニケーションは成らない。
昨日今日でこのほかにもいっぱい新しい動きが見えてきたが、このあとはまさに地域の人たち、地元の皆さんで詰めていくべきものなので、また次の機会を待ちたい。ただ、非常に充実したこの二日間の但馬の動きは、1本の作品が生まれたことで成った。第1幕は番組はオマケだったが、第2幕からはオマケを美味しくする活動になっていく。但馬地域の活動は今日から大きく新しい方向に向かって進み始めたことは恐らく全員が感じたことだったと思う。
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