
皆さんの素直な気持ちが綴られている。当時、私(岸本)も全部読ませていただいたが本当に葉書にビッシリと感想が書かれているものばかりだった。田原さんに東京の喫茶店でその反響の物凄さを熱く語ったのを思い出した。田原さんの語りを続けます。「・・・こうした熱い声が県民から押し寄せたのは何故でしょうか?山江村が投げた柔らかい直球は、主張ではなく、謙虚に自らを表現したものです。この直球は同じ県に生きる視聴者の心の琴線に触れ、生活の中にある共通の問題意識によってしっかり受け止められ、深い共感として投げ返されました。」
田原さんのこのコメントはまさに住民ディレクターの本質です。「謙虚に自らを表現した」山江村の人々が多くの県民に受け入れられたのです。昨夜も新大阪であったある会合でこの記事を紹介させていただきました。まだ住民ディレクターを始めたばかりの地域では必ず起こる質問、「住民ディレクターをやったら何になるの?」という質問がやはり壁になっているとの役場職員の声に応えました。この本で紹介されているようになるのですが、これが最初はやっている側にもイメージできないので、まして住民に説明を、というと難しいのです。十分承知しています。番組はオマケですが、そのオマケがこの例のようになるという事例は山ほど持っていますが、やはりそれはピンと来ない。この話は数日前に詳しく書いたので省きますが、結果としてまずは山江村のこの実例を見てください。しかも番組を見た人の感想にあるように松本さんの笑顔に魅せられたり、お杉ばあちゃんに会いたい、と思う人や「村のPR以上に素晴らしいこと」をいっぱい感じてもらっているのです。ここが大事です。
この本で取り上げられているのは山江村以外は日本のテレビ局の代表的なディレクターや記者たちの番組です。10年前には考えられないことでした。一線の制作者の列のそのど真ん中に村民制作の番組、しかも「何とも不思議な形式の番組」が並ぶというのは大きな時代の変化です。皆さんが体験者になりつつある時代です。そう、いまや一億総制作者に向かっている時代です。実際おかあさんたちは秋の運動会では一斉にビデオを撮っています。紅葉を見に行った山で家族のビデオが活躍しています。その家庭ビデオの延長線上にこの山江村の番組があるのです。その番組がプロの制作者たちと肩を並べたのです。「地域振興」という切り口でみるとこれまでにない新しく楽しくためになる手法として山江村や多くの地域が証明していっているのです。
しかし、昨夜の会合でも嫌がられてもしつこく言いました。足元の地道な活動がないといずれ砂上の楼閣になってしまう日も近い。本当の理解者を一人一人と確実に広げていく日々の地道な活動がなければ、いくら立派なサイトや番組枠があっても継続できないし、地域のための番組ではなく見せるためだけの番組になってしまします。これは地域振興には逆に大きなマイナスです。だからこそ、地域に根っこを生やしているリーダーが全ての動きを自分の頭と身体でしっかりと感じ取って、舵取りをしていけなければなりません。その人材養成こそがまた住民ディレクター活動なのでやっていく中でしかわからない面倒な話です。ふうーっ・・・とこう書いていても思わずため息が出ます。11年間ひたすらこのことを言い続けてきました。これからもいい続けると思います。誰にも阿(おもね)ることなく、誰からも縛られずに。
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