徒然草・1

『徒然草』第243段（現代語訳・英訳）

私が八歳になった年に、父にこのように尋ねた。

「仏とはどのようなものですか」と。

父は「仏は人がなるのだ」といった。

また尋ねた。「人はどのようにして仏になるのでしょうか」と。

父はまた「仏の教えによってなるのだ」と答えた。

また尋ねた「(その)教えた仏を、誰が教えたのですか」と。

（父は）また答えた。それもまた先の仏の教えによって（仏に）なったのだ」と。

また尋ねた。「その教えをはじめた第一の仏は、どのような仏でしたか」と言った

そのとき父は、「空よりふったのだ、土よりわいたのだ」と言って笑った。

「（私は）問い詰められて、まったく答えられなくなった」と人々に語って面白がっていた。

 

“Essays in Idleness” the 243th paragraph by Kenko Yoshida

When I was eight years old, I asked father like this.

‘What is a Buddha?’

Father answered me.

‘A human turn into a Buddha.’

I asked again.

‘How does turn a human into a Buddha?’

Father responded again.

‘A human turn into a Buddha by Buddha‘s teaching.’

I asked again.

‘Who did teach Buddha?’

Father responded again.

‘Also he turned into Buddha by the previous Buddha.’

I asked again.

‘What sort of the first Buddha who began to teach him?’

At that time, father responded with laughing.

‘It fell from the sky and was gushing from the earth.’ 

Thereafter, my father told to neighbors with joy.

‘I could not answered at all, driven into a corner by my son questioning.’ 

  

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