きっとと思う

近頃、悪い暗いニュースが多い。
数年先、いや、来年の今頃さえもどうなっているか予測できないような
世の中になってる気がする。

でも、いいニュースもちゃんとあるんだよね。

私の友人の弟さんが、今年の春に突然、病に倒れた。
学校に通う子供のいる働き盛りだったのに
死亡率の高い病は彼の体をどんどんと蝕み
休職に入院。転院や転居。
手術しか助かる道がないとか、信じられない金額の薬の投与。
大変な事態へとあれよあれよという間に加速した。

何度か会ったことのある彼はとてもハキハキした気持ちのいい人。
サラリーマンだけど本を出版し、私は読んで感想を伝えたりしていた。

薬投与と移植手術に向けてのドナー待ちの末、
唯一の生きる道、移植手術に。
手術後は、適合するかどうかの過酷な闘病生活。
彼を見守る家族も相当参ってしまっているようだった。

そして、この年末にいい知らせが舞い込んできた。
いろいろなことがあった末、彼は落としかけていた命を拾い上げたのだ。
移植で血液型が変わって、ガリガリに痩せて
まだひとりでは立てないほどに衰弱しているけど
生存率20％と言われた、その20％の仲間入りが決定したのだ。

昨今、いやなニュースばかり目につく。
いいことなんて、これからあるのか、とも思う。気がとおくなる。
でもね、きっとと思う。
きっと、悪いことばかりじゃないって。

血液型も変わって、ルックスも全く変わってしまった彼を見て
彼の奥さんは「新しい彼に恋をしている」と義理の姉にあたる
私の友人に言ったそう。なんだか、本当にステキ。

きっとと思う。