真実は一つしかないけれど……。
自分の思考力が見定めた『本当の事』は……他者の思考(嘘も含む)・理解力が定めたその人の『本当の事』とは恐ろしくかけ離れたものとなる……。
矜持も倫理観も知識も違えば……平気で『嘘』もストーリーに組み込み苦悩を省エネしながら『本当の事』を作り上げるって人間だって数多く……『普通の人』として生きている。
そんなこんなをひっくるめて人各々の『物事を見極める思考の視力』は形成される。
人各々の本当の事には違いが発生する……。
『だからこそ!』群れて共同体として生きるために『基本的な事には共通する風景』ってものを見ましょうね?……ソレが共通認識、『常識と決まり』という『モノだった筈』だけど……。
ソコ……壊れちゃったんだと思う。僕も……。
人を助けるなら『自分の力が及ぶ範囲で!』……ソレが不文律。
僕は……思考力に、理屈と感情を混入させて真実から遠ざかり過ぎた『本当の事』で長い時間を過ごし来た……。
僕は……助かりたい!と願わない人を助けられる!と自分を盲信し恐ろしいエネルギーと難儀をかけた。自分の責任の範疇を越え、人様の善意でやっと工面出来たカネさえも……パチンコに、いとも簡単に費やされた。
最後に窃盗で逮捕された男は……『給料が貰えず生活出来なかった?』と刑事に言った……。
アパートを借りソコに住まわせ、彼の生活全般を切り詰め、最低限生きる為の出費以外を返済に!という僕の描いた風景は彼の心の『本当の事』とは気が遠くなるくらい乖離したモノだった……。
僕の『本当の事』が世間の『不文律』とかけ離れたモノとなっていたくらいに……。
人の数から言えば……彼の話す『本当の事』を面白可笑しく自分の『本当の事』にする人の方が余程多かった。
単純に哀しい思いだった……。
無きゃ困る『共同体の不文律』……。
それを曖昧にし、様々の嫉妬心や興味本位、シャーデンフロイデの材料とし、人各々が人各々の『本当の正義』にして競い会う『曖昧合戦』……勝者は何時も『自分を騙し続ける力がある者』となる社会……。
『自分は関与していない!』……公金出費の最高責任者、二階幹事長の言葉。 ソレが彼の思考の視力から導いた『本当の事』……。
最高責任者が関与してない公金が『勝手に出金された?』のならば『もっと大きな責任問題』となっていたのが……『昔の不文律』なんだけど……。
ソレに照らせば……関与もせず『私物化』させた二階幹事長の責任はなおのこと大きなモノとなる筈なんだけど……。
眠れない夜に……『本当の事』を考えるのは厳禁だ……眠れなくなる。