サンチョパンサの憂鬱

夕刻のサンチョパンサ……俺はまだバカと呼ばれているか?(3)

昔……、変われないのと変わらないのは違う!と何度も書いた記憶がある。
何が違うのか?『自分の意思の有無』だと。

世間に対して日和りたいのにどうしても心身共に強い拒絶感に支配される。結果、眼前の利は逃げて行き、損ばかりを拾って生きる事になる。

俺は?何を演ってるのだろう?
この自分の『意固地』って奴はどうにかならないのか?と何時も自己嫌悪に苛まれていた。

随分時間を経てから気付いた。
意固地なんてのはからきし意気地なく、軽く消し飛んでしまうものなのだと。
自分を媚びることから遠ざけ、損しても苦しい選択を要求してきたのは『矜持でありプライド』だったんだ?……と。

今風に言えば……ブレなかった?なぁ~んてカッコ付けて言えるものだったのだと。

先般、田舎新聞の片隅に自分の取り組みが小さく載った。
何回か断ったのにどうしても!と押し切られた格好だった。

その時、意固地?にならずにこの流れに乗って見ようか?という心境になった。

過去……眼の前でアカラサマな手のひら返ししたり、噂の聞きかじりで妙な上から目線で無礼千万な言葉を投げてきた人達。そんなのが未だに勘違いしてやって来て超的外れな言葉を捨てていく?

そんな連中はメチャクチャ権威に弱い。
この田舎新聞ですら彼等に取っては『権威』なのである。一回我慢して紙面に載れば?彼等は黙るしかなくなるだろう……と。

新聞の片隅に載っても良いことなんて何もないけれど、『邪魔の殆ど』はシャットアウト出来るかもな?と思ったのだった。

結果……完全に邪魔はなくなった。
しかし今度はやたら『旧い友達とやら』が妙に馴れ馴れしい声で連絡してくる様になった。
これはコレでとても鬱陶しいことである。

僕は昔と何一つ変わってない。
田舎新聞がその一端を切り取って紙面に載せただけなのに。

僕は『こんなの』に翻弄され、悩み、落ち込み
『俺は上手く笑えているか?』なぁ~んてストレス一杯に生きて来たんだなぁ?……正体見たり枯れ尾花の思いだった。

何を言われても、何をされてもブレずに生きるには矜持・プライドがいる。

辛うじてブレずに生き続けるとメンタルが浮き草のようにフワフワと漂う様に流され生きてる人間達の『ブレブレ振り』が鮮明に見える様になっていた。

彼等はとっくの昔に『石ころのダイヤモンド』を世間に売り渡し、媚とモミ手すりで生きて来たのだ。

意地悪いしかめっ面の嫌がらせの類も疲れたけれど……薄気味悪い作り笑いで示される『親愛の情』も困りもんである。

長い時間の中で……彼等は『とてもイタイ人種』になっていた。
引き攣った笑いの下に隠し様のない寂しさが見え隠れしている。

お前?俺の前にノコノコ顔を出せる人間か?
コソコソ逃げ出すのなら認めてやっても良いけとね?……と一瞬、『その時』を思い出したけれどその詰まらないチンケな怒りの感情はあっという間に消え去った。

バカと呼ばれ続けた時間の中で何時の間にか出来た『プライド・矜持』のお陰だった。
チンケな怒りはサッと引いていき……お前?もう一度頑張って見ろや?……なぁ~んて身につまされる様な同情心が沸き起こったのは我が心ながら不思議な気がしたのだった。
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