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22/8/12(金) 最近流行っているらしい「帯状疱疹」について

2022-08-13 18:35:25 | 日記
起床 5:30
天気 晴れ夕方から曇りのち雨(起床時の気温 25℃) 日の出 4:58/日の入り 18:34







今日の朝刊































夕方、家族を迎えに行った






◆特集:帯状疱疹について
1.新型コロナワクチン接種と帯状疱疹発症は関連があるかもしれない(JEADV誌の報告)
[2022.05.29]
毎回聴いているニッポン放送の番組“辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!”の中で、帯状疱疹患者数が最近増加していると紹介されていました。

昨年(2021年)の6月のある日、私(院長)は右背部から胸部にかけて痛みを急に自覚しました。痛みのある部位を鏡で見てみると、少数ながら点状の水疱様発疹を見つけました。これは帯状疱疹だと自己診断し、すぐに薬を飲み始め、1週間程度で痛みは消失し、大事には至りませんでした。帯状疱疹の原因となるようなストレスや病気もなく、変わったことと言えば、発症4週間前に新型コロナワクチンの2回目を接種したことでした。

新型コロナウイルスと何でも結びつけてしまうのはいかがなものかとも思うのですが、自分が実際に経験したことなので気になって調べてみました。コロナワクチンと帯状疱疹に関連がないか論文検索をしたところ、少数例の症例報告が散見される中で比較的多数のコホート研究を見つけたので紹介します。(コホート研究は、臨床研究としてのエビデンスレベルは低めです。)

コロナワクチン接種をした110万人と、接種をしていない110万人のうち、60日以内に帯状疱疹を発症した人はそれぞれ2,200人と1,200人でした。つまり、コロナワクチン接種により、帯状疱疹になるリスクが1.8倍になったという計算になります。

気になるのは、帯状疱疹の発症リスクが上がる原因です。まず、一つ注意しないといけないのは、新型コロナワクチンに限らず、インフルエンザワクチンやA型肝炎ワクチンの接種後でも帯状疱疹が発症した例が報告されていることです。帯状疱疹ウイルス(VZV)が再活性化するメカニズムはまだよくわかっていません。ストレスや高齢、免疫抑制剤の使用、化学療法、放射線療法などが帯状疱疹を誘発するのではないかといわれており、これらに共通するのは免疫力の低下です。ワクチンを接種されると、ヒトの体内においてVZVに対する自然免疫または細胞免疫が一時的に低下することにより、VZVが再活性化し帯状疱疹が惹き起こされるという仮説が立てられています。

世界中で同じワクチンが同時期に何億人という単位で接種された経験は歴史上初めてです。ワクチン接種人数が多いと、稀な副反応であっても症例数が多くなり、話題になるくらい目立つようになったということでしょうか。新型コロナワクチンが、他のワクチンよりも帯状疱疹を起こしやすいかどうかは今後さらなる研究が必要です。



100万人以上のCOVID-19ワクチン接種から得られた実臨床エビデンスは、水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化と一致している
Real-world evidence from over one million COVID-19 vaccinations is consistent with reactivation of the varicella-zoster virus
J Eur Acad Dermatol Venereol. 2022 Apr 26;10.1111/jdv.18184.
DOI: 10.1111/jdv.18184

概要
背景
水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化は、ヒトの帯状疱疹の原因となり、ワクチンによるまれな副反応となりうる。最近、COVID-19ワクチン接種後の症例が報告されている。

目的
本研究の目的は、リアルワールドデータに基づいて、COVID-19ワクチン接種後に帯状疱疹の発生頻度の増加が認められるかを大規模コホートで評価することであった。仮説として、COVID-19ワクチンを接種した対象者(コホートⅠ)と未接種者(コホートⅡ)で帯状疱疹の発生率が有意に高くなると仮定した。方法TriNetXデータベースからワクチン接種者1,095,086人と非接種者16,966,018人の初期コホートを検索し、交絡因子バイアスを軽減するために年齢と性別をマッチングさせた。

結果
マッチング後において、各コホートには1,095,086人の患者が含まれた。ワクチン接種群(コホートⅠ)ではCOVID-19ワクチン接種後60日以内に2,204人が帯状疱疹を発症したのに対し、コホートⅡではそれ以外の理由(つまりワクチン接種以外)でクリニックを受診後60日以内に1,223人が帯状疱疹と診断された。帯状疱疹の発症リスクはコホートⅠで0.20%、コホートⅡで0.11%と算出された。この差は統計学的に極めて有意であった(P < 0.0001; log-rank検定)。リスク比とオッズ比はそれぞれ、1.802(95%信頼区間[CI]=1.680;1.932)および1.804(95%CI=1.682;1.934)であった。

結論
仮説と一致して、COVID-19ワクチン接種後、帯状疱疹の高い発生率が統計的に検出された。したがって、帯状疱疹の発症はCOVID-19ワクチンのまれな副作用である可能性がある。VZV再活性化の分子的根拠はまだ不明であるが、VZV特異的な細胞性免疫の一時的な低下が、ワクチン接種後の帯状疱疹の病理にメカニズム的に関与している可能性がある.なお、VZVの再活性化は、感染症や他のワクチンでも確立された現象である(つまり、この有害事象はCOVID-19に特異的なものではない)。
文責:院長 石本 修 (呼吸器専門医)

2.帯状疱疹 https://www.dermatol.or.jp/qa/qa5/q06.html
●帯状疱疹とは何か?
 痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の初感染では水痘(みずぼうそう)になるが、この時に主に皮膚にでた発疹から神経を伝わって所属の後根神経節内にウイルスが潜伏するといわれている。後根神経節内に潜伏感染していたウイルスが何らかの誘因で、再活性化して発症するのが帯状疱疹である。誘因として過労や悪性腫瘍の合併を含めて宿主の免疫機能の低下、手術や放射線照射などがあげられる。ウイルスが再活性化されると神経節内で増殖し、知覚神経を通って表皮に達し、表皮細胞に感染しそこで更に増殖して、赤い丘疹や水疱が神経の走行に沿って帯状に出現する。他のヒトから感染して帯状疱疹になるわけではない。

図 帯状疱疹


●帯状疱疹の症状は?
 片側の神経分布領域に一致して神経痛様疼痛、知覚異常あるいは痒みが数日から1週間続き、やがて虫さされのような浮腫性の紅斑が出現する。この時期に軽度の発熱やリンパ節腫脹、頭痛などの全身症状がみられることもある。間もなく紅斑上に小水疱(みずぶくれ)が多発し、水疱は中央にくぼみがある。内容は初め透明ですが、黄色い膿疱となり、6~8日で破れてびらん(ただれ)または潰瘍になる。皮疹の出現後1週間までは紅斑や水疱が新生し、皮疹部の拡大がみられるが、以後治癒に向い、約2週間でかさぶたとなり、約3週間でかさぶたは脱落して治癒する。

●どのように感染するのか?
 HSVは主に接触感染します。HSV-1は水疱、びらん面などの病変部や唾液などとの接触感染や飛沫感染、またはウイルスに汚染された手指や器具などから感染します。飛沫感染というのは、くしゃみ、せき、会話などの際に飛沫dropletが放出され、すぐ近く(1m以内)にいる人の皮膚や粘膜に直接的に散布されて感染が起こることをいいます。HSV-1は思春期までにほとんどが感染し、抗体を保有するとされていましたが、最近では初感染年齢が高くなり、成人に達してもHSVの抗体保有率は45%程度です。
 HSV-2は主として性行為で感染し、性の乱れや経口避妊薬の使用でコンドームを使用しなくなったことなどから、成人の初感染が増加しています。また、HSV-1に罹患していても、HSV-2に感染しますが、この場合無症状のことが多いです。

図 各年齢における抗単純ヘルペス抗体保有率



●治療はどうしたらよいのか?
 軽症の場合、抗ヘルペス薬(アシクロビル、ビダラビン)の外用を行うが、原則的には、抗ウイルス薬の全身投与が基本である。近年米国のFDAで、市販薬として抗ウイルス薬外用薬の使用に対し、耐性ウイルスの出現を増加させるおそれがあるとして警告を発している。
 初感染や中等症の場合には、抗ヘルペス薬(アシクロビル、バラシクロビル)の内服を行い、重症例や免疫不全者では抗ヘルペス薬(アシクロビル、ビダラビン)の点滴静注を行う。細菌の二次感染を伴うことがあるので抗生物質の全身投与または外用を行うこともある。


●再発はどのようにして起こるか?
 HSVは初感染後に知覚神経節の神経細胞核中に遺伝子の形で潜伏し、発熱、紫外線、性交、歯科治療などの刺激やストレスや悪性腫瘍合併を含めた細胞性免疫の低下などで潜伏ウイルスが増殖してHSV-1は主に上半身に、HSV-2は下半身に発症する。一般にHSV-2の方がHSV-1よりも再発頻度が高いが、同じHSV-2に感染していても月に数回再発する人と数年に1回しか再発しない人がいる。潜伏しているウイルス量によるとされているが、その他に免疫能力やウイルスの株の差によるとの考えもある。ヘルペスの症状がみられずにウイルスのみを性器に排泄(無症候性ウイルス排泄)することが、初感染後1年以内で多くみられる。

図 単純ヘルペスウイルス型別再発頻度
HSV-1
女性 n=101  2.1回/年
男性 n=70  2.2回/年
平均 2.14回/年

HSV-2
女性 n=62  7.2回/年
男性 n=45  12.3回/年
平均 9.34回/年