イギリスで流行している新型コロナの変異ウイルスがさらに変異し、ワクチンの有効性に影響を与える可能性が懸念されています。
イギリスで去年秋に発見され現在流行している変異ウイルスの中に、新たな変異をしたものが見つかりました。「E484K」と呼ばれる変異が認められ、これは、ワクチンの有効性が減少する可能性が指摘されている、南アフリカやブラジルでそれぞれ見つかった変異ウイルスと同様のものだということです。このため、専門家は、この新たな変異についてもワクチンの有効性に影響する可能性が懸念されるとしています。
こうしたなか、オックスフォード大学は、アストラゼネカと共同開発したワクチンについて、他人への感染を67%減らす可能性があるとの暫定的な分析結果を公表しました。また、1回目の接種後、免疫反応が確立される22日目から少なくとも90日目までの間は76%の有効性が保たれることもわかったということです。
2021年1月24日5:00 読売新聞
【ロンドン=広瀬誠、ジュネーブ=杉野謙太郎】英国のジョンソン首相は22日の記者会見で、英国で流行している新型コロナウイルスの変異株について、従来型より死亡率が高い可能性があると発表した。英政府は感染力は従来型より強いと分析しており、懸念が強まりそうだ。
会見に同席したパトリック・バランス首席科学顧問によると、60歳代男性の感染者1000人あたりの死者数は、従来型の約10人に対し、変異株は13~14人と推計されるという。別の年代でも変異株の死亡リスクが高まる傾向があったという。ただ、現時点でデータには不確かな点もあり、バランス氏は、さらなる分析が必要だとの見解を示した。
英国では昨年12月頃から変異株が流行し、最近は1日あたりの死者数が1000人を超える。22日時点の入院患者は約3万8500人で春の流行ピーク時より8割多く、医療現場は逼迫している。英中部の病院では年末年始から患者が急増し、整形外科や眼科の医師や看護師が応援に入るなど総力戦の状態という。
世界保健機関(WHO)の感染症専門家、マリア・ファンケルクホーフェ氏は22日の記者会見で、英政府の情報は確認中だとした上で、「医療機関が過大な負担を抱えている場合に対応しきれず、死者が増えることはあり得る」と指摘した。
詳しい調査が必要
北里大の中山哲夫特任教授(臨床ウイルス学)は、「死者の多くは高齢者だが、高齢者はもともと持っている病気で死亡率が変わる。感染者1000人あたりの死者が10人から13~14人に増えた程度なら、病原性が強まったと判断するのは早い。変異株にもタイプの違いがあり、詳しい調査で死亡率などを分析する必要がある」と話している。
2021年1月23日10:05 読売新聞
英の変異株、従来型より死亡率高い可能性…1000人中13~14人に増加
【ロンドン=広瀬誠】英国のジョンソン首相は22日の記者会見で、英国で流行している新型コロナウイルスの変異種について、従来型より死亡率が高い可能性があると発表した。
記者会見に出席したパトリック・バランス首席科学顧問によると、例えば60歳代男性の場合、従来型の感染者1000人中のうち約10人が死亡すると予測されたものが、変異株の場合、13~14人に増加すると推計される。別の年代でも変異株の死亡リスクが高まる傾向が出た。ただし、現時点でデータの証拠は強くないため、さらなる分析が必要だという。
※日本医師会は変異種を変異株に改めるよう進言したので、記事中の変異種を変異株に変換した。読売&日テレ共に未だに変異種を用いている。
イギリスで去年秋に発見され現在流行している変異ウイルスの中に、新たな変異をしたものが見つかりました。「E484K」と呼ばれる変異が認められ、これは、ワクチンの有効性が減少する可能性が指摘されている、南アフリカやブラジルでそれぞれ見つかった変異ウイルスと同様のものだということです。このため、専門家は、この新たな変異についてもワクチンの有効性に影響する可能性が懸念されるとしています。
こうしたなか、オックスフォード大学は、アストラゼネカと共同開発したワクチンについて、他人への感染を67%減らす可能性があるとの暫定的な分析結果を公表しました。また、1回目の接種後、免疫反応が確立される22日目から少なくとも90日目までの間は76%の有効性が保たれることもわかったということです。
2021年1月24日5:00 読売新聞
【ロンドン=広瀬誠、ジュネーブ=杉野謙太郎】英国のジョンソン首相は22日の記者会見で、英国で流行している新型コロナウイルスの変異株について、従来型より死亡率が高い可能性があると発表した。英政府は感染力は従来型より強いと分析しており、懸念が強まりそうだ。
会見に同席したパトリック・バランス首席科学顧問によると、60歳代男性の感染者1000人あたりの死者数は、従来型の約10人に対し、変異株は13~14人と推計されるという。別の年代でも変異株の死亡リスクが高まる傾向があったという。ただ、現時点でデータには不確かな点もあり、バランス氏は、さらなる分析が必要だとの見解を示した。
英国では昨年12月頃から変異株が流行し、最近は1日あたりの死者数が1000人を超える。22日時点の入院患者は約3万8500人で春の流行ピーク時より8割多く、医療現場は逼迫している。英中部の病院では年末年始から患者が急増し、整形外科や眼科の医師や看護師が応援に入るなど総力戦の状態という。
世界保健機関(WHO)の感染症専門家、マリア・ファンケルクホーフェ氏は22日の記者会見で、英政府の情報は確認中だとした上で、「医療機関が過大な負担を抱えている場合に対応しきれず、死者が増えることはあり得る」と指摘した。
詳しい調査が必要
北里大の中山哲夫特任教授(臨床ウイルス学)は、「死者の多くは高齢者だが、高齢者はもともと持っている病気で死亡率が変わる。感染者1000人あたりの死者が10人から13~14人に増えた程度なら、病原性が強まったと判断するのは早い。変異株にもタイプの違いがあり、詳しい調査で死亡率などを分析する必要がある」と話している。
2021年1月23日10:05 読売新聞
英の変異株、従来型より死亡率高い可能性…1000人中13~14人に増加
【ロンドン=広瀬誠】英国のジョンソン首相は22日の記者会見で、英国で流行している新型コロナウイルスの変異種について、従来型より死亡率が高い可能性があると発表した。
記者会見に出席したパトリック・バランス首席科学顧問によると、例えば60歳代男性の場合、従来型の感染者1000人中のうち約10人が死亡すると予測されたものが、変異株の場合、13~14人に増加すると推計される。別の年代でも変異株の死亡リスクが高まる傾向が出た。ただし、現時点でデータの証拠は強くないため、さらなる分析が必要だという。
※日本医師会は変異種を変異株に改めるよう進言したので、記事中の変異種を変異株に変換した。読売&日テレ共に未だに変異種を用いている。