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コロナ対策で知財無償提供 トヨタやキヤノン、数十万件 2020/4/30 15:10 日本経済新聞 電子版

2020-04-30 18:46:28 | 日記
 日本の知的財産を無償開放して、新型コロナウィルス対策を加速させようと言う画期的な試みを今日のトピックスとして記録する。京都大学医学部で博士号を取得した夫の研究テーマは「酵素療法」だった。
 ー京都大学大学院医学研究科附属ゲノム医学センター長の松田文彦教授の企業への呼びかけがきっかけーということも誇らしい。

「トヨタ自動車やキヤノンなど約20社は世界で広がる新型コロナウイルス感染症の対策向けに、日本や海外で持つ特許などの知的財産を広く無償で開放する。ウイルスの検査や治療技術、医療機器などの開発を、企業や研究機関などが進めやすいようにする。世界経済に深刻な影響を与える新型コロナ感染拡大の早期収束へつなげる。

日産自動車、ホンダ、島津製作所、味の素、みらかホールディングスの臨床検査子会社のエスアールエル(SRL、東京・新宿)なども参加する。今後も幅広く企業に参加を呼びかける。

 各社が独自で持つ全ての特許権、実用新案権、意匠権、著作権を新型コロナウイルス感染症の対策に限って原則として無償で使えるようにする。海外企業も使用できる。世界保健機関(WHO)が同感染症の流行の終結を宣言するまで、権利を行使しない。開放する特許は数十万件以上とみられる。

トヨタ自動車が公開する特許で目玉になるのが、新型コロナウイルス感染症の患者などの体に触れずに呼吸のデータを取る技術だ。介護ロボット向けで開発した。呼吸の状態を観察すれば、肺炎発見につながる。

島津製作所の小型のエックス線装置関連の特許にも注目が集まりそうだ。新型コロナウイルス感染症の患者は、肺をエックス線で撮影した画像に特徴的な形が出やすい。同社の小型装置を使えば、患者が多く入る病院で効率的に画像撮影を進められる。重症度の判定や、最適なタイミングでの投薬などに役立つ。

 特許を使う企業や研究機関の利点は数多い。従来は保有する企業へ特許の使用を求める交渉をしていたが、保有企業の意思決定や手続きも含めて1~2年かかることも多い。今回、無償開放した特許はこの交渉を省き、すぐに使える。交渉の結果、使用料の価格などの条件で折り合えずに、望んだ特許を使えないリスクも避けられる。

ウイルス検査キットや患者の病状を調べる医療機器、遠方へ情報を伝える通信機器やアルコール衛生剤などの開発をスムーズに進められる。

 特許を開放する各社にとって直接の利益は無いが、新型コロナウイルス感染症の流行を早期に収束させ、企業の業績に響く経済の落ち込みを最小限に抑える狙いもある。

 今回の取り組みは、京都大学大学院医学研究科附属ゲノム医学センター長の松田文彦教授の企業への呼びかけがきっかけとなった。事務局は京大発スタートアップのジェノコンシェルジュ京都の中に置く。

 事務局は今回の無償公開の実効性を高めるために、各企業が手軽に参加できるように工夫した。多数の特許を他社が使えるようにするには、通常は各社の担当者からトップまでが慎重に議論を重ねるため、長い時間がかかる。今回は専用サイトからダウンロードした書類に署名し、サイトにアップロードするだけで済むように、手続きも簡素化した。」

オーブリアンの庭・森/光の田園を話題に

2020-04-28 12:30:50 | 記録
 写真家で里山での生活を楽しんでいる今森光彦さんの活動の様子は、 オーブリアンの庭・森などで里山を楽しみ、アトリエで作品を製作している今森さんの取り組みがをNHKで「四季を楽しむ里山暮らし・春」では、秋冬の庭仕事が春の喜びをもたらす準備だということを詳しく紹介している。
 秋植え球根の植え付け、落ち葉や徒長枝を剪定して草木灰を作って肥料にし、樹冠を落としたので太陽光は地面にたっぷり届くので、野草たちや春に咲く球根植物の花が大きく開くのだ。
 アトリエに続く道の街路樹の落ち葉は、ふんわりしたベッドのように蝶の幼虫を冬の寒さから守る。水森さんは、さらに工夫をしている。山の冬は、強烈な風が吹くので特に沢山の蝶たちが食事をする葉をつけるエノキの下には水仙などを植え込んでその豊かな葉で風を防ぐのだ。
 街路樹などで色々なところでみられるエノキの葉は、様々な蝶や玉虫厨子に貼付けられせていたことで知られるヤマトタマムシの食草として知られており、秋に実った実はムツドリ、ツグミ、メジロなどの野鳥たちが冬に備えてお腹いっぱい食べにくる。
 蝶は、国蝶のオオムラサキをはじめゴマダラチョウ・アカボシゴマダラチョウ、ヒオドシチョウ、テングチョウなどだが、孵った幼虫は、夏から秋にかけてエノキの葉を食べて成長し、冬には地面に降りて、食樹の根際や空洞内に溜まった落ち葉の中で越冬する。春に休眠から覚めると再び食樹に登って葉を食べ、更に成長を続け、蛹になり蝶になるのだ。雄は樹木の周囲に縄張りを作っているので、エノキの木の下を良好な環境に保つことは重要だろう。野菜に蝶の蛹がついて葉の食害に悩む農家の方々は、畔に蝶の食草になる樹木を植えることが肝要かもしれない。
 また、里山は野鳥の楽園でもある。今森さんは春の終わりの草刈りには一番気を使うという。キジがそこここに営巣しているので、気を付けて草刈りをしても気づかず驚いた親鳥が巣を離れると戻ってくることはないという。
 秋田県秋田市寺内にある古代城柵秋田城跡の場内外には、数番いのキジが暮らしている雛が孵ると親鳥は雛たちを連れて縄張りの見回りをしながら砂浴びなどを教えて行く。キジの雄は、数羽の雌と番いにるというのが通説だが、20年近くの観察を通して、ここでは広い敷地に数カ所の営巣地で繁殖していると考えている。なぜならば、各所でそれぞれに啼く声が聞かれられるからだ。夫々の巣の家族は夫々の親子ではないかということである。
 また、国内でここだけにある古代水洗厠のある場所は、窪地になっていて自然排水され、固形物が沈殿していたので、使用者の食べていた物が分かっている。
 オーブリアンの庭と森は、自然と共に暮す知恵と楽しさを知ると共に、細やかな心遣いと手入れがそれを実現することを知るのだ。
  

疫病との戦い2

2020-04-27 16:04:14 | 日記
 中世のヨーロッパでペストが猖獗を極めた時、人々は天に祈りを捧げると共に超自然的な力にすがろうとしたと思われる絵画がある。2020年開催予定だったが新型コロナウィルスの蔓延で日延べになっている「ロンドンナショナルギャラリー展」で展示される予定のイタリア中部マルケ地方で活動していたカルロ・グリエッリの「聖エミデウスを伴う受胎告知」(1496年)は、上空のUFOのような飛翔体が鳩を通じてマリアにお告げを仲介している。足元に「教会の自由」とラテン語が刻まれ、白百合を手にひざまずく大天使ガブリエルや市の模型を手にする聖エミデウスをはじめ描かれている人々は、右手で天を指している。装飾的な意匠を尽くした画面は硬質で透視図法が緊張した雰囲気を伝えている。「受胎告知」の祝日3月25日に教皇領のアスコリ・ピチェーノ市が自治権を認められたことを記念して描かれた。
 この絵は円盤型の物体が聖母マリアの頭上にレーザービームを当てているようにも見える。
 コンピュータ科学者であるジャックス・ヴァレ氏は、「当時のキリスト教徒が実際に見た超常現象を、彼らなりに解釈したものかもしれないという見解を述べている。ヴァレはUFO研究者としてはトップクラスの知名度と影響力を持つ人物で、『未知との遭遇』のラコーム博士のモデルだとも言われている。ヴァレは「未確認の飛行物体」の目撃などは昔からあったと主張しているものの、それがエイリアンの宇宙船であるとはまったく考えていない立場の研究者だった。見たことも聞いたことも無い出来事が起こった時、彼らはそれをキリストの物語と関連づけて考えた。こうした絵画がエイリアンとの遭遇の証拠であると断言できないが、なんらかの超常現象を目の当たりにした中世の画家がそれを絵に取り入れたという解釈はできる。」
 15世紀に描かれた、『聖母子と幼子聖ヨハネ』には、イエスを見つめる母マリアの背後に、緑色の奇妙な何かが空中に描かれている。また、ヴェッキオ宮殿博物館には他にも、崖の端にいる犬飼がドーム型のUFOのようなものを見上げている絵もある。ヨーロッパで14世紀から18世紀初頭にかけて描かれた絵画には、現代で言うUFOのような謎の飛行物体が描かれているものが多数存在する。
 神を称賛し、キリストの生と死の物語を表現する宗教画が主流だったその時代に、なぜ画家たちはこのような物体を絵の中に取り入れたのだろうか。
 バルカン半島最大の修道院、デチャニ修道院に『キリストの磔刑』(1350年)がある。キリストの両脇に奇妙な飛行物があり、その中にはパイロットらしき人間もいる。
 アールト・デ・ヘルデルの『イエスの洗礼』(1710年)では、巨大な円形の物体がキリストに光線を当てている。これは、天使の梯子や天使の階段とも言われ、黄昏時に見られるが幸せの前兆とも言われ、前途への希望を象徴すると考えられる。
 14世紀ごろの絵画に大きく影響を及ぼした出来事として、ルネサンス(文芸復興)がある。絵画では写実主義が興り、見た物を可能な限りそのまま描く芸術思潮があった。14世紀を境に、当時の画家たちが、天空に現れた謎の飛行物体を「そのまま天の使い」として描き始めたと考えることもできる。中世絵画に現れるこれらの飛行物体は果たして当時地球を頻繁に訪れていたエイリアンの船なのか?それとも当時の流行りなのか?タイムトラベルができるようになったら、是非その真相を確認しに行きたいものだ。
 神や天使のモチーフとして配置したとしても、こうした絵画が多数存在する理由は不明だが、宗教画は4世紀にキリスト教に公認されたのを契機に広まり、ヘレニズムやオリエント文化の影響の元で成熟していったと考えられ、教会や有力者の注文に応じて作成され、数世紀を経た14世紀に円盤状の光や宇宙船のようなオブジェクトが現れ出した。
 これらの超自然的なものに願いを託して、難儀な疫病を克服する縁としたのではないだろうか。

疫病との戦い

2020-04-23 20:57:17 | 記録
 1483年〜1487年に画家バルトロメオ・モンターニアが描いたと伝わっている「聖ロクスと聖セバステイアヌスのいる聖母子」は、イタリアのペルガモにあるアカデミア・カラーラ美術館が所蔵している。この絵を「疫病との戦い」に疲弊するの庶民への祈りの造形として紹介したのが、「紡ぐ」プロジェクトの特集記事である。「紡ぐ」プロジェクトは、傷みやすい日本美術の名品や地域の宝である文化財を修理し、後世に守り伝えて行くことを目指している企画である。修理助成事業と共に修理が終わった文化財の一般公開も行なっているのだが、残念なことに新型コロナウィルスによる肺炎罹患が全地球を覆う現在は、実施計画が中断している。

「ペストと聖人画」という題で、2020年4月5日(日)の読売新聞12版17面に
紡 <日本美を守り伝える> TSUMUGU 紡ぐプルジェクトの特集ページの左下に囲み記事として宮下規久朗神戸大教授(美術史)への聞き書きを掲載したものである。
 中世ヨーロッパを危機に陥れた感染症ペスト。救いの祈りが込められた西洋の絵画表現についての記事は、「ペストは、中世で度々流行した。特に、1347〜48年の歴史上類を見ない大流行は「黒死病」と呼ばれ、ヨーロッパ全域に広がった。
 キリスト教徒の間ではペストからの守護者として、聖人画が盛んに描かれた。
 特に患者救済に尽くした仏モンペリエの聖ロクス、3世紀のローマの士官だった聖セバステイアヌス、悪魔退治の伝説を持つ大天使ミカエルが有名だ。
 聖ロクスは、腿に自らの感染跡が描かれる。信仰を貫いた聖セバステイアヌスは、矢で射抜かれて処刑されても生きた不死身の姿から、守護聖人として表現される。大天使ミカエルは、6世紀にローマでペストが大流行した際、城の頂上に現れ、剣で悪疫を祓った姿を教皇グレゴリウスⅠ世が見て、流行が終息したとの伝説がある。
 この3者は組み合わせて祭壇画などに描かれ、病魔からの救済を願うお守りとされた。(談)」

 2020年の年頭から大流行の兆しをみせた新型コロナウィルスは、予防するワクチンの開発が進んでいない。それは、新型コロナウィルスの正体が分かっていないことがある。また、感染が分かって陽性判定を受けて対処療法を試みた後、陰性の判定を受けて通常の生活に戻っても陽性ー陰性ー陽性を繰り返す事例があることや発熱などの症状が出て、あっという間に死に至る事例もあり、年齢や既往症だけでは予後が判断出来ない難しさにある。これまでの風邪、インフルエンザ、肺炎などの呼吸器疾患とは違った経過を辿ることや症状の進行が予測出来ないことで治療方法の難しさとウイルスの性質がなかなか分からず感染経路が辿れないことも感染を広げている原因であるという。
 冬期に繰り返されている呼吸器疾患には、様々な治療法があり治癒する確率が高いのだが、新型コロナウィルスは、今のところ感染を防ぐための対処法が感染地を避けることである。感染後は、隔離して呼吸器疾患の対処療法を続けることであるから、感染しないことがまず第一の療法ということになり「三密」を奨励することになる。人と人との接触を避けることが必須条件で、「聖人画」を礼拝することもなな侭ならず、手で触れることが感染の原因になることから触って病気平癒を願うこともできないので、これまでとは全く違った対処をしなければならない。精神的にすがる対象が無い状態で疫病に耐えなくてはならないし、生業を投げうたなければならない状況の脱却を図ることが重要な課題だ。

オーロラと母衣打ち

2020-04-23 15:13:51 | 日記
 昨日のYahooトピックスに雉の母衣打ちがあったので、検索してみたらYuoTubeに動画が2件Upされていた。母衣打ちは、雄雉が縄張り侵入する雄雉を追い払うドラミングで、縄張り争いをする2羽は体を膨らませて大きく見せ、激しく羽を打ち鳴らして互いに譲らず時計回りに移動しながら相手を威嚇する。そして、時には、尾羽を扇状に開いて更に体を大きく見せる。
 秋田県秋田市寺内の古代官衙跡.秋田城内外には数番いの雉が生息していて、毎年親子が散策したり、砂浴びしたりしているところを目撃することができる。雄雉は、母子を見守りつつ縄張り内を移動している。
 秋田城跡では、雄の縄張りが冒されることが少ないのか、母衣打ちを見たことはなかったので、眼を見張った。
 さて、2020年3月19日の日本経済新聞には、「聖徳太子オーロラを見た?飛鳥時代、夜空に赤い扇型」という記亊が掲載された。キジが尾羽を広げたような扇型の赤いオーロラを聖徳太子が見たかもしれないと国立極地研究所国文学研究資料館などのチームが16日までに『日本書紀』推古天皇28(620)年の記述を分析して発表した。「天に赤気あり」「形雉尾に似れり」の記述に着目し、過去に観察されたオーロラは赤く扇型だったこと、世界各地のオーロラ観測から類推し、磁気嵐のあった時の日本でも天候に恵まれればオーロラが観測できたはずだと考えた。記事では、飛鳥時代の人々には身近だった雉が求愛の時に、雄は尾羽を扇型に広げて、雌にアピールする習性があることを知っていたので、赤いオーロラを雄雉の広げられた尾羽に例えたのだろうと述べている。極地研の天文学と国文研の国文学の共同研究の成果と考えられる。『日本書紀』の筆者は、1418年を経て自分の書いたことが、このような天文学上の説を証明する資料になることは考えても見なかっただろう。
 1287年前に創建された秋田城跡は、ニホンカモシカの親子や季節の花々、珍しいキノコなどが季節に彩りを添えている。しかし、今だ雉の求愛の姿を目撃したことはない。日本野鳥の会の観察ポイントになっている寺内の高清水公園には、まだまだ数々の謎が隠されていそうだ。