気になること 忘れずにいたいこと 嬉しいこと

社会 科学 美術 環境 省エネ 俳句

新型コロナ 世界のPCR検査は日本の技術が支えているのに日本では活躍できない岩盤規制の皮肉

2020-05-09 22:00:43 | 記録
 これまで新型コロナウィルス対策として決定されたことはほとんど最悪だ。最も現場を混乱させている最悪の事例は、個人給付金の申請の混乱振りを見れば分かる。マイナンバーの普及を一挙に進めようとの意図がみえみえだったが、マイナンバーで個人給付金申請をネット利用で行う場合に顕著なのだ。簡便にできる体制をとっていなかったため暗証番号の誤謬と申請先の誤謬とでマイナンバーの暗証番号の再申請(再利用には時間がかかる)が必要になった人々とこれから申請しようという人々が自治体窓口に殺到しているのだ。以前の給付金支給峙には、なんの混乱もなかったのに…
 実務を知らず、机上の仕事しかしていないから生じる最悪の現実離れした決定をしていること示すよい事例が報告されている。


新型コロナ 世界のPCR検査は日本の技術が支えているのに日本では活躍できない岩盤規制の皮肉
木村正人 | 在英国際ジャーナリスト 2020年5月9日(土) 18:52
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20200509-00177769/


駐日フランス大使からの感謝状

[ロンドン発]新型コロナウイルスの感染拡大に伴い論争が激化しているPCR検査について、開発ベンチャー会社プレシジョン・システム・サイエンス(以下PSS社、千葉県松戸市)が全自動PCR検査システムの共同開発で駐日フランス大使から感謝状を送られました。

 世界各国が新型コロナウイルスと戦っています。フランスにおいて弊社と仏エリテック社が共同開発した全自動PCR検査システムと試薬キットがウイルス検出に大きな役割を果たしていることで駐日フランス大使よりお礼状を頂きました」

 PSS社がエリテック社ブランドとしてOEM供給(納入先商標による受託製造)している全自動PCR検査システムは、新型コロナウイルスで2万6000人を超える死者を出したフランスの医療現場で活躍しています。抽出試薬や付属の消耗品も供給しています。

 PSS社と東京農工大学は「ウイルス拡散を防ぐにはPCR検査診断と接触の最小限化が不可欠」として今年3月10日、核酸抽出からリアルタイムPCRまでを全自動化したgeneLEADシステムを活用して新型コロナウイルスの迅速診断技術の可能性を確認したと発表しています。

「面倒臭くて、できればやりたくない」PCR検査

 PCR検査は高価で多大な労力を要するため「面倒臭くて、できればやりたくない」というのが日本の現状です。中国湖北省武漢市を基点とした新型コロナウイルス「武漢株」の封じ込めに成功したため、診断はコロナ特有の症状と肺炎のCTスキャンで十分でした。

「武漢株」より感染力が強い可能性がある欧州で大流行し深刻な被害をもたらした「欧州株」の第二波の感染が拡大したため、安倍晋三首相は4月7日、国家緊急事態宣言を行い、5月4日に同月末まで延長すると表明したばかり。

 獣医師も動物のPCR検査を行っています。埼玉県狭山市の中央動物病院のブログにこう書かれています。「世界の多くの国で実施されている全自動PCR検査を支えているのは、実は日本の技術なのです」(4月18日)。

 「新型コロナウイルスに対するPCR検査は(1)検体の採取→(2)ウイルス遺伝子(核酸)の抽出→(3)ウイルス遺伝子の増幅→(4)増幅産物検出。この中で最も人手を必要とする工程が、ウイルス遺伝子の抽出です」

 「ウイルス遺伝子抽出は非常に手間がかかり、コンタミネーション(汚染)や検体の取り違えなどが起きやすい工程で、全自動化されていない場合では検体数をこなすことはできません」

 「イタリアの最前線で行われている全自動PCR検査機器の一つにエリテック社製のものがありますが、日本メーカーのOEM製品です。つまり、日本の会社がエリテック社の製品を製造してあげているのです」

ロシュ社の全自動システムにも日本の技術

 PSS社の全自動PCR検査システムには同時に検査できる検体数ごとに8、12、24、96の4機種あり、8と12は実用化され、フランスやイタリアなど欧州の医療現場で大活躍しています。スイス・ロシュ社の全自動PCR検査機器の中枢部分にもPSS社の技術が組み込まれています。

 日本では富士フィルムや島津製作所が全自動PCR検査用の試薬やキットを開発するなど競争が激化していますが、PSS社の装置や試薬はまだ厚生労働省に認可されていないそうです。海外ではすでに使われているのに国内では使えないというのが日本の悲しい現実のようです。

 専門家会議の尾身茂副座長は「国内のPCR検査数が海外に比べて明らかに少なく、必要な人が受けられるようにするべきだと専門家はみんな思っている。早い時期から議論したがなかなか進まなかった。これにはフラストレーションがあった」と釈明しました。※専門家会議の尾身茂副座長が理事長を務める医療機関でクラスターが発生しているという足元の管理体制にも問題が!!

 グラフでの分析を見ると日本のPCR検査能力が各国に比べると格段に劣ることが一目瞭然です。加藤勝信厚生労働相は4月30日、1日当たりの処理能力を現在の1万5000件から2万件に拡充するが「2万件検査するとは言っていない」と言葉を濁しました。 ※感染者約13万人で死者約3800人余りのトルコでは15万人の検査をするそうだ。

 【PCR検査を拡充できなかった理由と原因】

PCR検査を迅速に拡充できなかった理由についても列挙しています。

(1)制度的に地方衛生研究所は行政検査(衛生・環境関連法に基づき各自治体の保険当局が疫学調査のために行う検査)が主体。新興感染症について大量検査を行うことを想定した体制は整備されていない。

(2)過去のSARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)では国内で多数の患者が発生せず、PCRなど検査能力の拡充を求める議論が起こらなかった。

(3)新型コロナウイルスの流行で重症例など診断のために検査を優先させざるを得なかった。

(4)専門家会議の提言も受け、PCR検査の民間活用や保険適用などの取り組みを講じたが、拡充がすぐには進まなかった。

(5)帰国者・接触者相談センター機能も担う保健所の業務過多。人員削減による人手不足。

(6)入院先を確保する仕組みが十分に機能していない地域もあった。

(7)地衛研は限られたリソースの中で通常の検査業務も並行して実施する必要があった。

(8)検体採取者・検査実施者のマスクや防護服など感染防護具が圧倒的に不足。

(9)保健適用後、一般の医療機関は都道府県との契約がなければPCRなどの検査を行うことができなかった。

(10)民間検査会社などに検体を運ぶための特殊な輸送機材が必要だった。
【改善目標】

医師が必要と考える軽症者を含む疑い患者に対し「迅速かつ確実に検査を実施できる」体制に移行すべきだとして以下の7項目の改善目標を掲げました。

(1)保健所、地衛研の体制強化、労務負担軽減

(2)都道府県調整本部の活性化

(3)地域外来・検査センターのさらなる設置

(4)感染防護具、検体採取キット、検査キットの確実な調達

(5)検体採取者のトレーニングとPCRなどの検査の品質管理

(6)PCR検査体制の把握、検査数や陽性率のモニターと公表

(7)PCR検査などを補完する迅速抗原診断キットの開発、質の高い検査の実施体制の構築

 田島社長はPSS社のHPにある動画(4月15日)で「日本の医療体制は整っているので、他に診断する手段があった。韓国では安くPCR検査ができるため普及した。PCR検査は普通の人にはできず、人材が不足している。これに対応するには自動化しかない」と指摘しています。

 日本の技術を埋もれさせた「失われた30年」

 田島社長の話では検査技師の手作業に頼るPCR検査には6~12時間かかるものの、PSS社のシステムでは平均して2時間ぐらいまで短縮できるそうです。日本は金融バブル崩壊後の「失われた30年」、世界に冠たる日本の技術を埋もれさせてしまいました。

日本はいまだに利益団体と政官財の利権構造、既得権益、岩盤規制、官僚主義、 お役所仕事に雁字搦めになっています。そのためにPCR検査の核心的な技術を持ちながら、それを拡大できないのです。

 少子高齢化が進む日本で人手不足を解消するためには思い切った自動・無人・IT化を進めるほかありません。専門家会議の状況分析・提言にはそうした視点を全く欠いています。新型コロナウイルス・パンデミックを機に岩盤規制を破壊できなければ日本の未来は開けないでしょう。

(おわり)

新型コロナウィルス 国内の検査・治療に関する企業の取り組み

2020-05-08 23:02:08 | 記録
 新型コロナウィルスの感染拡大に伴う「緊急事態宣言」について、政府は大型連休までとしていた発令期間を今月いっぱいまで延長した。東北などの34県は「感染が抑制されている」として社会、経済活動の再開を容認した。今日からこれまで通りの3密を避け等のお約束を守りつつ、県境越えをしない行動を守りつつ感染をせず、来るべき集団免疫に至る時間を待つのだ。

PCR検査、75分に短縮 富士フイルムが試薬発売 新型コロナ
時事ドットコム 2020年5月8(金) 10:51配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200508-00000060-jij-bus_all

 富士フイルムホールディングスの子会社、富士フイルム和光純薬(大阪市)は8日、新型コロナウイルスの遺伝子を約75分で検出する試薬を発売した。同社の遺伝子解析装置を使用し、全自動で検査が行える。感染の有無を調べるPCR検査は通常4~6時間かかるが、これら試薬と装置を使うことで大幅な時間短縮と検査員の負担軽減が期待される。

 同社はPCR検査に対応した遺伝子解析装置を2016年に発売。国内では、規模の大きい病院を中心に数十カ所の医療機関が導入し、結核の検査などに使用されている。

 検体や試薬を装置にセットする数分の作業のほかは、全自動でコロナの遺伝子を検出できる。熟練した検査員で

新型コロナ40分で検出 キヤノン子会社、実用化急ぐ
時事ドットコム 2020年03月19日21時32分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020031901407&g=eco&utm_source=yahoo&utm_medium=referral&utm_campaign=link_back_edit_vb


 キヤノンの子会社で、医療用機器を製造・販売するキヤノンメディカルシステムズ(栃木県大田原市)は19日、長崎大学と共同で、新型コロナウイルスの遺伝子を40分以内に検出できる検査システムを開発したと発表した。早期の実用化を目指し研究を急ぐ。

 遺伝子の増幅に「LAMP(ランプ)法」と呼ばれる方式を採用。感染の有無を調べるのに約4時間かかる「PCR法」と比べ、より短時間で、同程度の感度で検出できる性能を確認した。検体からウイルスの遺伝子を抽出する時間を除けば10分以内で検出でき、1台で1日当たり224検体以上の検査が可能という。

コロナ判定試薬、開発急ピッチ ワクチン・治療薬も―民間企業
時事ドットコム 2020年03月20日07時12分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020031901040&g=eco

  新型コロナウイルス感染の有無を短時間で判定できる検査試薬の開発が急ピッチで進んでいる。近く出荷が始まれば、迅速な検査が可能になりそうだ。実用化に1年かかるとされる治療薬や予防ワクチンの開発に乗り出す企業も相次いでいる。

 現在主流のPCR検査はコロナ遺伝子を増幅させて検出する仕組みだ。保健所や専門外来で必要と判断されると、都道府県所管の衛生研究所などで実施する。喉などの粘膜を採取し、結果判定まで4~6時間かかる。1日にできる検査を増やすには時間短縮が大きな課題だ。

 島津製作所は結果判定を約1時間に縮める試薬の開発を急いでおり、月内にも民間検査機関など向けに出荷が始まる見通しだ。公的医療保険が適用されるPCR検査は当面、自己負担なく受けられる。四方正光・遺伝子解析グループ長は「検査時間を短くできないかという要望に技術で応えたい」と話す。

 繊維大手クラボウは提携先の中国試薬大手が開発したキットの輸入販売を始めた。保険適用外だが、陽性なら15分で赤い線が2本浮かび上がる。

 新型コロナで承認された予防ワクチンや治療薬はまだなく、米国立衛生研究所(NIH)が製薬会社と共同でワクチンの臨床試験を始めたばかり。田辺三菱製薬のカナダ子会社メディカゴはこのほど、ワクチン開発の第一歩となる「植物由来ウイルス様粒子」の作製に成功。8月までの臨床試験開始を目指す。

 治療薬では、武田薬品工業が血液製剤の一種である血漿(けっしょう)分画製剤の開発に着手。インフルエンザ薬「ファビピラビル」に関しては、中国当局が有効性を臨床研究で確認したと発表して注目を浴びた。富士フイルムホールディングス傘下の富士フイルム富山化学(東京)が開発した薬「アビガン」の一般名として知られ、日本では医師の判断に従いコロナ治療に使われ始めた。ただ、副作用のリスクがあり、妊婦には投与できず、軽症者らが広く使える段階にはない。



トルコが新型コロナ感染制御と発表、再燃回避へ指針策定へ 5/7(木) 13:39配信

2020-05-08 02:55:55 | 記録
 トルコが通貨危機と新型コロナウィルスの国民への感染で苦境に陥っている。新型コロナウィルスは欧米並の感染者数なのに、死者数は3854人と脅威的抑制だ。来週には感染の最新状況を把握するため、15万人前後に対して検査が行われる。
 トルコは、日本との歴史的な関係が深く、近直では、中近東センターと共に大村幸弘氏のアナトリア・コンヤ遺跡等の発掘成果を踏まえた地元への貢献は多大なものがある。アケメネス朝ペルシャの先進的な文化遺産を今も享受しているわが国の、適切な支援が望まれる。


トルコが新型コロナ感染制御と発表、再燃回避へ指針策定へ 
Reuters 2020年5月7日(木) 13:39配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200507-00000072-reut-asia

[イスタンブール 6日 ロイター] - トルコは6日、新型コロナウイルス感染が始まってから2カ月を経て、感染を制御したと発表した。今後は感染拡大の再発を回避するため、新たな社会生活とビジネス活動の指針を確立していくという。

 トルコで確認された感染者数は世界最多レベルだが、死者数は西欧や米国をはるかに下回る水準に抑制されており、政府は段階的な経済再開を模索している。

 コジャ保健相は記者会見で、「トルコでは、新型コロナは現時点で制御できている。第2段階では(感染の)根絶を目指す。われわれは新たな生活様式に移行しつつある」と述べた。

 同相は、感染者の再増加を回避するため、政府の専門家による委員会が企業の営業再開に際して順守すべき指針を策定するとした。

 市民については、新たな「制御された社会生活」の一環として公共の場でのマスク着用と社会的距離(ソーシャルディスタンス)の順守が求められるほか、ショッピングモールへの入店制限などを導入するとしている。

 さらに同相は、来週には感染の最新状況を把握するため、15万人前後に対して検査が行われると付け加えた。

 トルコでこれまでに確認された感染者数は13万1000人強と、米国と西欧、ロシア以外で最多だが、死者数は3584人で、人口比率ではこれら諸国の大半と比べて低水準となっている。

トルコ通貨リラ、史上最安値 新型コロナで資金流出
Kyoudo2020年5月7日(木) 18:48配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200507-00000122-kyodonews-


 【イスタンブール共同】7日のトルコの外国為替市場で通貨リラがドルに対して大幅下落、一時1ドル=7リラ台前半まで売られ、史上最安値をつけた。トルコは対米関係悪化などを背景に2018年夏もリラが急落する経済危機に陥ったが、それよりもリラ安が進んだ。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で新興国から資金流出が進んでいる。リラは年初から約20%下落した。

 トルコでの感染は減少傾向に転じたが、経済活動は停滞。国際通貨基金(IMF)は20年の実質成長率がマイナス5%と予測している。

 リラを支える中銀は米国など主要国との通貨交換協定を目指すが、難航が予想されている。

新型コロナの治療薬に光明 感染抑制能を有するVHH抗体を取得 北里大学・EME・花王の研究で 2020年5月7日(木) 11:57配信 食品新聞

2020-05-08 01:45:19 | 記録
 これまでは、抗体検査の方法を開発し、タカラバイオ(5/1)島津製作所(5/20保険摘要承認)がほぼ1時間・精度100%で抗体の有無を検査できる。抗体を取得した人々がある一定の量にに達したら新型コロナウィルスの終息を認められるとWHOも認めている。
 しかし、14時間毎に変異する新型コロナウィルスについて、終息を認めることは非常に困難であることは必定であることもWHOは認めており、治療薬は治験を含めて1年〜1年半はかかりその間は他の疾病の承認薬を使う対処療法になるとしている。
 北里大学等の取得したVHH抗体は、感染抑制すると共に治療薬開発への有効性も期待出来ると言う。以下、そのあらましを紹介する。詳細は北里大学HPで。


新型コロナの治療薬に光明 感染抑制能を有するVHH抗体を取得 北里大学・EME・花王の研究で 2020年5月7(木) 11:57配信食品新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200507-00010001-shokuhin-bus_all


 北里研究所は7日、北里大学・Epsilon Molecular Engineering(EME)・花王の研究グループが新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対して感染抑制能(中和能)を有するVHH 抗体の取得に成功したと発表した。
 北里研究所では「今回の成果は新型コロナウイルスの治療薬や検査薬の開発につながることが期待できる。今後、今回の成果を世界中で活用できる方法について検討し発信していく」との考えを明らかにした。
 
 花王はEMEと候補VHH抗体の配列情報を取得するなどして研究に参画。北里大学大村智記念研究所ウイルス感染制御学 I 研究室(片山和彦教授)は、いち早く開発した新型コロナに対する薬剤の不活化効果を評価する技術を用いて、花王が提供した候補 VHH 抗体の新型コロナウイルス粒子への結合と、中和活性の有無を確認することで感染抑制能を評価。その結果、VHH抗体を添加した場合に新型コロナの細胞への感染が抑制されていることが確認できたとした。

 VHH抗体とは、ラクダ科動物由来の抗体で、一般的な抗体と比較して10 分の 1の大きさとなる。高い安定性や微生物による低コスト生産が可能なことから近年注目を集めているという。

《参考》北里大学ホームページ


新型コロナ、人への感染は19年終盤から 英大学が遺伝子分析 Reuters2020年5月7日(木) 2:08配信

2020-05-07 18:19:01 | 記録
 新型コロナウィルスの初源の調査が進められている。ウイルスの様々な性質や14日で変異すること、変異するウイルスの治療薬開発の難しさから、とりあえず現在認可されている治療薬の中から副作用が少なく有効と考えられるものを
投与する対処療法が行われている。ここでは、ウィルスの初源の調査・退院後のサポート・今期のインフルエンザの終息についての記事を紹介する。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200507-00000004-reut-m_est
 

[ロンドン 6日 ロイター] - 英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(UCL)の研究チームは6日、新型コロナウイルスの人への感染が2019年終盤に始まり、急速なペースで世界各地に広がったことを示すデータを発表した。
 研究チームは世界各地の7500人以上の新型コロナ感染者から検出されたウイルスの遺伝子を分析。約200の反復突然変異が確認され、研究者はウイルスが人への感染とともに進化している可能性があるとの見方を示した。

UCLのフランソワ・バロー教授は、新型コロナの流行が深刻な地域全てで遺伝子の幅広い多様性が確認されたと指摘。これは、ウイルスがパンデミック(世界的流行)の早い時期に世界中に広がっていたことを示しているという。

 また研究結果から、人への感染が19年終盤に始まったとする仮説が裏付けられ、ウイルスの感染がそれよりも以前から広がっていた公算は小さいとの見方を示した。

 さらに、現時点で変異によってウイルスの毒性や感染力が強まったり弱回ったりしているかを断定できないとした。

 また、グラスゴー大学の研究チームもこの日、別の研究結果を発表。2種類の新型コロナウイルスが存在するという先に発表していた研究結果は正しくないことを示唆するデータが示された。

 フランスでもこれまでに、同国で昨年12月27日に新型コロナ感染症の患者がいたことを示す研究結果が発表されている。仏政府が最初の感染者を確認した日より1カ月近く前となる。※この事例は、既にUPしてあるが、退院した患者の冷凍保存してあった検体を再検査したところ、新型コロナウィルスが発見された。サンドニ県の漁業者でアルジェリア出身の男性で、アルジェリアへ往復されていた。アルジェリアの感染歴が気になるところだが、まだ、調査結果の報告はない。


新型コロナもう1つの医療現場、退院後ケアという戦い
Gabriella Borter Reuters2020年5月2日 / 09:49 / Gabriella Borter
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-usa-homecare-idJPKBN22C06O?rpc=122

[24日 ロイター] - ニューヨーク市クイーンズ区の住宅街に車を停めた看護師のフローラ・アジャイさんは、トランクを開け、個人防護具が詰まったプラスチック容器を取り出した。手袋と青いガウン、二重のマスク、フェイスシールド、さらに靴カバーを着用し、担当するCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)患者の1人が生活する家に足を踏み入れる。

 47歳のアジャイさんは、ニューヨークの訪問看護師ネットワークの一員。ウイルス感染による呼吸器疾患から回復し、退院して自宅に戻った数百人の患者への支援にあたる。パンデミックとの次なる最前線で孤独に格闘する戦士のひとりだ。

 感染力の高い新型ウイルスにより、ニューヨーク州内では少なくとも2万300人が命を落としており、国内における感染拡大の中心地となっている。米国における死者は他のどの国よりも多く、ロイターの集計によれば最低でも4万9000人を数える。

 患者が病院における24時間体制の治療から自宅での生活に移行するに当たって、訪問看護師はきわめて重要な役割を担っている。アジャイさんは毎日、ウィルスに汚染されている可能性の高い住宅に出入りし、多ければ1日12回も個人防護具の着脱を市内の歩道で繰り返している。

 防護具を何度も使い回すことはできない。だから、アジャイさんの車にはマスクやガウン、手袋が満載されている。

<「患者の目となり耳となる」>

「私たちも最前線で戦っている」とアジャイさんは訪問看護師について語る。彼女はいま、新型コロナに感染して入院していた病院から最近戻ってきた74歳の女性の家に入るため、ガウンの紐を背中で結んでいるところだ。「医師は、私たちが彼らの目となり耳となることを望んでいる」

 ニューヨーク州保健当局のジョナ・ブルーノ広報官によれば、同州では4月22日の時点で4万303人の感染患者が退院しているという。

 手指消毒用の除菌ローションのボトルを手に、ゆとりのある青いガウンを羽織ったアジャイさんはポーチの階段を上り、ドアのベルを鳴らす。ドアにはウサギの形のボードが掛かり、「ハッピーイースター」と書かれている。

 患者の夫がサージカルマスクを着けた姿でドアを開け、アジャイさんに親しげに手を振って挨拶する。アジャイさんを室内に招き入れるときも、数フィート離れたままだ。

 アジャイさんがこの患者に会うのは、退院してから初めてだった。患者の咳は数日前に電話したときよりはかなり良くなっている。アジャイさんによれば、このときは何かを言い終える前に咳き込んでしまうほどだった。

 退院したCOVID-19患者が3日にわたって無症状を報告するまでは、アジャイさんも自身が感染するリスクを抑えるため、遠隔診療だけを行う。

 「治療の一端を担い、患者を指導し、回復の力になれることが嬉しい」と彼女は言う。「それだけでやり甲斐になる」

それでもアジャイさんは、自分が患者の家から自宅にウィルスを持ち帰ってしまうのではないかと心配している。共に暮らすのは、23歳の息子と、彼女自身の妹だ。アジャイさんは家でもマスクを着用し、感染を防ぐため家族から6フィートの距離を保とうと心がけている。自分が愛する仕事のために払っている犠牲だ。

<回復支援、なお未知の領域>

アジャイさんが所属するのは、23の病院を擁する州内最大の医療事業者ノースウェル・ヘルスである。

 ノースウェルでポストアキュート(急性期治療後)医療担当ディレクターを務めるマリア・カーニー医師は、入院していた患者が罹患前の生活の質を取り戻せるとしても、ほとんどすべての場合、退院後には何らかの医学的なフォローアップやリハビリテーションが必要になるだろう、と話す。

 「私たちはまさに未知の領域に入りつつある。患者が今まさに何を必要としているか分からず、身体的にも精神的にもひどく弱っているのが分かるというだけだ」とカーニー医師は言う。「私たちの医療システムが回復の次のフェーズにどのように取り組めるのか。それが課題になっていくだろう」

 これまでに退院した患者のうち、多くは脚部の血栓、筋萎縮、疼痛、倦怠感、心臓の問題、呼吸器系の苦しさの継続に悩まされている。

 カーニー医師によれば、挿管処置を受けた患者の場合は、退院後もこうした症状が深刻に見られる。また、長期にわたる鎮静状態による影響、すなわち「集中治療後症候群」と呼ばれる症状と思われる認知障害を示す患者も多いという。

 今週、ノースウェルが運営する病院を退院した感染患者の数は6600人を超えたため、同社ではさらに多くの訪問看護師を雇用することを検討している。また遠隔診療サービスの拡大や、退院患者の収容に向けた地元の経験豊富な介護施設との提携もありうるとカーニー医師は言う。

<微笑みと落ち着き>

 アジャイさんは患者の自宅で、患者本人やその家族からの山のような質問に答える。食料品店にどれくらいの頻度で行くべきか、血圧を自分で測定するにはどうすればいいのか。

 彼女は聴診器を使い、体液蓄積の兆候がないか患者の呼吸音を確認する。患者とその家族に、洗面用具を共用しないよう、ドアの把手や電灯のスイッチを消毒するよう念を押す。

 冷蔵庫をチェックし、空であれば、慈善団体による食品配達を頼むという手段を提案することもある。横になっていると呼吸が苦しくなるので椅子にもたれて寝ていることが分かれば、もっと酸素供給が必要だと医師に伝える。

 アジャイさんが担当するCOVID-19確定患者5人は、自宅に戻ってからゆっくりと着実な回復を示しており、再入院が必要となった患者は1人もいない。

アジャイさんは、患者の近くにいるときは二重のマスクとフェイスシールドを絶対に外さない。だが、彼女が微笑んでいることは、シルバーのアイシャドウを施した目の周りに浮かぶ皺で分かるし、彼女の落ち着いた声は安心感を与えてくれる。

「世の中は大騒ぎだが、患者のために平静さを保っている」とアジャイさんは言う。「怖がっているのは患者も私たちも同じだ。でも、私たちには平静さを保つことができる」

(翻訳:エァクレーレン)

コロナ対策でインフル早期終息、来季深刻化の恐れも
Reuters2020年4月24日 / 16:25 Francesco Guarascio
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-flu-idJPKBN2230X7?rpc=122

[ブリュッセル 20日 ロイター] - 新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的な大流行)の陰で、誰にも惜しまれずに姿を消したものが、少なくとも1つある。毎年、世界中で10万人単位の死者を出しているインフルエンザだ。

 欧州連合(EU)のデータ、専門家の見解によれば、新型コロナウイルスに伴うロックダウン(都市封鎖)に伴い感染スピードが落ちたことで、欧州では3月中にインフルエンザがほぼ沈静化した。

 北半球の冬季におけるインフルエンザの感染拡大は、通常10月から5月中旬まで続く。ワクチンが存在するにもかかわらず、シーズンによっては新型コロナウイルス感染症並みの犠牲者を出すこともある。

 2017ー18年シーズンには、欧州ではインフルエンザにより15万2000人が命を落とした。これまでのところ、短期間とはいえ、新型コロナウイルス感染症による死者は10万人近くとなっている。

 フランクフルト大学病院に所属するウイルス学者ホルガー・ラベナウ氏はロイターに対し、「今年のインフルエンザ流行は例年に比べ早めに終った。これは恐らく、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)やマスク着用など新型コロナ対策の効果だ」と述べた。

 これは歓迎すべきニュースだが、症例が少ないせいで、次のインフルエンザ流行期に向けたワクチン生産に遅れが生じる可能性がある。

 各研究機関が新型コロナウイルス感染症対応に忙殺されていることに加え、入手できるインフルエンザ検体は例年より少ない。欧州疾病予防管理センター(ECDC)の上級インフルエンザ専門家パジ・ペンティネン氏によれば、そのせいで「今シーズン末期に流行しているウイルスを十分に把握できない可能性がある」という。

 データの減少と情報処理の遅れは、南半球における2021年冬季に向けたワクチンの品質に影響する恐れがある。その成分は通常、年初に集められた検体に基づいて9月に決定されるからだ。

 ペンティネン氏によれば、今年のウイルスに生じる可能性のある変異に関する情報が少なくなれば、翌年に流行すると予想されるウイルスの型に対して最も効果的なワクチンを合成できる可能性も低下する。同氏はロイターに「厄介なことになるかもしれない」と語った。

 ペンティネン氏は、この問題が北半球における次の冬に向けたワクチンに影響する可能性は低いと話す。その成分については、すでに2月に合意が得られているからだ。

 必要とされる数百万人分のワクチンを生産するには数カ月を要するため、ワクチンの成分に関する決定は早めに下される。

<過少報告の可能性も>

 インフルエンザ関連の死者についてのデータはまだ提供されていないが、当初の推測では、今年の死亡率はかなり低くなると示唆されている。

 欧州11カ国のデータによれば、今シーズンに集中治療室での治療が必要とされたインフルエンザ患者は4000人であり、過去2シーズンの同時期に比べ、約半分にとどまっている。

 デンマーク国立血清研究所の感染症専門家ラッセ・ベスターガード氏によれば、3月上旬に厳しいロックダウンを開始したデンマークでは、例年は1000人前後を数えるインフルエンザによる死者が、この冬はごくわずかだったという。

 ロイターの集計によれば、新型コロナウイルス感染症によるデンマークでの死者は、4月20日時点で355人となっている。

 EUのデータや専門家によれば、新型コロナウイルスという要因がなかったとしても、今季のインフルエンザ流行は緩やかなものだった。感染判明のピークは1月末、その後は症例が急速に減少している。3月末、欧州全域でロックダウンが実施されて数週間を経た時点では、インフルエンザ感染発生の報告はほとんど見られなくなっていた。

 東京大学と国立感染症研究所の専門家らが今月公表した調査によれば、日本でもこの冬は、恐らくマスク着用や手洗い励行などの新型コロナ対策の効果により、季節性インフルエンザの活動が低調だったとされている。

 Francesco Guarascio

2 分で読む

[ブリュッセル 20日 ロイター] - 新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的な大流行)の陰で、誰にも惜しまれずに姿を消したものが、少なくとも1つある。毎年、世界中で10万人単位の死者を出しているインフルエンザだ。

欧州連合(EU)のデータ、専門家の見解によれば、新型コロナウイルスに伴うロックダウン(都市封鎖)に伴い感染スピードが落ちたことで、欧州では3月中にインフルエンザがほぼ沈静化した。

北半球の冬季におけるインフルエンザの感染拡大は、通常10月から5月中旬まで続く。ワクチンが存在するにもかかわらず、シーズンによっては新型コロナウイルス感染症並みの犠牲者を出すこともある。

2017ー18年シーズンには、欧州ではインフルエンザにより15万2000人が命を落とした。これまでのところ、短期間とはいえ、新型コロナウイルス感染症による死者は10万人近くとなっている。

フランクフルト大学病院に所属するウイルス学者ホルガー・ラベナウ氏はロイターに対し、「今年のインフルエンザ流行は例年に比べ早めに終った。これは恐らく、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)やマスク着用など新型コロナ対策の効果だ」と述べた。

これは歓迎すべきニュースだが、症例が少ないせいで、次のインフルエンザ流行期に向けたワクチン生産に遅れが生じる可能性がある。

各研究機関が新型コロナウイルス感染症対応に忙殺されていることに加え、入手できるインフルエンザ検体は例年より少ない。欧州疾病予防管理センター(ECDC)の上級インフルエンザ専門家パジ・ペンティネン氏によれば、そのせいで「今シーズン末期に流行しているウイルスを十分に把握できない可能性がある」という。

データの減少と情報処理の遅れは、南半球における2021年冬季に向けたワクチンの品質に影響する恐れがある。その成分は通常、年初に集められた検体に基づいて9月に決定されるからだ。

ペンティネン氏によれば、今年のウイルスに生じる可能性のある変異に関する情報が少なくなれば、翌年に流行すると予想されるウイルスの型に対して最も効果的なワクチンを合成できる可能性も低下する。同氏はロイターに「厄介なことになるかもしれない」と語った。

Advertisement

ペンティネン氏は、この問題が北半球における次の冬に向けたワクチンに影響する可能性は低いと話す。その成分については、すでに2月に合意が得られているからだ。

 必要とされる数百万人分のワクチンを生産するには数カ月を要するため、ワクチンの成分に関する決定は早めに下される。

<過少報告の可能性も>

 インフルエンザ関連の死者についてのデータはまだ提供されていないが、当初の推測では、今年の死亡率はかなり低くなると示唆されている。

 欧州11カ国のデータによれば、今シーズンに集中治療室での治療が必要とされたインフルエンザ患者は4000人であり、過去2シーズンの同時期に比べ、約半分にとどまっている。

 デンマーク国立血清研究所の感染症専門家ラッセ・ベスターガード氏によれば、3月上旬に厳しいロックダウンを開始したデンマークでは、例年は1000人前後を数えるインフルエンザによる死者が、この冬はごくわずかだったという。

 ロイターの集計によれば、新型コロナウイルス感染症によるデンマークでの死者は、4月20日時点で355人となっている。

 EUのデータや専門家によれば、新型コロナウイルスという要因がなかったとしても、今季のインフルエンザ流行は緩やかなものだった。感染判明のピークは1月末、その後は症例が急速に減少している。3月末、欧州全域でロックダウンが実施されて数週間を経た時点では、インフルエンザ感染発生の報告はほとんど見られなくなっていた。

 東京大学と国立感染症研究所の専門家らが今月公表した調査によれば、日本でもこの冬は、恐らくマスク着用や手洗い励行などの新型コロナ対策の効果により、季節性インフルエンザの活動が低調だったとされている。

 ロックダウンがインフルエンザの感染を阻んでいるようにも見えるが、症例の過少報告によって、見かけ上、このように早めのシーズン終了になっている可能性もある。新型コロナウイルス感染症がまん延しているなかで、インフルエンザでも症状が軽めの人は概ね病院に向かうことを避けている、とする専門家の声もある。

(翻訳:エァクレーレン)