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国内のコロナ、武漢ではなく欧州から伝播? 感染研調べ 新型コロナウイルス 朝日新聞 野口憲太 2020年4月28日 18時04分

2020-05-06 15:33:21 | 記録
 日本は、ダイヤモンド・プリンセス号由来の株は、その後出現しておらず、封じ込めできたと思われる。14時間毎に変異する新型コロナウィルスの欧州由来の株の封じ込めはこれからだ。これまで以上に油断せず、3密を避け、マスク、指を立てて洗浄液を受け手首まで洗い、外出を控えて自他ともに感染する機会を減ずる努力をしよう。
 東北地方は感染抑制が上手くいっており、岩手県は0だ。今後も協調して抑止力を高めよう。

   https://www.asahi.com/articles/ASN4X5V9PN4WULBJ00X.html
  国立感染症研究所(感染研)は27日、3月以降に国内で広がっている新型コロナウイルスは、欧州などを経由してもたらされた可能性が高いとする研究結果を公表した。検査で陽性と判定された国内の約560人の検体から、ウイルスのゲノム(全遺伝情報)を解読した。

 世界各国からデータベースに登録された患者約4500人のウイルスの情報も取得。そのうえで遺伝子の特徴を分析した。

 その結果、国内で初期に発生した複数のクラスター(感染者集団)やクルーズ船ダイヤモンドプリンセス号の患者から検出されたウイルスは、1月初旬に中国・武漢市で検出されたウイルスと関係が深いと推定された。このウイルスは3月以降、国内で広がることはなく、終息したとみられるという。

 一方、これに代わって国内で確認されるようになったウイルスは、武漢市で確認されたウイルスよりも、欧州各国で感染を広げたウイルスの遺伝子に特徴が近かった。3月以降、欧州など海外からの旅行者や帰国者を通じて全国各地に広がった可能性があるという。

 感染研は、こうしたウイルスの広がりなどを示した遺伝情報の関係図をインターネット上(https://gph.niid.go.jp/covid19/haplotype_networks別ウインドウで開きます)で公開している。(野口憲太)


<新型コロナは14日ごとに変異 感染研が分析 武漢株より怖い欧州株を食い止められるか
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20200428-00175783/
木村正人 | 在英国際ジャーナリスト2020年4月28日(火) 21:31>


[ロンドン発]国内外の患者5073人から収集された新型コロナウイルスのゲノム情報を解読した結果、1年間で25.9カ所に塩基変異が起きると推定されることが国立感染症研究所(感染研)の調査で分かりました。単純計算で平均14日に1度のペースで変異していることになります。

 欧米の医学者らが運営する新型コロナウイルスのゲノムに関する専門サイト「ネクストストレイン」に登録されているのは3650人分なので、それよりもサンプルが多くなっています。ネクストストレインのデータでは、変異のスピードは平均15日に1度とみられていました。

 新型コロナウイルスは一本鎖プラス鎖RNAウイルスで全長29.9 キロベース(kb)。塩基1個を1b(ベース)と表すので29.9kbとは29.9×1000(k)=2万9900個の塩基から構成されることを意味しています。

 2020年4月16日までに登録された国外患者4511人の新型コロナウイルスのゲノム配列と国内患者562人のそれを解読。その結果、中国湖北省武漢市で2019年末に発生してから約4カ月間にゲノム全域に少なくとも9塩基ほどの変異がランダムに起きていることが示唆されたそうです。

 感染研のHPに掲載された系統樹を見ると、日本国内での感染の広がりが「見える化」されています。 感染研のHPより

 1月初旬に武漢市で発生したウイルス株(武漢株)を基点に日本各地に初期のクラスターが複数発生したものの、すでに消失へと転じていることが確認されました。

 2月5日から本格的な検疫を開始したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で確認された陽性患者のうち70人の新型コロナウイルス・ゲノム情報を武漢株と比較したところ1塩基のみ変異していたそうです。

 ダイヤモンド・プリンセスを基点とする株は今のところ乗員乗客以外から検出されていません。つまり日本は14人の死者を出したもののダイヤモンド・プリンセス集団感染の封じ込めに成功したことになります。

 一方、世界では欧州や北米で感染爆発が起き、日本でも欧州株を基点とした新型コロナウイルス株が検出されるようになりました。

 日本は「中国」「湖北省」「武漢市」をキーワードに絞り込みがしやすかった中国経由の第一波を封じ込めたものの3月中旬以降、欧米経由の第二波の輸入症例が国内で広がっている恐れが強いようです。

 ニューヨークなどアメリカ東海岸やイタリア、スペイン、フランス、英国など欧州で流行している欧州株は武漢株より深刻な被害を出しています。さらに輸入症例からの広がりは感染経路がたどりにくいだけに一段の警戒が必要です。

 日本は空港や港など水際作戦の徹底や国家緊急事態宣言による外出自粛で危険な欧米経由の第二波を食い止められるかどうかの正念場に立たされています。
(おわり)

新型コロナ死者 英で2万9000人超 伊を上回り欧州最多 
NHKニュース 2020年5月6日 5時55分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200506/k10012418921000.html


 新型コロナウイルスの感染が深刻な状況にあるイギリスでは、ウイルスに感染して亡くなった人が2万9000人を超え、ヨーロッパでは最も多くなりました。

 イギリスの保健当局の発表によりますと、新型コロナウイルスに感染して亡くなった人は、4日までの24時間に700人近く増えて2万9427人となりました。

 その結果、亡くなった人の数はアメリカに次いで2番目に多く、ヨーロッパではイタリアを上回って最も多くなりました。

 イギリスでは新型コロナウイルスの感染拡大のピークは過ぎたものの、介護施設で亡くなる人が増え続けていて、依然として深刻な状況です。

 イギリス政府は、感染の有無を調べる検査が不十分だという批判を受けて、1日10万件を目標に検査件数を増やしていますが、政府でウイルス対策にあたるバランス首席科学顧問は5日、議会の委員会で、「検査をもっと早い段階で拡充できていたら、よかっただろう」と述べ、これまでの検査の不備を認めました。

 ジョンソン首相は、1か月以上続く外出制限などの措置の緩和について今月10日に演説を行い、国民に説明する予定ですが、経済活動の再開を求めるビジネス界からの圧力も強まる中、厳しい判断を迫られています。

イギリスの死者、イタリアを抜いて欧州最多に 新型ウイルス
https://www.bbc.com/japanese/52554674


 イギリスで5日、新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)の死者がイタリアを抜いて欧州で最多となった。この日までの死者数は2万9427人で、ドミニク・ラーブ外相は「大きな悲劇だ」と語った。

 イタリアはこれまで欧州で最も死者数が多かったが、この日までの死者数は2万9315人だった。同国とイギリスはともに、新型ウイルスの検査で陽性反応とされた死者を集計している。

 しかし専門家からは、世界全体で死者数などを比較するにはあと数カ月は必要だと指摘する声も出ている。

 BBCのロバート・カッフェ統計部長は、死者数の増加スピードはイタリアよりもイギリスの方が速いと指摘。

 一方で、イギリスの人口は約6700万人とイタリアよりも10%ほど多く、単純な比較には注意が必要だと述べた。

 さらに、両国では検査方法も異なっており、イタリアの方が全体の検査数は多いという。

 BBCのニック・トリグル保健担当編集委員は、死者の分布も異なると言及。イタリアでは死者の半数がロンバルディア地方に集中しているが、イギリスでは全国に分散していると述べた。

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イギリスでは貧困地域ほど死亡率高い=政府統計局 新型コロナウイルス

 定例会見でラーブ外相は、2万9427人の命が失われたことは「大きな悲劇」であり、イギリスでは「こうした形、こうした規模での死は(中略)前例がない」と述べた。

 しかし国同士の比較については、「パンデミック(世界的流行)が終わるまで、そして特に全死因に関する国際的かつ包括的なデータが出て来るまでは、各国がどれほど健闘したかの判決は出ないと思う」と述べた。

 英ケンブリッジ大学のデイヴィッド・スピーゲルハルター教授は、報告されている新型ウイルスでの死者数が、本当の数を「大きく下回っている」ことは「確か」だと話した。

 「欧州のどの国も成功しているとは言えないが、これはユーロビジョン(欧州各国による歌合戦番組)ではないし、ランク付けすることに意味はない」

 「唯一意味のある比較は、国ごとに年齢構成による変動調整を行った上で、全死因に関する超過死亡を見比べることだが、それでも数字の違いの原因を突き止めることは非常に難しいだろう」

 政府とは別に国家統計局(ONS)が発表している統計によると、4月24日までの新型ウイルスによる死者は2万7300人となった。4月24日以降にONSに報告された死者数を含めると、全体の死者は3万2000人以上になるという。

 ONSでは死亡届に記載された死因を基に統計を出している。また検査を受けていなくても、医師がCOVID-19の疑いがあると判断した場合の数も含めている。

 イギリスではこれまでに138万3842件の検査が行われた。5日の検査数は8万4806件と、政府が目標とする1日10万件を切っている。

 マット・ハンコック保健相は4月初めにこの目標を設定。5月1日と2日は達成したものの、ここ3日間は下回っている。
一家の3人が亡くなるケースも

 イングランド北部サウス・シールズでは、新型ウイルスによって一家の3人が亡くなるケースがあった。

 30年以上にわたって看護師として働いていたキース・ダニントンさん(54)は、4月19日に自宅で亡くなった。その後5月に入り、母親のリリアンさん(81)と その夫のモーリスさん(85)が相次いで亡くなったという。

 イギリスではこれまでに100人以上の医療従事者が新型ウイルスの犠牲になっている。

 また、介護施設での死者も多数報告されており、北アイルランドでは同じ施設の14人が、COVID-19の関連する症状で死亡した。

イギリスのその他の状況は以下の通り。

現地紙デイリー・テレグラフはこの日、政府の非常時科学諮問委員会(SAGE)でロックダウン(都市封鎖)政策に関わっていたニール・ファーガソン教授の「結婚している恋人」が、ロックダウン中にファーガソン氏の自宅を訪れていたと報道。ファーガソン氏は「判断の誤り」と、政策を「損なった」ことを理由に、政府顧問を辞任した
イギリスとアメリカのサイバーセキュリティー当局は共同声明を発表し、新型ウイルス対策に関わっている医療従事者を標的としたサイバー犯罪に注意するよう呼びかけた
英航空大手ヴァージン・アトランティックがイギリス国内の従業員の3分の1を整理すると発表した

絶望のイタリア尻目に「自国ファースト」強める国 新型コロナ、EUを揺さぶる
https://globe.asahi.com/article/13341913 朝日新聞2020年5月4日

鎖国」前夜のパリを歩いた
新型コロナウイルスへの恐怖から、人の往来を遮断する動きは、中国に続いて感染の中心地となった欧州にも広がった。「国境なき欧州」という地域統合の理念をよそに、入国規制を始める国が相次ぐなか、3月中旬、外出禁止措置直前の緊迫するフランス・パリを訪れた。(太田航、文中敬称略)

 フランス・パリの象徴、エッフェル塔で聞こえてきたのは野鳥のさえずりばかり。足元を流れるセーヌ川沿いや公園まで見渡しても、人影は数えるほどだ。入場口には「新型コロナウイルスのため当面の間閉鎖します」との表示。3月16日のパリで目にしたのは、世界一の外国人観光客数を誇る観光大国の変貌ぶりだった。

 記者(太田)は別の取材でイタリアに出張する予定だったが、感染リスクの高まりで断念。フランスでの新型コロナ関連の取材に変更した。マスクや消毒綿を多めに持参してパリの街に入ったが、状況は想定外の速さで悪化していた。

 ベンチに座って力なく塔を見上げていたのはコロンビアから来たダニエル・ロハス(26)。「休暇のはずが、悪夢になった」。欧州各国を巡る旅の途中、この日、憧れのパリに到着したばかり。だが、外出禁止になりそうだと、急きょ、夜の便でオランダに飛ぶと決めた。「せめてシャンゼリゼ通りは見たい」と、スーツケースを引いて歩き去った。

 サンジェルマン・デ・プレでは、老舗カフェの「レ・ドゥ・マゴ」が閉まっていた。政府が前日の15日から生活必需品を扱わない商店や飲食店の営業を禁止していた。フランスの哲学者サルトルや米国出身の作家ヘミングウェーら世界中から集まった思想家や芸術家らがパリのカフェで語り合ってきた。通訳のセザール・カステルビが嘆いた。「カフェが閉じたパリなんて信じられない」

そんな中、スーパーは買い物客で混雑していた。夕食を買いに行くと、最初の店は入店規制で20人ほどの列。別のスーパーでは列に並ぶと、店員が「一緒ですか?」。前の人と別会計なら1メートル以上離れてほしいという。前日には言われなかった。急速な警戒感の高まりを実感した。

 ホテルに戻ると、マクロン大統領が17日正午からの外出禁止措置を発表した。もはや取材は難しい。日本に戻れなくなる心配もあった。急いで帰国便を探し、翌朝、慌ただしくパリを飛び立った。

 揺れる欧州の理念

 2度の世界大戦の舞台となった欧州。パリは、その反省から生まれたEU(欧州連合)の出発点でもある。何度も敵対したフランスとドイツが手を握り、1951年のパリ条約で欧州石炭鉄鋼共同体が発足。戦略物資の「主権」を譲る画期的なアイデアだった。それを受け継いだEUは、大半の加盟国と周辺国の一部で往来を自由化して「国境なき欧州」を実現。通貨統合も含め、かつてないレベルで民主的な地域統合を成し遂げた。パリの国際経済予測研究センターのセバスチャン・ジャンは「移動の自由はEU一体性の要。今回の危機にも協調して対応する必要がある」と話す。

 だが、ウイルスへの恐怖がEUの理念を揺さぶっている。一部の国が入国制限を始め、主要国ドイツにも広がった。ユーロ危機、難民危機に続き、EUは再び加盟国の結束を問われている。

 欧州政治に詳しい北海道大公共政策大学院長の遠藤乾は「イタリアにはルサンチマン(恨み)が蓄積している」と指摘する。

 新型コロナの被害が集中し、街に遺体があふれるような絶望的な状況になった イタリアを尻目に、EU主要国のドイツまでもがマスクの輸出制限に踏み切るなど、「自国ファースト」の姿勢を強めた。その後、ドイツによる医療支援も始まり、ユーロ圏で5400億ユーロ(約63兆円)の緊急財政支援策に合意を見たことでEUは面目を保った形だが、苦境の加盟国を支援するEUの「コロナ債」発行では、被害が大きいイタリアやスペイン、フランスと、ドイツやオランダなどが対立し、EUの南北問題が再燃している。

 EU市場や通貨統合の恩恵を受けて富を増してきたドイツなど北部の国々に対し、これまでもイタリアなど南欧の国々には、ユーロ危機や難民危機でも支援が少ないとの不満があった。19年の欧州委員会の世論調査では、EU全体で68%が加盟を「利益になる」と回答したが、イタリアでは41%と、加盟国で唯一、「利益にならない」(49%)を下回った。こうした世論を背景に、イタリアではEUに懐疑的な右派勢力も台頭している。

 遠藤は「危機の時は、例外的に国家主権が前面にせり出してくる。それを最小限に抑える枠組みとしてEUは機能してきた」と評価する。ただ、「今後、金融などで危機が深まる可能性は高い。うまく対応できなければ、EU内の分断が広がりかねない」と懸念する。
(太田航 東京都出身。2001年に朝日新聞入社。名古屋、東京、大阪の社会部などを経て、GLOBE編集部

 

フランスで昨年末に新型コロナ患者 医師らが検出 CNN.co.jp2020年5月5日(火) 13:20配信

2020-05-05 22:57:43 | 記録
 過日、欧州から米国へ運ばれ、中国に飛んだ新型コロナウィルスについての移動のビッグデータの分析が配信されていて、人口過密地どうしの移動による感染拡大を考えると人と人との接触の多い今の世界が危機を迎えることが予測された。この分析では、2019年11月〜12月頃の発症が考えられると言うことだったと思う。CNNの配信は、ほぼこの分析結果が正しかったことを伝えている。

「(CNN) 仏パリの病院が昨年末に採取していた入院患者の検体から、新型コロナウイルスが新たに検出された。同国で最初の感染例が報告される数週間も前から、新型ウイルスが存在していたことになる。

パリ北郊のセーヌサンドニ県にある病院の集中治療専門医らが3日、抗菌薬の専門誌IJAAに発表した。

同病院のチームは昨年12月2日から今年1月16日までの間にインフルエンザのような症状で入院し、最終的にインフルとは診断されなかった患者らについて、凍結保存されていた検体を調べた。

その結果、アルジェリア生まれの男性(42)から採取していた検体で新型ウイルス陽性の反応が出た。

男性は長年フランスに住み、魚売りの仕事をしてきた。外国旅行は昨年8月にアルジェリアを訪れたのが最後で、中国に行ったこともなかった。男性の子どものうち1人も体調を崩していたという。

チームは、この患者に中国とのつながりや渡航歴がないことから、12月末の時点でフランス国内に感染が広がっていたことがうかがえると指摘する。

同国の公式発表としては1月24日、中国・武漢市への渡航歴がある2人の感染が報告されたのが初めてだった。

欧州で最大の被害が出たイタリアでも、1月31日にローマで中国人観光客2人の感染が確認されたのが初の症例とされる。国内での感染例は2月末になって北部コドーニョで報告された。

新型ウイルス感染が最初に確認されるより前から感染者や死者が出ていたかどうかについては、米国でも同様の研究が始まっている。」

塩野義製薬、新型コロナの治療薬開発へ複数のヒット化合物を同定 日経バイオテク 2020.04.15

2020-05-04 22:04:32 | 記録
 新型コロナウィルスの抗体検査薬は、スイスのRoshe社が開発し、ほぼ100%の正確性で米は承認している(5/3)。検査キットの販売は、タカラバイオ(5/1)と島津製作所(5/20・保険適用承認済)が開発し、結果は約1時間で分かると言う。治療薬とワクチンは塩野義が開発中で、治療薬は北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターとの共同研究でワクチンは秋田市御所野などにある傘下のUMNファーマが参画している。
 治療薬とワクチン開発の詳細報道を掲載する。

 「塩野義製薬は、2020年4月14日、同社と北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターとの共同研究において、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)株を用いた低分子化合物のスクリーングを実施し、複数のヒット化合物を同定したことを明らかにした。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する治療薬として実用化することを目指し、開発を進める。

 同社は、感染症を重点領域の1つに位置付けており、これまでも季節性のコロナウイルスに対する創薬研究などを行ってきた。今回の新型コロナウイルスに対しては、治療薬の開発を目指し、北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターと共同研究を進めている。

 共同研究では、2019年12月ごろから、新型コロナウイルスと同じ、β属のコロナウイルスの既存株(OC43株)に、同社の化合物ライブラリーに保存されている低分子化合物を添加して、ウイルスの活性を抑えるかどうかを調べる化合物のスクリーニングをスタートさせ、幾つかの化合物を同定。2020年3月以降は、SARS-CoV-2株を用いた低分子化合物のスクリーニングを行い、ウイルス活性を抑える複数のヒット化合物を見いだしたという。そのうち1つのヒット化合物の50%効果濃度 (EC50)は、0.10μMだった。塩野義製薬は今後、同定された複数のヒット化合物について、構造活性相関の解析や標的分子の同定などを行い、毒性を考慮しつつ、化合物の修飾を進める。並行して、原薬の製造などの検討も行う。

 同社は、COVID-19に対する治療薬の研究開発を最優先プロジェクトの1つとして位置付けており、「最短で2020年度内の臨床試験の開始を目指す方針だ」(広報担当者)。ただ、「低分子化合物の開発は、非臨床での毒性の評価などにそれなりの期間を要するため、まだ先はかなり長いと考えておいた方が良いだろう」と業界関係者は話している。

 なお、新型コロナウイルスに対しては、日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受けて、国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センターの長谷川秀樹センター長が進めているCOVID-19の予防用ワクチン開発に、2020年3月から、塩野義製薬のグループ会社であるUMNファーマが参画。研究開発の詳細や開発段階は明らかではないが、感染の足掛かりとなるスパイク蛋白質を抗原とした組換えワクチンを開発しているのではないかと推測されている。 」

新型コロナ 新たな戦略で「死なない病気」に 朝日新聞20200504

2020-05-04 14:02:06 | 記録
1)現在の治療薬として治験し、保険適用の治療薬となる可能性のある薬剤
2)新型肺炎罹患後ー間質の血液細胞サイトカインの暴走=毛細血管漏出ー
3)重篤にならないには、早期発見(ECOM装着で65歳以上97.2%死亡)
など、今必要な知見が網羅されており血液学の立場からの貴重な情報である。
必読!!と考えられ記録として残す。

 「新型コロナウイルスの治療薬として、さまざまな薬が候補にあがっており、抗ウイルス薬「レムデシビル」は月内にも承認されそうだ。難治性血液疾患などを専門とする小島勢二・名古屋大名誉教授は、新型コロナと立ち向かうには、抗ウイルス薬や、免疫を抑える薬とともに、第三の薬として「毛細血管に働きかける薬」が有効かもしれないという。新型コロナでは一部の患者が重症化することが指摘されているが、この薬は重症化の防止につながる可能性があるという。どういうメカニズムなのか。小島さんが解説した。

人工呼吸器つけても65歳以上 97%死亡

 緊急事態宣言が出されてからもうすぐ1カ月。いまだに、新型コロナウイルス感染が収束するめどはたっていない。そのため政府は、緊急事態宣言を1カ月程度延長する方針だ。

 これまでの新型コロナウイルス感染拡大への対策は、人との接触を極力削減して感染機会を減らすことに主眼が置かれてきた。さらに、重篤な症例は集中治療室(ICU)で管理して、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO)による救命治療が行われてきた。医療スタッフや医療機器の不足から、一部の地域においては医療崩壊が現実のものとなっている。

 米国医師会雑誌によると、ニューヨークで治療された5700人の新型コロナウイルス感染患者のうち、320人が人工呼吸管理を必要としたが、その死亡率は18歳~65歳では76・4%、65歳以上では、実に97・2%に達している。

 一方で人工呼吸管理を必要としなかった患者の死亡率は、18~65歳では19・8%、65歳以上では26・6%であった。

 ICUで呼吸管理をしても65歳以上では97%が救命できていないという事実を考えると、医療資源やマンパワーの多くを重篤なICU管理の患者に注ぐことには、考え直す余地がある。

重篤な患者を減らすには

 では、どうするべきか。

 医療者は、極力、呼吸管理を必要とする重篤な状態になる患者を減らすことに力を注ぐべきである。感染機会を減らすための休業措置やICUでの重篤患者の管理と比較して、医療や社会に与える負担はずっと少なくてすむ。

 新型コロナ肺炎の経過は、通常の肺炎と大きく異なる。せきや発熱などの風邪症状を訴えていた患者が、急に呼吸困難に陥る。多くの患者は、その息苦しさを、「まるで水におぼれたようだ」と表現している。

 実際、肺に何が起きているのだろう。

 肺は非常に目の細かいスポンジ状の組織で気管支の末端には「肺胞」という空気がたまる小さな袋がある。肺胞の壁は「間質」と呼ばれ、周りには毛細血管が網の目のようにはりめぐらされ、酸素をとりこみ二酸化炭素を取り出すガス交換をしている。

 中国の武漢の病院が発表した新型コロナによる肺炎患者の顕微鏡写真によると、肺胞の壁が厚くなり、肺胞内には水がたまっていた。肺炎で死亡した直後の顕微鏡写真には、液体が肺胞にたまる「肺浮腫」がうつっていた。重度の呼吸不全の急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の所見である。

 こうした顕微鏡画像から想像するに、新型コロナ肺炎が急激に悪化するのは、肺の間質に集まった血液細胞から、免疫にかかわる「サイトカイン」と呼ばれるたんぱく質が過剰につくられ、免疫が暴走するためだと考えられる。この点については、多くの研究者の意見は一致している。

 新型コロナ肺炎においては、間質に集まった血液細胞から出たサイトカインによって血管の細胞が傷つき、毛細血管漏出が起こることにより肺胞内に水分が漏れ出てしまう。その結果、肺胞と毛細血管とのガス交換ができなくなっていると考えられる。急激な呼吸困難の発症や、高齢者に多くみられることも、こう考えれば説明がつく。

 つまり、新型コロナウイルス肺炎の治療は①ウイルス感染②免疫の抑制③毛細血管漏出――の三つがターゲットとなる。

 抗ウイルス薬については、さまざまな薬で臨床試験が進んでいる。

 レムデシビルは、海外での承認を前提に、日本でも特例承認の手続きに入った。

 日本を含め、欧米の各国で人道的立場から53人の新型コロナウイルス患者に使われた結果が報告されている。53人のうち、30人は人工呼吸器、4人はECMOの装着が必要となった。2週間の経過観察で、36人は症状が改善し、17人は人工呼吸器、3人はECMOを使う必要がなくなった。死亡例は、呼吸管理が必要だった患者では6人であったが、呼吸管理を必要としない患者では1人に過ぎなかった。

 さらに、4月29日には、1063人を対象としたギリアド・サイエンシズ社の国際治験の中間報告が発表された。これによると、症状が回復するまでの期間は、偽薬を使ったグループでは平均15日だったが、レムデシビルを使ったグループでは平均11日に短縮した。ただ、死亡率は統計的に意味のある差はみられなかった。

 一方、同日に発行された英ランセット誌には中国での試験結果が報告されたが、明確な効果は示されなかった。レムデシビルを使った158人と偽薬を使った79人を比較した結果、症状改善までの日数、死亡率ともに統計的に意味のある差はなかった。

 アビガンは富士フイルム富山化学が開発し、インフルエンザ治療薬として国内で製造・販売が承認されている。ただ、妊娠中の人が使うと胎児に異常が出る恐れがあることから一般には販売されていない。わが国では、すでに2千人を超える新型コロナウイルス患者に、観察研究の枠組みで使われている。わが国で使われた346人について、主治医の主観で2週間後の状態を評価したところ、軽症患者では90%、中等症患者で85%、重症患者では61%に改善が見られた。

 抗エイズ薬であるカレトラは、中国から中等症患者を対象にした比較試験の結果が報告されたが、臨床症状の改善やウイルスを除去する効果は見られていない。

 プラケニルはマラリアの薬であるが、試験管内で抗ウイルス作用のあることが発見され、治療薬として期待されている。トランプ大統領は、感染拡大の状況を一変させる「ゲームチェンジャー」として推奨している。しかし、ブラジルからの比較試験の報告では、投与量を変えても効果は変わらなかった。

 これまでのところ、ウイルス減少効果を含め確実に効果が確認された抗ウイルス薬はないが、効く仕組みを考えると、発症の早期から使うことが必要であろう。人工呼吸器やECMOを必要とする患者では、その効果は限定的だと思われる。
「第三のターゲット」への期待

 免疫系の過剰反応を防ぐ薬としては、アクテムラという関節リウマチの治療薬が、わが国で承認されている。すでに、国内や中国の施設で重症の新型コロナ肺炎患者に投与され、効果があったとの報告もあり、現在、日本および海外での治験が始まっている。

 こうした状況の中、「第三のターゲット」として、毛細血管漏出を防ぐ効果があるのではと期待されている未承認薬がある。オーストリアのベンチャー企業が開発した「FX06」だ。

 FX06は、血液の凝固にかかわるたんぱく質「フィブリン」に由来しており、天然に存在するアミノ酸が鎖状につながった分子(ペプチド)だ。血管内皮細胞に作用して、毛細血管から血液成分が漏れるのを防ぐ作用がある。エボラ出血熱で人工呼吸器が必要となった患者にこの薬を使ったところ、毛細血管漏出が改善し、救命できたという症例の報告がある。また、200人を超える心筋梗塞(こうそく)の患者を対象にした臨床試験では、薬の安全性が確認されている。現在、ヨーロッパでは、人工呼吸管理が必要な重症の新型コロナ肺炎の患者を対象に、臨床試験が始まっている。

 新型コロナウイルスは、想像以上に広がっていることが予想される。

 過去に感染したことを示す抗体検査が米ニューヨーク市の住民に行われたが、陽性率は21%と、およそ5人に1人はすでに新型コロナウイルスに感染しているという結果だった。同様に、カリフォルニア州サンタクララの住民の陽性率は、2.5%から4.2%で、PCR検査で確定した新型コロナウイルス感染者数の50~85倍に達することが明らかになった。ニューヨークと同様に、東京でも想像した以上に新型コロナウイルスが広がっている可能性はある。

 抗体検査の結果が正しいとすれば、新型コロナウイルスへの感染はかなり広がっており、もはやクラスター対策は意味をなさないと言える。一方で感染しても大部分は無症状で、ICU管理が必要な患者は、ごく少数なのであろう。

 つまり現時点では、呼吸管理を必要とするような重症例になるのを防ぐ治療法の開発が、最優先されるべきだ。新型コロナウイルス感染が死なない病気になれば、多くの問題は解決する。新型コロナ肺炎の病態を考えると、ウイルスの減少効果が証明された抗ウイルス薬の早期使用と、免疫を抑える薬と毛細血管から血液成分が漏れるのを防ぐ薬を併用することが、最も有望と考えられる。

 ちなみに、先に紹介したカレトラの臨床試験は、武漢の1病院がわずか2週間で完了しており、その結果は、世界で最も権威ある医学雑誌の米ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された。よく練られた研究デザインのもとに、新型コロナ感染に立ち向かう臨床医の参加と国民の理解があれば、速やかに、現在、世界が最も必要とする薬の開発につながるだろう。臨床医の立場から、可能性のある治療薬の一刻も早い臨床試験の実施を切望する。(構成・岡崎明子)」

 <こじま・せいじ 名古屋大学名誉教授・名古屋小児がん基金理事長。1976年、名古屋大学医学部卒。専門は血液腫瘍(しゅよう)学。小児がんや難治性血液病の新しい治療法の開発に携わる。>

クルーズ船調査 無症状の人の部屋からも新型コロナ遺伝子 2020年5月3日 17時22分

2020-05-04 00:17:39 | 記録
NHK BS!ニュース2020年5月3日(日)22:50を記録する。

このニュースの注意点は、感染して症状の見られない人の部屋からも症状の出ている人と同様に新型コロナウィルスのDNAがでたこと(床・枕・ドアノブ・テレビのリモコン)で感染者は、ウイルス汚染対象者になることや汚染を広げない為には手洗い・マスク・手袋が大事なことである。

 「新型コロナウイルスの集団感染があったクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で感染が確認された人の客室を国立感染所研究所のグループが調べたところ、症状が出ていなかった人が滞在していた部屋からも新型コロナウイルスの遺伝子が検出されたことが分かりました。
この調査は国立感染症研究所の山岸拓也室長らのグループが行いました。

 グループでは、多くの感染者が出た「ダイヤモンド・プリンセス」で乗客が下船したあと、客室内のどのような場所からウイルスの遺伝子が検出されるかをPCR検査を使って調べました。
 その結果、感染者が滞在した33部屋のうち21部屋でウイルスの遺伝子が確認されたということです。

 詳しく見てみますと、ユニットバスのトイレの床からは全体の39%にあたる13部屋で、ベッドの枕からは34%に当たる11部屋で、またテレビのリモコンからは21%に当たる7部屋でウイルスの遺伝子が検出されました。

 また、このうち感染は確認されたものの、検査をした当時症状が出ていなかった人が滞在していた13部屋については、54%に当たる7部屋のトイレの床から、38%に当たる5部屋の枕から、23%に当たる3部屋のリモコンから、それぞれ検出されたということです。
 
 感染していない人の部屋からはいずれもウイルスは検出されませんでした。

 調査を行った国立感染症研究所の山岸室長は「症状のある人からも、ない人からも同じような場所から同じ頻度でウイルスが検出されたということが今回の重要な発見だ。無症状の人からもたくさんのウイルスが出ている可能性があり、清掃や消毒をしっかり行っていく必要がある」と指摘しています。

 症状が出る前に他人に感染の報告 濃厚接触者の定義も見直し

 新型コロナウイルスに感染した人の中には、発熱などの症状がみられない無症状の人が報告されています。

 国立感染症研究所の報告では、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客でPCR検査で陽性と判定された人のうち、51%に当たる318人が検体が採取された時点では無症状でした。

 海外でも、中国の保健当局が先月14日までの累計で6700人余りの無症状の感染者がいたことを公表しています。

 こうした無症状の人から感染がどの程度広がるおそれがあるのかは、まだよく分かっていません。

 ただ潜伏期間中のため検査時点では無症状だったものの、その後発症した人については、症状が出る前からほかの人に感染していたという報告があります。
 シンガポールの研究グループは、国内のケースの調査で症状が出る前にほかの人に感染した例があったとして、発症前の潜伏期間でも対策を取るべきだと指摘しました。

 このほかにも体内のウイルスの量は、発症の数日前から増えているという研究結果が各地のグループから報告されています。

 WHO=世界保健機関でも、はっきりとした症状が出てくる3日から1日前にウイルスの検査で陽性となることなどから、潜伏期間中の感染は起こり得るとしています。

 このため感染者との接触について、「症状が出る2日前から1メートル以内で15分以上接触した人」などと定義を見直しました。

 また厚生労働省も先月、「濃厚接触者」についての定義を「発症の2日前から」と改めています。」