中世のヨーロッパでペストが猖獗を極めた時、人々は天に祈りを捧げると共に超自然的な力にすがろうとしたと思われる絵画がある。2020年開催予定だったが新型コロナウィルスの蔓延で日延べになっている「ロンドンナショナルギャラリー展」で展示される予定のイタリア中部マルケ地方で活動していたカルロ・グリエッリの「聖エミデウスを伴う受胎告知」(1496年)は、上空のUFOのような飛翔体が鳩を通じてマリアにお告げを仲介している。足元に「教会の自由」とラテン語が刻まれ、白百合を手にひざまずく大天使ガブリエルや市の模型を手にする聖エミデウスをはじめ描かれている人々は、右手で天を指している。装飾的な意匠を尽くした画面は硬質で透視図法が緊張した雰囲気を伝えている。「受胎告知」の祝日3月25日に教皇領のアスコリ・ピチェーノ市が自治権を認められたことを記念して描かれた。
この絵は円盤型の物体が聖母マリアの頭上にレーザービームを当てているようにも見える。
コンピュータ科学者であるジャックス・ヴァレ氏は、「当時のキリスト教徒が実際に見た超常現象を、彼らなりに解釈したものかもしれないという見解を述べている。ヴァレはUFO研究者としてはトップクラスの知名度と影響力を持つ人物で、『未知との遭遇』のラコーム博士のモデルだとも言われている。ヴァレは「未確認の飛行物体」の目撃などは昔からあったと主張しているものの、それがエイリアンの宇宙船であるとはまったく考えていない立場の研究者だった。見たことも聞いたことも無い出来事が起こった時、彼らはそれをキリストの物語と関連づけて考えた。こうした絵画がエイリアンとの遭遇の証拠であると断言できないが、なんらかの超常現象を目の当たりにした中世の画家がそれを絵に取り入れたという解釈はできる。」
15世紀に描かれた、『聖母子と幼子聖ヨハネ』には、イエスを見つめる母マリアの背後に、緑色の奇妙な何かが空中に描かれている。また、ヴェッキオ宮殿博物館には他にも、崖の端にいる犬飼がドーム型のUFOのようなものを見上げている絵もある。ヨーロッパで14世紀から18世紀初頭にかけて描かれた絵画には、現代で言うUFOのような謎の飛行物体が描かれているものが多数存在する。
神を称賛し、キリストの生と死の物語を表現する宗教画が主流だったその時代に、なぜ画家たちはこのような物体を絵の中に取り入れたのだろうか。
バルカン半島最大の修道院、デチャニ修道院に『キリストの磔刑』(1350年)がある。キリストの両脇に奇妙な飛行物があり、その中にはパイロットらしき人間もいる。
アールト・デ・ヘルデルの『イエスの洗礼』(1710年)では、巨大な円形の物体がキリストに光線を当てている。これは、天使の梯子や天使の階段とも言われ、黄昏時に見られるが幸せの前兆とも言われ、前途への希望を象徴すると考えられる。
14世紀ごろの絵画に大きく影響を及ぼした出来事として、ルネサンス(文芸復興)がある。絵画では写実主義が興り、見た物を可能な限りそのまま描く芸術思潮があった。14世紀を境に、当時の画家たちが、天空に現れた謎の飛行物体を「そのまま天の使い」として描き始めたと考えることもできる。中世絵画に現れるこれらの飛行物体は果たして当時地球を頻繁に訪れていたエイリアンの船なのか?それとも当時の流行りなのか?タイムトラベルができるようになったら、是非その真相を確認しに行きたいものだ。
神や天使のモチーフとして配置したとしても、こうした絵画が多数存在する理由は不明だが、宗教画は4世紀にキリスト教に公認されたのを契機に広まり、ヘレニズムやオリエント文化の影響の元で成熟していったと考えられ、教会や有力者の注文に応じて作成され、数世紀を経た14世紀に円盤状の光や宇宙船のようなオブジェクトが現れ出した。
これらの超自然的なものに願いを託して、難儀な疫病を克服する縁としたのではないだろうか。
この絵は円盤型の物体が聖母マリアの頭上にレーザービームを当てているようにも見える。
コンピュータ科学者であるジャックス・ヴァレ氏は、「当時のキリスト教徒が実際に見た超常現象を、彼らなりに解釈したものかもしれないという見解を述べている。ヴァレはUFO研究者としてはトップクラスの知名度と影響力を持つ人物で、『未知との遭遇』のラコーム博士のモデルだとも言われている。ヴァレは「未確認の飛行物体」の目撃などは昔からあったと主張しているものの、それがエイリアンの宇宙船であるとはまったく考えていない立場の研究者だった。見たことも聞いたことも無い出来事が起こった時、彼らはそれをキリストの物語と関連づけて考えた。こうした絵画がエイリアンとの遭遇の証拠であると断言できないが、なんらかの超常現象を目の当たりにした中世の画家がそれを絵に取り入れたという解釈はできる。」
15世紀に描かれた、『聖母子と幼子聖ヨハネ』には、イエスを見つめる母マリアの背後に、緑色の奇妙な何かが空中に描かれている。また、ヴェッキオ宮殿博物館には他にも、崖の端にいる犬飼がドーム型のUFOのようなものを見上げている絵もある。ヨーロッパで14世紀から18世紀初頭にかけて描かれた絵画には、現代で言うUFOのような謎の飛行物体が描かれているものが多数存在する。
神を称賛し、キリストの生と死の物語を表現する宗教画が主流だったその時代に、なぜ画家たちはこのような物体を絵の中に取り入れたのだろうか。
バルカン半島最大の修道院、デチャニ修道院に『キリストの磔刑』(1350年)がある。キリストの両脇に奇妙な飛行物があり、その中にはパイロットらしき人間もいる。
アールト・デ・ヘルデルの『イエスの洗礼』(1710年)では、巨大な円形の物体がキリストに光線を当てている。これは、天使の梯子や天使の階段とも言われ、黄昏時に見られるが幸せの前兆とも言われ、前途への希望を象徴すると考えられる。
14世紀ごろの絵画に大きく影響を及ぼした出来事として、ルネサンス(文芸復興)がある。絵画では写実主義が興り、見た物を可能な限りそのまま描く芸術思潮があった。14世紀を境に、当時の画家たちが、天空に現れた謎の飛行物体を「そのまま天の使い」として描き始めたと考えることもできる。中世絵画に現れるこれらの飛行物体は果たして当時地球を頻繁に訪れていたエイリアンの船なのか?それとも当時の流行りなのか?タイムトラベルができるようになったら、是非その真相を確認しに行きたいものだ。
神や天使のモチーフとして配置したとしても、こうした絵画が多数存在する理由は不明だが、宗教画は4世紀にキリスト教に公認されたのを契機に広まり、ヘレニズムやオリエント文化の影響の元で成熟していったと考えられ、教会や有力者の注文に応じて作成され、数世紀を経た14世紀に円盤状の光や宇宙船のようなオブジェクトが現れ出した。
これらの超自然的なものに願いを託して、難儀な疫病を克服する縁としたのではないだろうか。