魚鳥木、申すか?申さぬか?

ぎょ・ちょう・もく、申すか?申さぬか?
申す!申す! 魚⇒ニシキゴイ。鳥⇒ニホンキジ。木⇒制定無し、花は桜と菊

老子『道徳経』を翻訳してみました。55

2017年10月24日 | 老子『道徳経』
英語と中国語を学ぶため 
老子『道徳経』を 翻訳してみました。
訳に間違いが有りましたら御教示下さい。


第五十五章
原文

含徳之厚、比於赤子。蜂蠆虺蛇不螫、猛獸不據、攫鳥不搏。骨弱筋柔而握固。未知牝牡之合而全作、精之至也。終日號而不嗄、和之至也。知和曰常、知常曰明。益生曰祥、心使氣曰強。物壯則老。謂之不道。不道早已。

英訳文
A person who has inner virtue enough is like a baby. Poisonous insects and snakes don't bite babies. Beasts and birds of prey don't attack babies. A baby's bones are weak, sinews are soft, but clenched fists are hard. Though a baby does not know about sexual intercourse, his penis can become erect. That's because his vigor is in the climax. Even if a baby cries all day long, he never gets hoarse. That's because the harmony of his body is in the climax. To know harmony is to know invariable way. To know invariable way is called "clear wisdom". To unnaturally lengthen life is ominous. To urge your spirits by thought is compulsion. The stronger a thing is, the sooner it declines. This is called "Not to follow 'the way'". If you do not follow "the way", you will be ruined soon.

書き下し文
含徳(がんとく)の厚きは、赤子(せきし)に比す。蜂蠆虺蛇(ほうたいきだ)も螫(さ)さず、猛獣も拠(おそ)わず、攫鳥(かくちょう)も搏(う)たず。骨は弱く筋は柔らかくして而(しか)も握ること固し。未(いま)だ牝牡(ひんぼ)の合(ごう)を知らずして而も全(さい)の作(た)つは、精の至りなり。終日号(さけ)びて而も嗄(か)れざるは、和の至りなり。和を知るを常と曰(い)い、常を知るを明と曰う。生を益(ま)すを祥(わざわい)と曰い、心、気を使うを強と曰う。物は壮(さかん)なれば則(すなわ)ち老ゆ。これを不道と謂(い)う。不道は早く已(や)む。

現代語訳
内なる徳を豊かに備えた人の有様は、赤ん坊に例えられる。赤ん坊には毒虫や毒蛇の類が刺したり噛み付いたりせず、猛獣や猛禽も傷つけようとはしない。骨は弱く筋肉は柔らかいが拳を握れば固い。男女の交わりも知らないのに陰茎がちゃんと勃起するのは、その精力が最高だからである。一日中泣いても声がかれないのは、その身体の調和が最高だからである。調和を知る事が常の道を知る事であり、常の道を知る事は「明らかなる知恵」と呼ばれる。無理に寿命を長くしようとする事は不吉であり、頭で気力を盛り上げようとするのは無理強いである。物事は勢いがあればそれだけ衰えるのも早いものだ。これを「道を弁えない行為」と言うが、「道」を弁えていないと早々に滅びが訪れる。

老子『道徳経』を翻訳してみました。56 へ続く。




ビジネスリーダーのための老子「道徳経」講義
田口佳史
致知出版社
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