魚鳥木、申すか?申さぬか?

ぎょ・ちょう・もく、申すか?申さぬか?
申す!申す! 魚⇒ニシキゴイ。鳥⇒ニホンキジ。木⇒制定無し、花は桜と菊

老子『道徳経』を翻訳してみました。58

2017年10月27日 | 老子『道徳経』
英語と中国語を学ぶため 
老子『道徳経』を 翻訳してみました。
訳に間違いが有りましたら御教示下さい。


第五十八章
原文

其政悶悶、其民醇醇。其政察察、其民缺缺。禍兮福之所倚、福兮禍之所伏。孰知其極。其無正。正復爲奇、善復爲訞。人之迷、其日固久。是以聖人、方而不割、廉而不劌、直而不肆、光而不耀。

英訳文
If a government is loose, the people will be pure and rich. If a government is strict, the people will be sly and poor. Bad luck brings good luck. Good luck brings bad luck. No one knows the end of luck. There is no common sense in this world. A common sense here can be senseless over there. A good thing here can be dubious over there. People have not realized these and are wandering for a long time. So the saint who knows "the way" never distinguishes right and wrong though he is right, never blames others though he is innocent, never forces others though he is steady, and never attracts others' attention though he is brilliant.

書き下し文

その政(まつりごと)悶悶(もんもん)たれば、その民は醇醇(じゅんじゅん)たり。その政察察(さつさつ)たれば、その民は欠欠(けつけつ)たり。禍いは福の倚(よ)る所、福は禍いの伏(ふ)す所。孰(た)れかその極を知らん。それ正なし。正は復(ま)た奇と為(な)り、善は復た訞(よう)と為る。人の迷えるや、その日固(もと)より久し。ここを以(も)って聖人は、方(ほう)なるも而(しか)も割(さ)かず、廉(れん)なるも而も劌(すこな)わず、直なるも而も肆(の)びず、光あるも而も耀(かがや)かず。

現代語訳
政治がおおらかで曖昧であれば人々は純朴で豊かに暮らす事ができる。政治が事細かにきっちりしていると人々は利を求めてピリピリする様になる。災いは福の始まり、福は災いの始まりでこの循環がどこへ行き着くかは誰も知らない。そもそもこの世に常識なんてものは無いのだが、こちらで常識であったものがあちらでは非常識となり、こちらでの善い事があちらでは怪しげな事になる。世の人々はその事に気づかずにずっと迷い続けているのだ。だからこそ「道」を知った聖人は、品行方正でありながら善悪を区別せず、清廉でありながら他人を非難せず、真っ直ぐでありながら他人に無理強いはせず、まばゆいばかりの智恵を持ちながら目立とうとはしないのだ。

老子『道徳経』を翻訳してみました。59 へ続く。




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田口佳史
致知出版社
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