1981年生まれ、タカハシヨーコ

半生を振り返りました。名前は全て仮名です。
男尊女卑、毒親、毒母、シックマザー、不登校

やけどの原因

2022-01-06 13:19:00 | 日記

弟がやけどをしたことで、母は病院に泊まり込むことが増え、

家に残された私は、祖母にあれこれと尋ねられた。


「どうしてあんなことになったの?

弟くんはなんでやけどしちゃったの?」


幼い私は正直に答えた。


「ママがカップラーメンを作ろうとしてお湯をわかして、

それでママがやかんを持ったとき、まちがえて弟くんにこぼしちゃったの」


母は料理をするのが嫌いで、カップラーメンを私達きょうだいによく食べさせていた。


家の跡取りである孫に大怪我をさせ、

その原因がカップラーメンと聞いて、祖母は激怒したのだろう。


後日、祖母から何かを言われた母は、

祖母に話をした私に対して怒り狂った。


「おばあちゃんに余計なことをいいやがって!」

「弟くんのことでお母さんはこんなに苦しんでいるのに、

なんでお前はお母さんをもっと苦しめる様なことをするの?」

「弟くんがカップラーメン食べたいって言うから作ろうとしただけなのに!」


母のヒステリーが一度始まるとなかなか止まらない。

母は泣きながら大きな声で私を怒鳴り続けた。


幼稚園児だった私には、自分が怒られている意味がわからなかった。

ただ、余計なことをしてしまった自分を責めながら、

嵐が過ぎ去るのを待っていた。


女に免許はいらない

2022-01-06 08:45:00 | 日記

 

「車の免許を持っていれば、弟君をすぐに病院に連れて行けたのに」

 

なぜすぐに病院に連れてこなかったのか

と、火傷をした弟の主治医に責められた母は、

その後何年もこう嘆いていた。

 

祖父(母の父)は、母に車の免許を取ることを許してくれなかったという。

母の兄と弟は、18歳になると当たり前のように自動車学校へ通ったが

女である母だけは、免許を取ることが許されなかった。

車必須の田舎でも、当時は珍しいことではなかった。

 

今の時代では信じられないような話だが、

1950年代生まれの母の時代は

女に免許はいらない・女は運転すべきでない、と考える人が存在したのだ。

少なくとも祖父はそうだった。

 

結婚した母は、一度は教習所に通おうと考えたこともあるらしい。

しかし今度は、同居する義父母に許してもらえず、

子供が生まれるとそれどころではなくなってしまった。

 

「幼にしては父兄に従い、嫁しては夫に従い、夫死しては子に従う」

どんなに理不尽なことであっても、

父・夫・義父母の言うことを素直に聞かなければ、女が責められた時代だった。