かりんとうの小部屋Z

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世界屠畜紀行

2016年11月05日 12時01分29秒 | BOOK
 力作であることは間違いない。よく取材している。特に日本の屠畜の話は面白かった。でも外国のはつまらなかった。著者の考え方にはあまり賛同できない。「私は屠畜に差別意識全然ありません!」みたいなスタンス。
 屠畜は言いたくないけどやはり賤業なのだと思う。著者の意識がそこにないので話が深まらないのではないか。アメリカのとこで「動物愛護団体は何もわかってないよ」みたいな言葉が出てくるけど、そっくり内澤さんに向けられた言葉だ。「屠畜の現場をみんな知るべき。スーパーのパックの肉しか知らない状況はまずい」みたいに書いてある。でも知ることで逆に問題が浮き彫りにされてしまい、差別が表面化してしまう可能性もあるのでは。知らなくてもいいことは知らなくていいし、そっとしておくのが優しさでもある。
まあ出版社が解放出版社だから仕方ないのかもしれないが。