「自由」
私たちは束縛されることのない自由な状態を願い、束縛からの解放を考えます。
しかし、生きるということは、本来束縛に耐えることなのですから、
自由な状態というのは、あるとしても瞬時でしょう。
自由への願望は、この瞬時の解放を永遠化しようとする妄執であり、
生きることへのいくじのなさなのです。
私たちが願望とすべきは、自由な状態ではなくて、
むしろ不自由な状態に耐え抜くいさぎのよさではないでしょうか。
このいさぎのよさこそ、自由を与えてくれます。
自由とは精神の毅然であります。
『神の風景』p136 藤木正三著
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