「無知の響き」
「頼りになるのは結局自分だけだ」、と言われます。
確かにその通りです。
どんなに親切な人も、お互い皆自分が可愛いですから、
いざとなれば手を引くでしょう。
それに何と言っても自分自身が手や足を動かすのでなければ、激励も忠告も援助も空しいわけで、自分で身を入れ、手ずから働くよりほかありません。
確かに頼りになるのは自分だけです。
しかしそれにもかかわらず、この言葉には、人間への無知の響きがあるではありませんか。
生きているというよりは、生かされている人間の事実への無知が、そこにはあります。
『神の風景』p124 藤木正三著
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