がん死亡の34.4%が、喫煙の影響によるものと推計
ここまでわかった「がんにならない」のはこんな人――2017 BEST5【ライフ部門 1位】
2017/12/31(日) 17:00配信 文春オンラインより
「がんの早期発見」より「がん予防」が大事
さて、がん予防といえば、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか。真っ先に
「がん検診」と思う人もいることでしょう。
正確に言えば「がんによる早死」を防ぐのが目的です。
がんを予防するには、「がんにならない」のがベストです。これを専門用語で
「一次予防」と言います。がん検診は、これに次ぐ「二次予防」にあたります。
つまり、「がんになってしまったけれど、早く治療することで
死亡するのを防ごう」というのが、がん検診の目的なのです。
しかし、拙著『 がん検診を信じるな 』(宝島社新書)やこの連載で指摘してきた通り、
がん検診は思ったほどの効果がなく、寿命が延びる科学的な証拠もありません。
「がんを早く発見する」ことに一生懸命になるよりも、同じ予防をするなら
「がんにならない」ことに力を入れたほうがいいのではないでしょうか。
国立がん研究センターの調査結果によれば……
実は国立がん研究センターの研究グループがこれまでの住民調査などのデータをもとに、
日本人のがんの原因として、どんな要素がどれくらいを占めているかを推計しています。
その研究成果に基づくがん予防法を徹底すれば、がんになるリスクをかなり下げられる可能性があるのです。
どんな要素ががんの原因になっているのか、
国立がん研究センターが作成したパンフレット
「 日本人のためのがん予防法 」(平成27年2月)から抜粋してみましょう。
まず、がんの原因として大きいのが「喫煙」です。とくに男性で影響が大きく、
がん罹患の29.7%、がん死亡の34.4%が、喫煙の
影響によるものと推計されています
(女性は、がん罹患の5.0%、がん死亡の6.2%)。つまり、
タバコは生涯吸わないこと、吸っていても早く禁煙することで、
がんのリスクを大幅に減らすことができるのです。