話を元に戻して考えてみます。
日本は世界の多くの民主主義国家に遅れながらも、ようやく選挙権が18歳まで引き下げられたのだが、期待通りには若者の投票率が伸びませんでした。
例えばドイツと比べると、その較差に愕然とさせられます。
もっとも、日本においては若者に限らず全ての年齢層でも投票率は低いのが常です。
選挙制度の違いもあるし、また、投票率だけで政治への関心度や民主主義の成熟度を測るのは無理がある . . . 本文を読む
彼女の日本での楽しみの一つに「温泉」がある。
フランスにも温泉が湧く所はあるが、一般的な観光旅行ではめったに行くことはない。
ほとんどが温泉病院などの医療用施設に使われているという。
彼女が日本で初めて温泉に入った際は入浴施設というよりプールの様に感じたようで、
みんな裸になって入ることに違和感を抱いたようだ。
彼女の自宅(古くからあるアパート)にはバスタブは付いているものの、お湯を貯めこ . . . 本文を読む
フランスを発つ際に彼女から頼まれたことがあった。
「私、クルマに乗ると気持ち悪くなるから梅干し持って来て。梅干し食べてるとクルマに酔わないから。」
そうそう、私が成田空港までクルマで迎えに行くと言っていたからである。
毎年、自宅で作る梅干しは家族の誰一人として関心がなく話題にもしないが、唯一彼女だけが「じいちゃんの作った梅干しが大好き」と言ってくれている。
2年前に来日した際も、1年前に私たちが . . . 本文を読む
兵庫県知事のパワハラ問題が、連日報道されている。
知事は、しれっとした顔で「適切な指導の範囲内」とか「認識はない」を繰り返し、責任を逃れようとしている。
報じられている内容は、明確に「パワハラ」に該当するだろうし、何より、通報者を自殺に追い込んだことは絶対に許しがたい。
しかしながら自分が思ったのは、パワハラかどうかということではない。
ここにも「憲法破壊がある」ということだ。
特別公務 . . . 本文を読む
フランスはヨーロッパで最も早くから移民を受け入れてきた国家である。
全人口の7%を占め、移民二世を含めると11%にもなるという。
孫娘はフランスで生まれたから移民ではないが、日本とフランス二つの国籍を持っている。
実は国籍というものは、ある意味で差別や排除の道具に使われるもので、これに言及するとそれだけで長くなるので省略するが、今回の来日には日本のパスポートを使用したようだ。(フランスのパスポー . . . 本文を読む
さて、夏の大会で初めて彼の姿を見た時はあえなく三振や凡打に倒れた場面だった。
3度目の打席では代打を送られ、悔し涙が目に浮かんだ…。
しかし、彼の代わりに打席に立ったのはチーム唯一の女子選手だったのは幸いだった。
何とその彼女がライト前に打ち上げたフライを右翼手がエラーしたのだ。
応援席は一気に盛り上がった。
それがきっかけでチームは逆転勝利を飾ったのである。
孫の心境を思うに、かなり複雑なも . . . 本文を読む
私には2人の孫がいる。
男と女の子が1人ずつで、歳の差は3歳。
長女とニ女の子たちで、男の子は同居で女の子はフランス在住である。
どうでも良いことで、敢えてこだわると娘たちに叱られそうだが、ついつい私がこだわることがある。
それは、2人とも容易に子に恵まれず、やっと産まれた一人っ子という特性がある。
必然的か過保護(愛情たっぷり注がれて)に育てられた2人である。
これは、本人たちの責任ではない . . . 本文を読む
「和を以て貴しと為す」という風土が一定程度根付いた日本においては、論議するより協調することが良しとされがちです。
敢えて争うことなく穏やかに日常生活を送れたら何よりですが、対立するのを恐れて我慢したり無理やり従わされるのは本意であるはずがありません。
ところが、この国では同調圧力や忖度という目に見えない力がはたらくことが少なくありません。
そうです。論議することが避けられタブー視される社会が構成 . . . 本文を読む
選挙の投票率を問題にして民主主義を考えてきましたが、選挙とは違う大切な視点もあります。
それは、人々が互いに話し合う「論議」という視点です。
この社会には様々な人々が様々な価値観を持って生活を営んでいますが、これが時にはぶつかって争ったり混乱を引き起こしたりすることもあります。
それは、個人のレベルから国家のレベルに至るまで考えられますが、最悪の事態は戦争です。
もっとも、戦争を価値観の相 . . . 本文を読む
《薬剤師1万人を推進委員にとは》
先日都内の薬局に処方箋を持っていった。
以前受付で「マイナ保険証はお持ちですか」と聞かれ「作っていません」と返答した。
今回は「お薬手帳」を出したので何も聞かれなかった。
しかし、後から来た人ほぼ全員に「マイナ保険証をお持ちですか」と聞いていた。
薬局は混んでいて、薬を貰うまで50分も待った。
暇なので「マイナ保険証をお持ちですか」と何人に声掛けするか数 . . . 本文を読む
《医療機関の相次ぐ廃業が止まらない》
政府は今年の9月までに医療機関にマイナ保険証の完全実施を義務化し、これまで最大20万円だった支援金を40万円にして、「実質負担はゼロ」と宣伝している。
ところが3~4月の2ヵ月で東京都内の病院・診療所・歯科医院の295が廃業したと云う。
医療機関の廃業は昨年全国で709機関なのに、都内のたった2ヵ月で300近い廃業は異常と云える。
理由は顔認証シ . . . 本文を読む
2015年に公職選挙法が改正されて「18歳選挙権」が成立しました。
当然ながら、これに伴い高校生の政治活動を抑制していた「1969年通知」が廃止となりました。
これが「2015年通知」というものです。
そして、いよいよ10代の若者が主権者として登場するわけですが、これが容易に投票率が上がらず政府も困惑する中、
2018年に文科省が「主権者教育推進会議」を設置して議論を進めてきました。
2021年 . . . 本文を読む
日本の教育をその起源にさかのぼって語ることは今回の主な課題ではないため端折るが、
近代公教育の黎明期において「education」は「発育」と訳すべきだとする福沢諭吉に対し、
初代文部大臣になる森有礼は「教育」と名付けたというようなエピソードもあるように、
公教育は教え諭すもの・上から与えるもの的なニュアンスだったことを念頭に置いておく必要はある。
日本もドイツ同様に第二次世界大戦で敗戦国とな . . . 本文を読む
選挙の投票率だけで民主主義の成熟度は測れるわけではないが、重要な指標であることに違いはない。
因みに、2021年のドイツ連邦議会選挙の投票率は76.60%であり、同年に行なわれた日本の衆議院選挙の55.93%を遥かに上回っている。
尚、この際の10代の投票率は定かではないが、例年から累積すると少なくとも70%は超えていると思われる。
大雑把に言うなら、若者だけで比較しても7割対3割でドイツが日本 . . . 本文を読む
今日は東京都知事選挙だ。
都民の選択がどういう結果になるかが注目される。
ところで、この選挙という民主主義を成立させるに欠くことのできないツールが、私たちの国ではあまり重要視されていない。
それは投票率というデータで読み取れる。
最近の国政選挙(2016年~2022年)での年代別投票率を見てみると、以下のような結果が示された。
2016年には18歳選挙権が認められた最初の国政選挙( . . . 本文を読む