江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

懐かしい言葉「春闘」

2014-03-26 | 江戸川区教組
 大手の労働組合による「春闘」、今年はベア(ベースアップ)があるかないかが大きな話題となり、久しぶりにマスコミを賑わす言葉となった。

 でもちょっと待てよ。
テレビ等に出てくるのは経団連などの経営者と安倍や甘利などの閣僚たち。
もうひとつの主役の労働組合がほとんど出てこない。
おかしいだろうよ!

 なんで政府の閣僚が賃上げ交渉に口を挟むんだ。
それも経営者に対して賃上げしろと。
そのために復興財源としていた企業の税金を廃止し、旧態依然の公共投資で金をバラマキ、挙句は賃上げしないと何らかの処置をするとの脅しまでかける有様である。

 ここで労働組合の連合のことを言ってもしょうがないので(極めて腹立たしいことではあるが)、このことから今回の春闘について考えてみたい。
まだまだ中小が終わっていない段階なので見られた現象から考えたことであるが。

 賃金が上がることは私たち労働者にとって悪いことではない。
自らの労働力を商品として資本家に売る労働者としては高ければ高いにこしたことはない。
でもそれは労働者と資本家の力関係、闘いで決まるものである。
労働者の力、それも団結した力が強ければ闘いに勝つのである。

 でも今回、経営者に対するのは労働者ではなく、経営者の背後にいる政府自民党が労働者の代わりに出てきていることが異常なのである。
そこから見えるのは、彼ら政府自民党が自分たちのために(アベノミクスの頓挫を避けるためにだけ)賃金を上げさせたということである。
回答後、富士通の社長が「次からは余計な要素を抜きにして決めたい」と行っていたことに象徴されていると思う。

 作られた円安による輸入価格の上昇、物価上昇、そして消費税のアップ、この状況での賃金は 上げなければならない、上げざるを得ないものだったのである。
賃上げ回答の最初が家電メーカー、自動車など円安で巨額の利益を上げた企業と労使協調路線の組合だというのも頷ける話である。

 こんなん状況じゃ労働組合の意義・存在価値すら無くなっていくのではないか?
全部お上に任せてしまう方がいいのでは?
闘わなくとも賃金は上がる?
自民党の方が賃金を上げる力になるのでは?
そんな意見が出てきそうである。

 今回の「春闘」の総括をそれぞれの組合でどのようにするのか、しっかりと注目してみていこう。


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