江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

「副校長補佐」という仕事ー18(他職種の人たちとのつながり)

2021-02-16 | 随想
久し振りに視点を変えてみたい。

私の勤務時間は休憩を含んで5時間半だが、10:00勤務開始となっている。
他の「会計年度任用職員」は8時過ぎから勤務している者がいたり、私より遅く出勤する者もいる。
勤務時間帯も職務もそれぞれ異なるが、お昼前後の時間帯は互いに廊下等で顔を合わせることがある。
この場を利用して私たちは情報交換している。

仕事柄から一番職員室にいる時間が長いのは私であり、管理職との接触が多いのも私である。
さらに、「会計年度任用職員」は多くが60歳を超えているが、その中でも私は最高齢者だ。
そんなこともあってか、話し合っていても最後は私に「よろしく…」と振って来られることが多い。

因みに現在勤務している「会計年度任用職員」は、私の他には「学習支援員」3人、「学校事務補佐」「スクールサポートスタッフ」の合計6人いる。
この学習支援員は時間帯によって別枠の有償ボランティアとしても勤務している。
その内でも事務を除いた職務はいくつかが重なり合っている。
それが、用具や施設の消毒作業であり、不適応児童への対応である。
なかでも私は幅広く何でもやる雑貨屋型である。
それを知ってる副校長は時々思い出したように言う。
「◯◯先生は何でもできるから!」と。

全くよく言うよ!
学校の体制が極めて不安定だから、対応する職員のキャパを超えて子どもが逸脱するから私の様な臨時職員の出番となるのではないか⁉︎
仮に私たちがいなかったら、いったいこの学校はどうなるのだろうか?
いや、もしかしたら職員が手厚く配置されているから、それに対応して子どもたちが動いているのではないか…、とさえ思う。

実は最近、あの私が対応している女の子も絡む問題が発生している。
彼女が私の出勤しない土曜授業や月曜日にも登校するようになったことも一因であるが、不適応児の対応が追いつかなくなり、一人ひとりの支援員さんの仕事がハードになってきた。
休憩時間はおろか息をつく暇もないほど忙しく動き回っている。

ところが、これほど多忙を極めている者たちに与えられた権限はほとんど何もない。
そればかりではない。
対応する児童と人間関係が出来ていないばかりか基本情報も与えられない。
もちろん、担任との連携なんてできるはずもない。
更に言うなら、2人も配置されているスクールカウンセラーとの連携もコミュニケーションもない。
まるで機械のように指示されて動いているだけだ。

いみじくも一人の支援員さんが言った。
「私たち、単なるベビーシッターなんですかね…」
「第一、子どもだってかわいそうじゃないですか⁉︎ 」
この言葉が出たのは、私のいない日に、全く初めての子どもに付いて苦労した翌日だった。
自分なりに工夫してその子に寄り添い、「給食は教室で食べられる」と言うまでになったので教室へ付き添ったら、突然やって来た時別支援の専門員の先生が、「ぼくが見ますから…」と言って自分は手を引くことになったとのことだ。

この事に象徴されるように、学校も正規職員が中心で私たち臨時職員はその下に在るという位置づけなのだ。
「子どもたちにとってはどの大人も先生であるはずなのに、職員に上下関係があるかの様に見られるのってまずいんじゃないの⁉︎」
と、その方が言っていた。
もし、そうなってしまったら、私たちの「指導」も容易に入っていかないだろうし、担任の応援のために配置された意義も半減するに違いない。

私自身もずっと対応している彼女とは人間関係もできてそれなりに効果も上げているが、突然依頼されて付き添う子どもたちには「くそジジー」扱いされたり、「アンタだ〜れ?」と言われたりして指導どころではない。

この様な事態が発生していることを、未だ管理職は明確にはつかんでいないだろう。
しかし、放置しておくわけにはいかない。
まずは、私たち自身がゆっくり時間を設けて話し合うことが必要だ。
事実認識を共通のものにして、それぞれの思うところを出し合うことが重要だからだ。
幸いにも私たちは、正規職員よりは結びつきが強いものを感じている。

<すばる>

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