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直ちに雇止めルール撤回を!
※静岡県立大学草薙キャンパス正門(平成30年8月9日)
今年の3月、県立大の有期雇用職員の雇止めが大きく報道されました。公的機関である県立大での雇止めは私にとって予想外で、大変衝撃を受けました。
また翌4月には、例年のように県立大の入学式に出席しましたが、留学生がかなり少ない印象を受けました。事実、留学生数は平成23年度の147名をピークに減少傾向にあり、平成28年度、29年度は90名をも下回っています。
※静岡県立大学草薙キャンパス構内の様子
この二つの事例は、一見、無関係のようですが、どちらも、県立大の事務局体制に問題がある結果だと考えており、今年の6月議会で質問しました。
地方独立行政法人化から11年経過したにもかかわらず、県立大が直接採用した、いわゆるプロパー職員は未だに少なく、県派遣職員の比率が高水準です。公立大学協会の資料によれば、県立大のプロパー職員比率は公立大学平均の半分以下です。例えば、秋田県の国際教養大学では、本年度のプロパー職員は49名、県派遣職員はわずか5名です。一方、県立大の本年度のプロパー職員16名に対し、県派遣職員は49名にもなります。
しかも、県立大では、法人と大学の事務局長、事務局次長等の要職全てを県派遣職員と再雇用の県庁OBが占めています。また、派遣職員は平均3年余で県庁に戻っており、大学事務局長は1、2年で交代しています。
また、県立大では非正規有期雇用職員の比率が高く本年度は79名、全職員144名の約55%です。ちなみに、国際教養大学では本年度職員84名のうち、有期雇用職員は30名、約36%です。そして、有期雇用職員である専門員はかなり高度な職責を担っています。例えば、県立大での、交換留学生の派遣、受け入れ、留学生の勧誘・受け入れ等の主任担当者は専門員1名と事務員1名のみ、知的財産管理体制、特許出願、商標届等の主任は専門員1名のみ、学生の個別就職相談等の主任も専門員1名のみ、となっています。しかし、給与等の待遇において正規職員より冷遇されており、同一労働同一賃金と言える状況にありません。加えて、静岡文化芸術大学職員や、この6月1日から、「優れた人材を確保し育成する観点から」県立大の薬学部、食品栄養科学部、看護学部の教員には認められた無期転換ルールが県立大職員にはなく、有期雇用職員の平均在職期間は3年を大きく下回っています。
こうした状況を鑑みれば、県立大事務局が組織として、知識や経験、人脈・対外関係等を十分に蓄積できる体制にあるとは到底思えません。実際、職員の能力開発も殆ど行われていません。そもそも、県派遣職員や県庁OB中心の体制では、県から自立した公立大学法人・地方独立行政法人としての、民間の発想や手法を取り入れた独自の大学経営は進まないのではないでしょうか。
以上のような問題が事務局にあるため、入試倍率や外国人留学生の減少、県内出身学生割合の上昇、つまり、県立大の魅力低下を招いていると考えます。
加えて、事実上、県の組織と言える県立大が、労働契約法改正の趣旨に背き、無期転換ルールを認めず雇止めを行なっていることは、公的組織の社会的義務・役割の不履行です。また、同じく雇止めを実行、検討中の企業や組織に正当化の理由を与えかねません。県内の無期転換対象労働者は推計で約15万5千人。その影響は小さくないはずです。更に、人材養成機関としてもあるまじき行為で、県立大のイメージ低下にもつながっているでしょう。
質問に先立ち、県立大に雇止めされた40代の女性にお会いしました。子育てが落ち着き、フルタイムでずっと頑張ろうと思っていた矢先に雇止めされたそうです。更に衝撃的なのは、この女性は県立大の卒業生だということです。「生んでよし、育ててよし、働いてよし」の静岡県の大学として、とんでもないことをしてしまったと本当に思います。
従って、労働組合と合意の上での無期転換ルールの早期実施や有期雇用職員の正規職員化推進、プロパー職員採用計画の大幅な前倒し、事務局長、次長等の幹部候補としての大学・企業経営経験者の採用、希望県庁職員の転籍等の実行により、事務局体制の抜本的な改革と強化を早急に進めることが、魅力溢れる県立大実現には不可欠であると考えます。
財政支援強化で改革を後押し!
アジアで最も評価が高い大学をご存知でしょうか。東京大学でも、北京大学でも、ソウル大学でもありません。それはシンガポール国立大学です。
今年6月に史上初の米朝首脳会談の開催地として注目されたシンガポールは、ご存知の通り、小国です。総人口は約560万人ですが、シンガポール国籍や永住者の人口は約4百万人。つまり、静岡県より、一割多い程度の国です。
そんな小国の国立大学の評価がなぜ高いのか。一言で言えば、国を挙げて教育の充実に取り組んできたからです。シンガポールの本年度の教育予算は全予算の約16%です。一方、日本の教育予算は全体のわずか5.5%、シンガポールの3分の1程です。
国と県の違いはありますが、シンガポールを見習って、静岡県も、将来を担う子供や若者たちの教育への投資を充実させるべきです。県立大に関して言えば、国が国立大学への運営費交付金を毎年減額しているのに倣って、1%の効率化係数により約22百万円、県立大への運営費交付金を県は毎年減額しています。しかし、そうした機械的な減額に伴って経営効率化を追求した結果、前述のように、無期転換ルールが認められない有期雇用職員が多い事務局体制となってしまったのではないでしょうか。また、他の公立大学、例えば、国際教養大学や県立広島大学等と比較すると、県立大職員一人当たりの学生数は多くなっており、その見直しのためにも、財政支援の充実は必要と考えます。
※管理栄養士養成のための食品模型。数十年前のもので授業では殆ど使えない代物。今年6月の私の質問を機に、漸く一部が更新されることに(県立大食品栄養科学部)
経営効率化の努力は今後も不可欠ですが、その結果、県立大の魅力が低下しては意味がありません。県は総合計画や教育振興基本計画で、県内高等教育機関への外国人留学生を4年間で2821人から5千人に増やすこと、県立大・文芸大学生の県内就職率を58.4%から65%に引き上げること等を目標に掲げています。それには、前述のように県立大の事務局体制の改革・強化が欠かせないはずです。また、優秀な人材を静岡県から輩出するためにも、効率化係数廃止だけでなく、当面はむしろ運営費交付金増額等、財政支援を充実・強化し、魅力向上のための県立大の抜本的な改革を強力に後押しすべきです。県に対し引き続き働き掛けていきます。
※今月10月のすずしんラジオでも同じ趣旨の話をします。是非、お聴き下さい!
お読み下さり、ありがとうございます。
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直ちに雇止めルール撤回を!
※静岡県立大学草薙キャンパス正門(平成30年8月9日)
今年の3月、県立大の有期雇用職員の雇止めが大きく報道されました。公的機関である県立大での雇止めは私にとって予想外で、大変衝撃を受けました。
また翌4月には、例年のように県立大の入学式に出席しましたが、留学生がかなり少ない印象を受けました。事実、留学生数は平成23年度の147名をピークに減少傾向にあり、平成28年度、29年度は90名をも下回っています。
※静岡県立大学草薙キャンパス構内の様子
この二つの事例は、一見、無関係のようですが、どちらも、県立大の事務局体制に問題がある結果だと考えており、今年の6月議会で質問しました。
地方独立行政法人化から11年経過したにもかかわらず、県立大が直接採用した、いわゆるプロパー職員は未だに少なく、県派遣職員の比率が高水準です。公立大学協会の資料によれば、県立大のプロパー職員比率は公立大学平均の半分以下です。例えば、秋田県の国際教養大学では、本年度のプロパー職員は49名、県派遣職員はわずか5名です。一方、県立大の本年度のプロパー職員16名に対し、県派遣職員は49名にもなります。
しかも、県立大では、法人と大学の事務局長、事務局次長等の要職全てを県派遣職員と再雇用の県庁OBが占めています。また、派遣職員は平均3年余で県庁に戻っており、大学事務局長は1、2年で交代しています。
また、県立大では非正規有期雇用職員の比率が高く本年度は79名、全職員144名の約55%です。ちなみに、国際教養大学では本年度職員84名のうち、有期雇用職員は30名、約36%です。そして、有期雇用職員である専門員はかなり高度な職責を担っています。例えば、県立大での、交換留学生の派遣、受け入れ、留学生の勧誘・受け入れ等の主任担当者は専門員1名と事務員1名のみ、知的財産管理体制、特許出願、商標届等の主任は専門員1名のみ、学生の個別就職相談等の主任も専門員1名のみ、となっています。しかし、給与等の待遇において正規職員より冷遇されており、同一労働同一賃金と言える状況にありません。加えて、静岡文化芸術大学職員や、この6月1日から、「優れた人材を確保し育成する観点から」県立大の薬学部、食品栄養科学部、看護学部の教員には認められた無期転換ルールが県立大職員にはなく、有期雇用職員の平均在職期間は3年を大きく下回っています。
こうした状況を鑑みれば、県立大事務局が組織として、知識や経験、人脈・対外関係等を十分に蓄積できる体制にあるとは到底思えません。実際、職員の能力開発も殆ど行われていません。そもそも、県派遣職員や県庁OB中心の体制では、県から自立した公立大学法人・地方独立行政法人としての、民間の発想や手法を取り入れた独自の大学経営は進まないのではないでしょうか。
以上のような問題が事務局にあるため、入試倍率や外国人留学生の減少、県内出身学生割合の上昇、つまり、県立大の魅力低下を招いていると考えます。
加えて、事実上、県の組織と言える県立大が、労働契約法改正の趣旨に背き、無期転換ルールを認めず雇止めを行なっていることは、公的組織の社会的義務・役割の不履行です。また、同じく雇止めを実行、検討中の企業や組織に正当化の理由を与えかねません。県内の無期転換対象労働者は推計で約15万5千人。その影響は小さくないはずです。更に、人材養成機関としてもあるまじき行為で、県立大のイメージ低下にもつながっているでしょう。
質問に先立ち、県立大に雇止めされた40代の女性にお会いしました。子育てが落ち着き、フルタイムでずっと頑張ろうと思っていた矢先に雇止めされたそうです。更に衝撃的なのは、この女性は県立大の卒業生だということです。「生んでよし、育ててよし、働いてよし」の静岡県の大学として、とんでもないことをしてしまったと本当に思います。
従って、労働組合と合意の上での無期転換ルールの早期実施や有期雇用職員の正規職員化推進、プロパー職員採用計画の大幅な前倒し、事務局長、次長等の幹部候補としての大学・企業経営経験者の採用、希望県庁職員の転籍等の実行により、事務局体制の抜本的な改革と強化を早急に進めることが、魅力溢れる県立大実現には不可欠であると考えます。
財政支援強化で改革を後押し!
アジアで最も評価が高い大学をご存知でしょうか。東京大学でも、北京大学でも、ソウル大学でもありません。それはシンガポール国立大学です。
今年6月に史上初の米朝首脳会談の開催地として注目されたシンガポールは、ご存知の通り、小国です。総人口は約560万人ですが、シンガポール国籍や永住者の人口は約4百万人。つまり、静岡県より、一割多い程度の国です。
そんな小国の国立大学の評価がなぜ高いのか。一言で言えば、国を挙げて教育の充実に取り組んできたからです。シンガポールの本年度の教育予算は全予算の約16%です。一方、日本の教育予算は全体のわずか5.5%、シンガポールの3分の1程です。
国と県の違いはありますが、シンガポールを見習って、静岡県も、将来を担う子供や若者たちの教育への投資を充実させるべきです。県立大に関して言えば、国が国立大学への運営費交付金を毎年減額しているのに倣って、1%の効率化係数により約22百万円、県立大への運営費交付金を県は毎年減額しています。しかし、そうした機械的な減額に伴って経営効率化を追求した結果、前述のように、無期転換ルールが認められない有期雇用職員が多い事務局体制となってしまったのではないでしょうか。また、他の公立大学、例えば、国際教養大学や県立広島大学等と比較すると、県立大職員一人当たりの学生数は多くなっており、その見直しのためにも、財政支援の充実は必要と考えます。
※管理栄養士養成のための食品模型。数十年前のもので授業では殆ど使えない代物。今年6月の私の質問を機に、漸く一部が更新されることに(県立大食品栄養科学部)
経営効率化の努力は今後も不可欠ですが、その結果、県立大の魅力が低下しては意味がありません。県は総合計画や教育振興基本計画で、県内高等教育機関への外国人留学生を4年間で2821人から5千人に増やすこと、県立大・文芸大学生の県内就職率を58.4%から65%に引き上げること等を目標に掲げています。それには、前述のように県立大の事務局体制の改革・強化が欠かせないはずです。また、優秀な人材を静岡県から輩出するためにも、効率化係数廃止だけでなく、当面はむしろ運営費交付金増額等、財政支援を充実・強化し、魅力向上のための県立大の抜本的な改革を強力に後押しすべきです。県に対し引き続き働き掛けていきます。
※今月10月のすずしんラジオでも同じ趣旨の話をします。是非、お聴き下さい!
お読み下さり、ありがとうございます。