※No!「脱法ドラッグ」
私の事務所からわずか数軒隣で、先月2月から、いわゆる脱法ドラッグ(ハーブ)店が営業を始めました。この店は、昨年まで同じ駿河区内の別の場所で販売を行なっていましたが、近隣住民から販売自粛を求められ、その後、私の事務所と同じ町内に移転してきました。
脱法ドラッグとは、覚せい剤と同様の幻覚症状や依存症等の深刻な健康被害を引き起こす危険性が高い物質を含んでいながら法の規制が及ばない薬物、製品のことです。国では禁止の網を広げようと1,300以上の物質を「指定薬物」に指定するなど規制を強化しています。しかし、指定薬物を増やしても、化学構造を一部変えるなどした新たな薬物やドラッグが流通するというイタチごっこの様相を呈しているというのが現状です。
※偶然にも本日(3月10日)掲載された静岡新聞夕刊記事。やはり脱法ドラッグは危険です!
地元では早速、自治会の役員の皆様が立ち上がり、関係団体と連携して販売禁止を求める署名集めや地域への呼びかけ等の活動を行なっています。私も地元の議員として、県内の状況や県の対応等に関する情報を関係の皆様や地元の小学校に提供しました。また、規制を強化するよう県の担当に働きかけると共に、丁度、2月議会が開会中ということで、薬物規制担当を所管する厚生委員会と文教警察委員会に所属の先輩・同僚議員に、委員会での議論を要請しました。
私がお手本と考えているのは、和歌山県の脱法ドラッグ対策(和歌山県薬物の濫用防止に関する条例)です(※残念ながら静岡県には同様の条例はありません)。和歌山県では独自に「知事監視製品制度」を設けて、違法ではないが「精神作用等を及ぼすおそれがあり、本来の用途に反して身体に使用されるおそれのある製品」を「知事監視製品」に指定し、それを販売するには県への届け出が必要になると同時に、購入者から「誓約書」を受け取る等の義務を課す(守らなければ最終的には罰金)というものです。購入者は誓約書に氏名、住所や購入製品名等を記入して販売店側に提出しなければならず、同様の届け出は、県外やインターネットで「知事監視製品」を購入した場合も義務化しています。
この知事監視製品制度は、届け出をし規則を守っていれば脱法ドラッグの販売を可能とするもので、言わば、行政がお墨付きを与えることにならないかと危惧する声もあります。しかし何もしなければ脱法ハーブ店はそのまま販売を続けるだけですから、私は、静岡県も和歌山県のような「知事監視製品制度」を導入し、より積極的に脱法ハーブ店を規制・監督することが、結果として、脱法ハーブの拡散の抑止につながると考えています。
前述のように、既に地元の方々が販売自粛要請に向けた活動をされていますので、うまくいけば、地元から脱法ハーブ店はなくなるかもしれませんが、また別の場所に移ったのでは問題の根本的解決にはなりません。先日、夜遅くに、この店の前に岡山県ナンバーの大型トラックが路上駐車しているのを見かけました。しばらくすると、店から男性が出てきて、運転席に乗り、走り去っていきました。あくまでも推測ですが、もしかするとこの男性は、長距離運転の途中で疲れや眠気をとるために脱法ドラッグを購入したのかもしれません。もしも吸引後の運転中に幻覚症状を起こしたら・・・と考えると、やはり他人ごとではいられません。
いずれは全国で同様の取り組みが必要だと考えますが、まずは県議会議員として、静岡県も早急に実効ある対策を行うよう、地元の方々と共に引き続き働きかけていきますし、もしも、県当局が消極的なら、議員提案条例の制定を目指したいと考えています。
お読み下さり、ありがとうございます。
追記:
※3月12日静岡新聞記事