毎朝私が起きる頃には、すでにチョッパーの朝の散歩は終わっている。
今朝、「おはー」も言い終わらないうちに、妹が言った。
「今日、すごいことがあったんだよ」
妹によると、
散歩中に近所に住むおばあちゃんがごみ袋(今日はごみの日)を持って近づいてきて、
チョッパーを見て泣き出したらしい。
おばあちゃんの話はこうだ。
昨日、離れて暮らしている娘が亡くなった。
娘は黒い犬をとてもかわいがっていた。
娘が倒れたのを知らせたのもその黒い犬で、
亡くなってからも娘に寄り添ったまま離れなかった、と。
それで黒い犬(チョッパー)を見て、泣けてしまったらしい。
そこでチョッパーがおばあちゃんに近づいて行って、
ペロペロと手でもなめたらかなり感動的な話になったのだろうが、
いかんせん、うちの子は大変な、極度の人見知りくんである。
しかも、ごみ袋(大きめの袋)が大嫌いときた。
泣きじゃくるおばあちゃんに何と声をかけていいものやら悩む妹と、
一刻も早くその場を立ち去ろうとぐいぐい引っ張るチョッパー。
しかしここで不思議なのは、
田舎にも関わらず、そのような情報がまだまわっていないこと、
お昼におばあちゃんは普通にゴミ拾いをしていたこと、
昨日娘が亡くなったというのなら、不思議な話だ。
真相はいまだ、闇の中。
そんな謎を残しつつ、
今日私は久しぶりに友達とゴハンを食べにゆくのであった…。
たのしみーん