《証明写真をこの写真屋さんで撮ってもらったらきっと良いことがある》と、すっかり信じきっている写真屋さんがある。家族の大学・大学院受験、司法試験、就職試験など運よくなんとかうまくいったので、移転してもわざわざ電車に乗って出かけている。
今日は、楽しく安全な旅行ができますようにとの願いを込めて、パスポートの更新手続きの写真撮影に出かけた。精一杯背筋を伸ばして、目力を入れ撮ってもらったが、歳相応のしわのある自然な出来だった。
十年前のパスポートをめくると、ともにわたしと生きてきたわたしの顔写真があった。しわや白髪も今より少なく微笑んで写っていて、その頃が懐かしく愛しく思えた。まだ、いろいろなことを乗り越え始めた頃の顔だった。
十年の喜怒哀楽を取り去ったらこの頃の表情に戻れるかとも考えたが、現実は気持ちの若々しさだけで、すべての経験を物語る表情のわたしが新しいパスポートに載ることになった。
バラ色の人生とはほど遠い人生だけど、更新したパスポートを使うこれからの十年間、げんかつぎ通りにきっと楽しく良いことがありますように。冷凍していたハーブで乾杯 （＾ｕ＾）