最近自分でも前かがみの姿勢が気になっていた。家族の勧めもあり、お茶の水の整形外科を受診した。さぞかし、精密な検査をしての難しい説明と思ったが、簡単なレントゲン検査で「生まれつきでしょう」ということだった。
そう言われれば、幼少の頃の写真には、姉はキリット背を伸ばしてすましているのに、私は前かがみでこわごわしている様子だった。写真館での撮影に緊張していたのかもしれないが、さも自信なさげだった。それから今まで、そう胸を張って歩いた人生でもなかったし、これからも輝かしいことは起こらないだろうと診断結果に納得した。
主治医はそれに付けくわえて、年齢が年齢なので、一応骨粗鬆症の薬も三カ月分出しましょうとのことで頂いたが、一月に一錠らしく、たったの三錠だった。
それで、翌朝からせっせっと骨密度を低下させない食事療法を我流で実践することにした。いわゆるカルシウム、ビタミンD、ビタミンKなど、骨密度を増加させる栄養素を積極的に摂り、骨を丈夫にする骨粗しょう症予防の食事を遅ればせながら始めた。
カルシウムを多く含む食品は、牛乳、乳製品、小魚、干しエビ、小松菜、チンゲン菜、大豆製品などで、ビタミンDを多く含む食品は、サケ、ウナギ、サンマ、メカジキ、イサキ、カレイ、シイタケ、キクラゲなどだ。
それにビタミンKを多く含む食品は、納豆、ホウレン草、小松菜、ニラ、ブロッコリー、サニーレタス、キャベツ、グリーンアスパラということでアスパラ鍋の出番が来たと思った。
グリーンアスパラは扱い方ではうまみや栄養成分がそこなわれるデリケートな野菜で、保存の時は勿論、ゆでる時も長く立てたままでゆでるのがポイントだそうだ。世界の料理番組で、アスパラ鍋の存在は知っていたが見たことはなかった。
その後、蔵前の問屋街の散策で偶然見つけて求めてはいたが本格的に使ったこともなかった。たっぷりめの沸騰したお湯に塩を少し入れ、茎の根元のほうから入れて少しかためにゆでるコツで、ピンと背伸びした様子で茹でることができる。
今朝は、太陽に向かってまっすぐ育つイメージのグリーンアスパラガスをメインにしてサニーレタス、サラダホウレン草を加えたサラダと、チーズトーストに、ニラとお麩のスープ、サケとキャベツの蒸し焼き、フルーツヨーグルト、コーヒー牛乳と骨粗しょう症予防満載朝食を頂いた。それで今日はことのほか、背筋もピンと伸びたような気がしてきた。
先日受診した総合病院は、教職員互助会運営の病院で学校の先生風の方々があちこち見受けられて、長年教育に携わってこられたらしく、病院受診なのに80歳以上と思われる紳士もネクタイをきちんと締め、スーツ姿にブローチを付けた婦人もおられた。
さすがに皆さん予約時間通りに受付されて、看護師の呼びかけの返事にも腰骨もピンとして礼儀正しく、かつて指導者だったことが、模範的な受診マナーにも伺えた。
「もっとしっかりしなくては・・・」と、ガラス窓で自分の姿勢を確認しながら病院を後にした。
姿勢真っ直ぐ、心真っ直ぐ。(#^.^#)