(1970/スチュアート・ハグマン監督/ブルース・デイヴィソン、キム・ダービー、バッド・コート)
35年前の映画。30数年ぶりにレンタルで観た。
ユーミンが作った“♪「いちご白書」をもう一度”で、名前だけはポピュラーになっているが、私の記憶の中では、CSN&Y(クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング)の“♪僕たちの家”と、ラストのジャンピング・シーンでグッときた映画。事前にネットで調べたら、主題歌が“♪サークル・ゲーム”だったのを思い出した。ジョニ・ミッチェルが作った歌だが、インディアンの血を引くバフィ・セント・メリーが唄って大ヒットした。映画では、オープニングとラストに流れた。
大学の学園紛争の中でのボーイ・ミーツ・ガールの話で、西海岸の大学だと思っていたら、コロンビア大学だった。宇多田ひかるが行ってて、野村サッチーの学歴詐称でも話題になったニューヨークの大学。かなり優秀な学生が集まることでも有名ですな。
1968年に実際にあった学園紛争で、その渦中にいたジェームズ・クーネンという男子学生の体験記を土台にして作られた映画。大学のそばにある公園をつぶして軍事関連の施設を作るという政策に反対したことが始まりらしいが、黒人差別の問題やら色々と複合的な感じである。
学生寮にはロバート・ネケディのポスターが貼られてあったりして、そういえば、彼が暗殺されたのが68年の6月だった。
主人公は地質学を専攻するボート部の学生サイモンで、演じるのはブルース・デイヴィソン。前年の「去年の夏」で初めて見た俳優で、話題になったネズミが人を襲う「ウィラード(1971)」は観てないんだが、印象としては線の細い頼りなげな感じ。
ブルー・ジーンズにアーミー・ジャケットで登場した時は懐かしかったなあ。中村雅俊やら吉田拓郎やら井上陽水、泉谷しげるもこんな格好してた。
サイモンは紛争には全然興味が無かったんだが、寮で相部屋の男の子のガール・フレンドが紛争に参加していて、その娘の話を聞いて好奇心から見物に行く。そこで、可愛らしい女の子を見つけ、軽い下心から参加していくことになる。学生サイドにも、紛争に参加するもの、参加する奴は共産主義者だとか言って反対するものなど、様々な感じだった。
サイモンが惹かれる娘リンダに扮するのはキム・ダービー。これも前年の西部劇「勇気ある追跡」で初めて見た女優で、ちなみに、この西部劇はジョン・ウェインがオスカーをとった作品だ。監督はヘンリー・ハサウェイだった。懐かしい!
「勇気ある追跡」では気が付かなかったが、背が高く、現代劇のこの作品ではミニスカートでスタイルのいいところを見せていた。
激しいズームやパンをつかったカメラワークは若々しい感じが伝わってきたが、今見るとちょっと古くさい印象も残る。複雑で混乱している学生達の風景を描くのには適していたのかも知れない。街を俯瞰で撮るロングショットなどが時々入っていて、それがリズムを落ち着かせていた。
アメリカン・ニューシネマの一作には間違いないが、映画のスタイルとしては好きな方ではない。現実と空想とごっちゃになっているシーンがあるんだが、区分が分かりにくい。
前出の“♪僕たちの家”が流れるのは、サイモンとリンダが、取り壊し寸前の公園のグルグル回る乗り物で遊んでいるシーンで、似たような映像をその後よく見かけた気がする。この映画が先駆けかどうかは知らないが・・・。
終盤の、校舎を占拠している学生達を学校側が依頼した警察隊が排除するシーンは、この映画のハイライトで、モンタージュによる緊迫感がよく出ていた。ただ、私は政治的な人間ではなく、こういう若者のやり方には賛同できないので、彼等が催涙ガスの中で警官ともみ合うシーンは長すぎる印象をもった。
警察が入る前には学生達がジョン・レノンの“♪平和を我らに”を唄っていた。懐かしい。
この時代の映画らしくポピュラーソングが色々と流れていたが、ニール・ヤングの“♪ヘルプレス”も効果的な場面で使われていた。占拠した校舎の中で、一夜を明かす学生達を映すシーンで流れた。
尚、“♪僕たちの家”も“♪ヘルプレス”も、CSN&Yの傑作アルバム「デジャ・ヴ」の中に収録されている。
監督のスチュアート・ハグマンは、この時27歳くらいで、カンヌ国際映画祭で審査員賞を獲ったが、その後の活躍はほとんど聞かない。次年(1971)に同じスタッフで作った「さらば青春の日」(主演:ジャクリーン・ビセット、マイケル・サラザン)も、評判はよくなかったと記憶している。
35年前の映画。30数年ぶりにレンタルで観た。
ユーミンが作った“♪「いちご白書」をもう一度”で、名前だけはポピュラーになっているが、私の記憶の中では、CSN&Y(クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング)の“♪僕たちの家”と、ラストのジャンピング・シーンでグッときた映画。事前にネットで調べたら、主題歌が“♪サークル・ゲーム”だったのを思い出した。ジョニ・ミッチェルが作った歌だが、インディアンの血を引くバフィ・セント・メリーが唄って大ヒットした。映画では、オープニングとラストに流れた。

1968年に実際にあった学園紛争で、その渦中にいたジェームズ・クーネンという男子学生の体験記を土台にして作られた映画。大学のそばにある公園をつぶして軍事関連の施設を作るという政策に反対したことが始まりらしいが、黒人差別の問題やら色々と複合的な感じである。
学生寮にはロバート・ネケディのポスターが貼られてあったりして、そういえば、彼が暗殺されたのが68年の6月だった。
主人公は地質学を専攻するボート部の学生サイモンで、演じるのはブルース・デイヴィソン。前年の「去年の夏」で初めて見た俳優で、話題になったネズミが人を襲う「ウィラード(1971)」は観てないんだが、印象としては線の細い頼りなげな感じ。
ブルー・ジーンズにアーミー・ジャケットで登場した時は懐かしかったなあ。中村雅俊やら吉田拓郎やら井上陽水、泉谷しげるもこんな格好してた。
サイモンは紛争には全然興味が無かったんだが、寮で相部屋の男の子のガール・フレンドが紛争に参加していて、その娘の話を聞いて好奇心から見物に行く。そこで、可愛らしい女の子を見つけ、軽い下心から参加していくことになる。学生サイドにも、紛争に参加するもの、参加する奴は共産主義者だとか言って反対するものなど、様々な感じだった。
サイモンが惹かれる娘リンダに扮するのはキム・ダービー。これも前年の西部劇「勇気ある追跡」で初めて見た女優で、ちなみに、この西部劇はジョン・ウェインがオスカーをとった作品だ。監督はヘンリー・ハサウェイだった。懐かしい!
「勇気ある追跡」では気が付かなかったが、背が高く、現代劇のこの作品ではミニスカートでスタイルのいいところを見せていた。
激しいズームやパンをつかったカメラワークは若々しい感じが伝わってきたが、今見るとちょっと古くさい印象も残る。複雑で混乱している学生達の風景を描くのには適していたのかも知れない。街を俯瞰で撮るロングショットなどが時々入っていて、それがリズムを落ち着かせていた。
アメリカン・ニューシネマの一作には間違いないが、映画のスタイルとしては好きな方ではない。現実と空想とごっちゃになっているシーンがあるんだが、区分が分かりにくい。
前出の“♪僕たちの家”が流れるのは、サイモンとリンダが、取り壊し寸前の公園のグルグル回る乗り物で遊んでいるシーンで、似たような映像をその後よく見かけた気がする。この映画が先駆けかどうかは知らないが・・・。
終盤の、校舎を占拠している学生達を学校側が依頼した警察隊が排除するシーンは、この映画のハイライトで、モンタージュによる緊迫感がよく出ていた。ただ、私は政治的な人間ではなく、こういう若者のやり方には賛同できないので、彼等が催涙ガスの中で警官ともみ合うシーンは長すぎる印象をもった。
警察が入る前には学生達がジョン・レノンの“♪平和を我らに”を唄っていた。懐かしい。
この時代の映画らしくポピュラーソングが色々と流れていたが、ニール・ヤングの“♪ヘルプレス”も効果的な場面で使われていた。占拠した校舎の中で、一夜を明かす学生達を映すシーンで流れた。
尚、“♪僕たちの家”も“♪ヘルプレス”も、CSN&Yの傑作アルバム「デジャ・ヴ」の中に収録されている。
監督のスチュアート・ハグマンは、この時27歳くらいで、カンヌ国際映画祭で審査員賞を獲ったが、その後の活躍はほとんど聞かない。次年(1971)に同じスタッフで作った「さらば青春の日」(主演:ジャクリーン・ビセット、マイケル・サラザン)も、評判はよくなかったと記憶している。
・お薦め度【★★★=一度は見ましょう、私は二度見ましたが】 

なつかしいですね「いちご白書」。初公開時に見て、あとはまったくビデオでも見直してませんけども・・・
ボート(カヌー?)の練習風景を真上から撮るシーンがなかったですか?キラキラして奇麗だったような記憶が。
キム・ダービーはとても期待されてたと思うんですが、なんとなく消えちゃいましたね。どうしてなんでしょう?
ニューシネマ特有の逆光の映像もよく出てきましたね。
キム・ダービーは、女優は続けているようですが、未公開だったり話題にならない作品だったり・・・みたいです。
キム・ダービーちゃんは、とても可愛かったですね。後で結婚経験者(子連れ?)ときいたときは大ショックでした。若かったですわ(笑)。
>未公開だったり話題にならない作品だったり・・・
そうですか。あどけなさの中に一本芯が通った少女という役にはぴったりでしたが、顔が子供っぽいので大人役だと限界があるんでしょうかねぇ。薬師丸ひろ子と一緒で。
今日、貴殿のブログのニルソンに関する記事にコメントさせていただきましたが、CSN&Yといい・・・同世代のような気がしてきました。
ニールの奥さん、カーリー・サイモンもかっこよかったですねえ。
デイヴィソンといえば、アルドリッチファンの私は
まず「ワイルドアパッチ」なのですが
あのいかにも青臭い感じが生きています。
最近「X-men」で見たときはフツーにおじいさんでした。
この映画は英語の教師に薦められて見たので、アイビーリーグの学生はやっぱり勉強してるな、とかそんなこと考えたの覚えています。
アルドリッチとはシブいですね。
そっか~「ヘルプレス」も流れていたんだですね。
まったく記憶になかったですわ。
ニール・ヤング、いつまでも変わらないな~歌が上手いとはお世辞にも言えないけど、本当に誰にもまねできないスタイルを持っているすごい人ですよね。
CSN&Yの ♪ウッドストック、大好きでした!
何年も聞いていないけれど、
やっぱり青春のひとコマで
キム・ダービーは可愛かった。
CSN&Yも良かったし!
ボートのシーン、
公園のグルグルと最後に警官隊が突入する時の
上からのアングルのグルグルが記憶に残ってる。
ついでに青春つながりで、
「小さな恋のメロディー」もドキドキしました。