テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

小ネタ備忘録 ~「彼女を見ればわかること」

2009-05-19 | ドラマ
 「彼女を見ればわかること」は、都会的なアーウィン・ショーの短編集のような(実際はショーの本は殆ど読んでないんですが)映画で、大概の短編小説がそうであるように、どこかファンタジックな趣がある作品です。そして、その中に映画らしいリアルな表現が出てくる。
 紹介記事に書かなかったけれど、記憶に引っかかった小ネタを幾つか書き残しておこうと思います。但し、特に“リアル”だけに拘って取り上げたわけではありません。

 第1話で、エレインがソファでうたた寝をしている老母の身体を整えようとするシーンがあります。その時、「プーッ」とお婆さんがオナラをする。思わず娘は笑ってしまうんですが、こんな真面目な映画の中にオナラが出てくるなんて、珍しいですよね。
 あのお婆さんも、全裸の入浴シーンがあったり、歩行シーンもいかにも認知症っぽくて危なっかしい風情でした。あれは何処まで演技なんですかねぇ? オナラも偶然出たのをそのまま使ってたりして・・。リアルで微笑ましいシーンでした。

 第2話は不倫の話で、男女の肉欲がベースにあります。男の次の日が早朝からの出張なので、その夜は軽い食事だけで早めに帰ろうとします。二人はテーブルで、向かい合って話をする。女は妊娠が分かっていて、その事もただの仕事の報告のように彼に話す。旅行先でうっかりしちゃったわ。その間、二人は片手を絡ませながら話している。この二人の手の絡ませ方がエロチックでしたな。エロさ以上に、女性側の複雑な想いも感じられるシーンでした。
 脚本に元々書いてあったのか、それとも現場で二人の俳優とも協議しながら作り上げたのか。
 エロさは、多分「バーバレラ」以上でしょうね。^^

 ある話の主人公や重要な脇役が他の話にも出てきて、大方内容は前回書きましたが、登場はしないけれど名前だけ出てくる人もいます。
 ヴェラという女性は、第2話の不倫男女の共通の知人だし、第5話の姉妹の知り合いにもヴェラという既婚の女性がいました。
 それと、ローズンという男性。第1話のエレインが待っている電話の相手がローズンで、第2話にもやはり不倫男女の会話の中に出てきました。
 第5話に出てくる解剖医がひょっとしてローズンかなぁと思いながら観てましたが、彼は多分違います。名前はサム。ン? もしかして、名字がローズンか?

 短編集って、話によって出来不出来、好き嫌いが出てくるから、なかなかお薦め度は高くならないけれど、それは小説でも同じで、ある瞬間に特定の話がデジャヴのように思い出されてもう一度観たくなる、そんな気がしますね。

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